2017年6月26日月曜日

安全軽視


2週間ほど前のこと、自宅の電灯が全部フリッカーし始めました。フリッカーとは、明るさが非常に短い周期で微妙に変化する状態で、明かりがちらついて見えること。蛍光管や白熱灯が古くなって、切れてしまいそうになると、よくこんな具合になります。最初に気づいたのは、数ヶ月前に交換したはずの場所だったので、ライトの品質問題かと思いました。買ったばかりの家電製品がダメになるのは、フィリピンではよくある話。

ところが、部屋の照明だけでなく、冷蔵庫や電子レンジの庫内灯までフリッカー。たまたま前夜、ネットに夢中になって2時頃まで起きていたので、目の疲れかなとも思ったり。翌日になっても同じ状態なので、家内やメイドさんに聞いたら、やっぱりフリッカーが見えるそうです。おまけに一昨年、日本の免税店で購入した日本製の炊飯器から、「ジー」と異音が。

そして私たちの家だけでなく、両隣の3軒の住宅でも同じ状況だということが判明しました。そこまで分かったのが土曜日で、週明けの月曜日に、ネグロスの電力を管轄するセネコ(CENECO : Central Negros Electric Cooperstive ネグロス中央電力)の事務所に電話をして点検依頼。

気になったので、フリッカーの原因というの調べてみたら、電圧が不安定になった時に起こる現象なんですね。そうこうしていると、昼前には請負業者がやって来て、付近の電柱に登ってなにやらゴソゴソやってます。珍しく対応が早いなぁと、ちょっと感心しましたが、フリッカーは相変わらず。

しばらく忘れてたら、夕方になって、少し離れた場所にある電柱に、さっき見かけたのと同じ車が止まり、業者さんが登ってゴソゴソ。案の定、フリッカーが出ていた我が家と近所の3軒は停電になりました。今度こそ不具合箇所が特定できて、部品かなにかの交換してるのかな?と思ってたら、何やら様子がおかしい。

人だかりが出来てザワザワして、そのうち救急車が。野次馬根丸出しにして見に行くと、どうやら修理をしている人が感電して、転落したらしい。まだ若い兄ちゃんが、コルセットで首を固定されて、まさに担架で救急車に乗せられようとしている。ひょっとして頭から落ちて頸椎損傷?

電気工事の業者さんに限らず、ここフィリピンでは安全対策をまったく無視して作業する人がほんとうに多い。トライシクル(バイクの輪タク)の運ちゃんでヘルメットかぶってるの見たことないし、家族で小さなバイクに、ノーヘル4人5人乗りなんてザラ。

自宅の工事中に、ヘルメットかぶっている大工さんが誰一人としていなかったし、サンダル履きで、釘を踏み抜く事故もありました。たまたま、我が家では大怪我したりはなかったものの、これは単なる幸運。他では、事故が多発してるに違いないと睨んでいたら、やっぱりでした。

今回の事故にしても、ヘルメットはしてなかったし、下まで落ちたということは、高所作業なのに命綱なしだったんでしょうね。死んだり後遺症の残る大怪我したりしても、保険に入っていない人は多いし、一家の大黒柱が寝たきりになったら、間違いなく家族は路頭に迷います。修理を頼んだ側としては、責任の取りようがないにしても、実に陰鬱な気分になりました。

その後、同じ電力会社に勤める知り合いを通じて、幸い軽症だったことを知りました。電力も1時間程度で復旧し、フリッカーも解消して一件落着。それにしても、この安全軽視の風潮はいつになったら終わるんでしょう。日本ほどガチガチにするのがいいとも思いませんが、もう少し何とかならないものでしょうか?


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