2018年9月18日火曜日

忘れがたき日本名


出典:Amazon

前回、台風が上陸した日に生まれた我が子に、その台風の名前をつけちゃったという投稿をしたところ「フィリピンの台風は、人の名前ですから」と、わざわざ本文に書いてあることを、コメントした方がいました。

これって、タイトルしか読んでないのか、それともよほど日本語の読解力に難があるのか。いきなり勘違いで、怒りの暴言をぶつけられるよりは、すいぶんとマシとは言え、コメントをするんなら、もう少しちゃんと読んでいただきたいものですねぇ。

それはさて置き、今日も名前のお話。

日本人の名前は、どうやら日本人以外の人には発音しづらいものが多いらしい。例えば、タカハシ、ワタナベ、ヤマモト、サイトーなどなど。子音だけの発音がなく、TA-KA-HA-SHI のように、いちいち母音がくっついた音を3つ4つと続けるので、慣れないと言いにくいし、覚えにくだろうと思います。

なので、ファーストネームの場合は、マサヒロだったら、MasaとかMacなどのニックネームにしたり。私が勤めていた会社では、海外業務が多い社員の場合、英文の名刺裏書に、ニックネーム併記をすることが奨励されていました。特に営業さんだと、名前を覚えてもらえないのは、ビジネス上好ましくないですから。

最近は、キラキラネームとまでは行かなくても、マリナやサヤ、カイト、ショーなど、そのまま欧米でも通用する名前も多く、ファーストネームに限れば、発音が難しくない人も。息子のケンは、最初からそれを狙ってました。

私のようにカトリックの洗礼名があると、さらに便利。フランスコ・ザビエル(Francisco Xavier)なので、Francis X. と印刷すると収まりもいいし、何より初対面の人が珍しがって由来を質問したりするので、そこから会話の糸口になることも多かった。

ところが例外的に、百発百中で覚えてもらえて、まず忘れない日本名もあります。ホンダにトヨタ、カワサキ、スズキ。本田さんや川崎さんは、海外旅行の度に、これら有名日本企業の創業者に、感謝されているかも。

そう言えば、前のアメリカ大統領が就任した直後に渡米した、会社の同僚、小浜さんは、イミグレーションで人気者になったんだそうです。女性だったので、判で押したように「ファースト・レディ」と呼ばれたとか。

そういう意味で、フィリピンで大抵の人が知っている日本名の一つが、マキタ。あの電動工具を作っている会社。

フィリピンでは、家を建てたり修理したりする時に、業者や大工に任せっきりにせず、施主自らが建材を品定めすることが多く、場合によっては電動ドリルなどの工具まで購入。そんな時に、ホームセンター(こちらでは、ハードウェアの名称)で頻繁に見かけるのがマキタ。ドイツのボッシュ(Bosh)などと並んで、フィリピンでも電動工具のトップブランド。

また、Makita はフィリピノ語で、Kita「見る、会う」の未来形。西ネグロスの方言、イロンゴ語で「Makita Anay Kita(マキタ・アナイ・キタ )」と言えば、「また会いましょう」になります。偶然ながら意味のある言葉なので、地元の人にも覚えやすい。

実は私の苗字も、フィリピノ語でほぼ同じ発音の言葉があるのですが、「安く買う」とか「値切る」の意味になってしまいます。フィリピン在留邦人の間では、わりと有名なネタなので、暇な人はネットで調べてみてください。


0 件のコメント:

コメントを投稿