2018年9月25日火曜日

タガログ混じり文


フィリピンに住み、ブログを書いたり、ネット上のフィリピン関係コミュニティに入ったりしていると、とても頻繁に目にするのがタガログ語。それも、全文タガログ語で綴られた文章ではなく、日本語のあちこちにタガログ単語が散りばめられた、タガログ混じり文。

当然ながら、読む人がタガログ語を理解する前提。数行の投稿のキメ文句で、上手に入れるのはいいと思うし、センスよくやれば、フィリピン生活のリアルな感じがよく伝わります。時には大笑いすることも。

ただし、これも程度の問題。
フィリピン暮らしの長い人のコメントやブログには、やり過ぎが散見されます。特に多いのが、「アサワ」Asawa(配偶者)の連呼。最初から最後まで、繰り返し「アサワ」「アサワ」で、とても鼻に付く。私の場合、勤め人時代の同僚、「浅輪くん」の顔を思い出して仕方がない。

これ以外にも、ディバ(でしょ)、アヨコ(いや)、ババエ(女)、ポ(「です、ございます」の丁寧表現)...などなど。いかにもフィリピーナと付き合うと、最初に覚えるような言葉がずらりと並ぶ。こういうこと書くと、フィリピン在住のオジさん全員を敵に回しそう。

別に、一切タガログ語を混ぜるな、とか、美しい日本語を守れ、なんて堅苦しいことを言いたいのではありません。何事にもやり過ぎは禁物で、度を過ぎると、とても幼稚に見える。センスも知性も感じられなくなるんですよ。

例えで分かりやすいのが、ルー大柴さんが操る英語混じりの「ルー語」。本当は、若い頃にヨーロッパやアメリカを歩き回って覚えた、実戦で使える英語を身につけておられるそうです。あれは飽くまでも、ネタとしてやってる芸のひとつ。

笑わせるのが目的なので、意図的に「大袈裟で空回りするキャラ」を演じているのを、地でやってしまったらダメでしょう。それではただの「痛い人」。仮にユーモアのつもりで書いていても、そこは素人の悲しさで、どうしても同じネタを繰り返してしまう。

それでも、フィリピンのことを多少でも分かっている読者なら、微笑ましくも思うかも知れません。ただ、公開コミュニティやブログになると、誰の目に触れるか分からない。関係者にしか理解できない「符丁」ばかりの文章は、冗談にすらならず、知らない人には疎外感が募るばかり。意地悪い見方をすれば、仲間内だけの専門用語で遊んでいる、鼻持ちならない集団に見えてしまう。

さらに言うとフィリピン国内でも、タガログ語圏外に住む人にとっては外国語に近い。公用語なので、ほとんどの人はタガログを解しても、日常生活ではまず使わない。イロンゴ語では、「ポ」と言わないし、「アサワ」は妻のみで、夫は「バナ」。

私の推測ながら、タガログ混じり文って、耳で覚えた拙い日本語を、タガログ語で補いながら喋る、フィリピン女性の真似から来ているように思います。魅力的な女の子が実際に目の前で話せば、可愛いいと思うのも分かりますが...。

ということで、ネット上の日本語文にタガログ語を混ぜるなら、濫用せずに、ここぞというポイントでセンスよく使ってほしいもの。また、文末に意味の説明を加えるなど、フィリピンの知識が少ない人への配慮も必要でしょうね。


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