2018年11月19日月曜日

お屋敷、売ります

最近私はフェイスブックで、バコロド・西ネグロス建設ブーム(Metro Bacolod and Negros Occidental Construction Boom)というページをフォローしてます。その名前の通り、ここ数年来、建設ブームまっ最中の西ネグロス州都バコロド。その周辺の新しい建造物を紹介するもの。

このところ一番の話題は、西ビサヤ地方最大の売り場面積というアヤラ・モールの開店。バコロドにはすでに、流通大手のSM、ロビンソンズ、ガイサノが以前から大型ショッピングモールを構えていて、言わばアヤラは、最後の大者。

他店が市の中心部からやや外れた場所に、広大なパーキングスペースを確保して、2〜3階の建物による、郊外型のスタイルなのに対して、アヤラは満を持しての州庁舎のすぐ隣。その名もアヤラ・キャピトル・セントラル。直球ど真ん中・真っ向勝負の5階建て。

どうやらこれは、アヤラ・キャピトルを中心とした、大規模な再開発事業のようで、周囲には何棟ものコンドミニアムが林立し、新しいホテルも開業したところ。当初はマスカラ・フェスティバル(ネグロス最大のお祭り)のある11月の目標だったのが、結局12月1日オープンのアナウンスがありました。それでも残すところ、もう10日余り。

そんな感じで、このページは、とにかく景気のいい話がテンコ盛りで、時々、個人住宅の写真も掲載されたり。先日私の目を引いたのが、そんなトピックのひとつ。

売り家
リノベ済みで、敷地 1,160平米、総床面積 700平米
アメリカンサイズの寝室が5部屋
全室ウォークインクローゼット、
 トイレ・バスタブ付きシャワー完備
別棟にトイレ・シャワーのある家政婦、運転手部屋あり
庭は全面芝生
24時間警備の宅地内
グレートな選択、グレートな暮らし

 




すっごいですね。
最後の1行は、つい調子に乗って、ルー大柴さんっぽく訳してしまいました。

価格の記載はないけれど、ネグロスでもこの規模だと、土地込みで2,000万ペソはするはず。日本だったら軽く億の単位になるのは、間違いない。我が家が300平米の敷地に総床面積がベランダを入れても200平米程度。ざっと3倍以上です。

購入価格もさることながら、維持費もすごいでしょう。どう少なく見積もっても、メイド3名、庭師と運転手が1名づつ。場合によっては警備員も雇う必要がありそう。ただの使用人だけじゃなく、本気で執事が欲しいぐらい。こうなると、家じゃなくてお屋敷ですね。

この記事をフェイスブックでシェアしたら、バコロド生まれで、今は日本に住んでいるフィリピン人の友達から、私も気にしてましたとのコメント。この人、小さい頃はずいぶん貧乏だったそうで、近所にある同じような豪邸を見上げては、いつかはこんな家のオーナーになってやると、まるで昔のスポ根マンガの主人公みたいに、闘志を燃やしていたんだとか。

それにしても、この家を買う人は、一体何人で住むんでしょうか。4〜5人ぐらいだったらスカスカで寂しいかも知れません。台所の写真を見ると、ここで料理するのは広すぎて寒々しい。これはオーナーやその夫人が、自分で立ち働く場所じゃないですね。それこそ料理人の2〜3名もいて、毎日晩餐会でもしないと。

そんな想像をしていて思い出したのが、30年以上前のバブル最盛期の頃、何を勘違いしたか、父親が買った中古のベンツ500SEL。黒塗りの神戸ナンバーで、しかも左ハンドル。普通に走っても、周囲の車が避けてくれる超強面。

たまに借りて運転したら、高速道路で料金を払う時に、助手席側のウインドウまで、シートベルト外して腰を浮かさないと手が届かないほどの広さ。これは運転手付きで、オーナーは後部座席に乗る車ですね。

つまり、いくらお金があろうが、家でも車でも、あるレベルを超えてしまうと、私のような庶民には無意味。300平米の家でも、1人で留守番したら怖がってしまう小心者ですから。

前述の、バコロド出身の友人は、この家を買うほどでなくても、ちゃんと家族もいて、それなりに充実した暮らしぶり。やっぱり維持費を考えると現実的ではないと、思っているようです。


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