2018年11月23日金曜日

ニュージーランドのあしながおばさん


今年(2018年)の中頃から、相次いで宿泊のお客さんを迎えてきた我が家。なぜか、ず〜っと日本人が続きました。それが、もうすぐ12月という時期になって、久しぶりにフィリピン人の泊まり来客です。

やってきたのは、ディオニシオ夫妻。お二人とも私と同年代の50代半ば。陽気だけど騒がしくなく、知的で上品だけどフィレンドリー。身近にいるフィリピンの知人と比べると、やや珍しい雰囲気。どちらかと言うと、家内のフィリピン大学時代からの友人の中に数人、近い佇まいの人が思い当たるぐらい。

実は、私はもちろん、家内も初対面。聞くところによると、夫妻はニュージーランド在住。奥さんがオークランドで図書館に勤務されているそうです。その関係で、おそらく処分する本がたくさんあったんでしょうね。今年3月、バリックバヤン・ボックスに二箱、約千冊の英語書籍を、シライ市内の学校へ寄贈されました。

それだけなく、ミンダナオなどにも、同様の寄付をしている篤志家。生まれはルソン島イロカノ地方なのに、なぜあまり縁のなさそうなネグロス島かというと、家内と共通の友人を通じてのこと。

ネグロスの隣、パナイ島にある、フィリピン大学ビサヤ分校ミヤガオ・キャンパス。ここで10年ほど昔、学長をしていた家内の大学の先輩グレン。学長を退任後、家族でニュージーランドに移住し、今大学生の娘さんエリエルが、ディオニシオ夫人と知り合いました。そこで、教育省のシライ・オフィスに勤める家内に、寄付の話が舞い込んだという経緯。

フィリピンでは、海外で成功した出稼ぎ労働者が、地元の自治体や、母校の同窓会の費用として、まとまった額の送金をするのは、よく聞く話。家族や親戚だけでなく、故郷の同胞たちを、少しでも助けられたらとの願ってのこと。

とは言え、いくら友人の紹介があっても、災害や内戦で大きな被害が出たわけでもなく、他地方の人からすれば、知名度が低いシライ市を寄付先に選ぶのは、なかなかできることではありません。現金ではなく、学校に本を寄贈というのも、とても好感が持てます。

ということで、今回のシライ訪問は、たまたま別件で日本へ旅行する機会を利用してのご挨拶。私は、昼過ぎのフライトでマニラから到着したご夫妻を旅行代理店の社員よろしく、お二人の名前を印刷した紙を持って、空港ゲートでお出迎え。どの人なのか分からないって、意外とドキドキするもんですね。

その後、数時間のシライ観光にお連れしたり、私の料理した夕食を振舞ったり。大したことはできませんが、シライへのご厚情に感謝の気持ちを込めました。仕事から帰宅した家内は、翌日、寄贈先の学校がある山間部、ランタワンでの歓迎パーティに向けて、大きな中華鍋一杯に、フィリピンの家庭料理、アドボを用意。

僅か12時間ほどのディオニシオ夫妻との交流でしたが、こちらまで何だか温かい気持ちになることができました。


両端がディオニシオ夫妻


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