2018年11月6日火曜日

文化遺産でフードコート


昨日11月5日は、ネグロスの独立記念日、シンコ・デ・ノベンブレ(Sinco de Novenbre)。フィリピン全体が独立する直前に、ネグロス島民が自力でスペイン軍を追い出し、ほんの一瞬ながらネグロス共和国が樹立されたことを祝う日です。

その時期に合わせて、3年前から始まった、シライ市のフードフェスティバル「カオン・タ」。カオン(Kaon )は「食べる」。タ(Ta)は、「私たち」を意味するキタ(Kita)の短縮形。直訳すると「食べましょう」。これはイロンゴ語で、食事前の決まり文句なので、意訳すれば「いただきます。」みたいな感じでしょうか。

シライ市民にはすっかりお馴染みになったこの行事。今年は、私たち家族3人と、家内の親戚4人も誘って、晩ご飯を食べに行きました。

フードフェスティバルと最初に聞いた時は、シライ市内で収穫される農作物や、鶏・豚の肉、魚などの展示即売でもやるかと思いました。そうじゃなくて、近在のレストランが期間限定でケータリング。つまり、フードコートみたいなもの。

それだけだと、お祭りの時に出る屋台と大差がないけれど、この企画の肝は、シライ市の中心部に博物館として保存されている、築100年のスペイン風住宅「バライ・ネグレンセ」(Balay Negrense ネグロスの家)を会場にしていること。



さすがに文化遺産の建築物内で、煮炊きはできないらしく、出店はその広い園庭。テントや照明機材を持ち込み、仮設のステージまで用意され、生バンドの演奏付き。夜店よりもかなり落ち着いた雰囲気。


値段は一品100ペソから200ペソ程度なので、市内のレストランで普通に食べるよりも、ちょっと割安ながら、客層は中の上という感じ。この時期は市役所前広場のプラザに、移動遊園地が開設し、正真正銘の夜店が立ち並んでいるので、もっと安く楽しみたい人たちは、そっちに流れているらしい。





ということで、少し早めに行ったこともあり、それほど混雑もなく、割とゆったり食事をすることができました。私が頼んだのは、ネグロス名物バコロドチキンの串焼き。素朴な料理ですが、当たり外れがない。


それにしても感じるのは、昨今のフィリピン経済の好調振り。二十数年前、初めてシライに足を踏み入れた頃には、プラザの夜店一択でした。それが最近では、カオン・タだけでなく、同じ週末に、民族楽器のコンサートがあったり、2週間後にはソーシャルダンスの大会が催されたり。

お祭りイコール、酒飲んで屋外ディスコにカラオケという、垢抜けない田舎スタイルが、少しづつ変わっていく気配を感じます。底辺の貧乏人と超大金持ちの二極から、中間層のボリュームがずいぶんと増えているんでしょうね。

何をするにせよ、選択肢の幅が広がるのは、喜ばしいことです。


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