2018年12月24日月曜日

フィリピン「いいこと」あるある


今年は、フィリピンの「あるある」ネタを何度か投稿しました。最初は、日本とフィリピンの気候や文化の違いから生じる、笑えるエピソードのつもりが、前回は、フィリピンdisり大会みたいになってしまった。また、コメントの内容もエスカレートして、フィリピン人への悪口大喜利と勘違いする人まで出てくるし。

なので今日は、反省を込めて「いいこと」あるあるのお話。このブログをずっと読んでいただいてる方ならお分かりのように、本当に私は、ネグロス暮らしを楽しんでるんですよ。私の場合は、単に移住しただけでなく早期退職がセットなので、誰にでもあるあるかどうかは微妙ですけどね。



それでは、まず環境編


夕焼けの美しさに開眼

寒いという感覚を思い出すのに努力が必要

窓からの景色が半分以上緑色

小鳥のさえずりで目覚めるのは詩の世界だけではない

時々、ガラス窓にスズメが激突する音も混じる


もういきなりネグロス(あるいはフィリピンの田舎)限定で申し訳ありません。夕焼けがきれいだなんて、子供の頃は当たり前に感じてたはず。確かにネグロスでは、市街地をちょっと離れると、360度広がった一面のサトウキビ畑なので、空が広いというのはあります。ただ日本での会社勤め時代には、しみじみ空を眺める、心の余裕がなかった。

また小鳥がさえずっていても、時間に追いまくられ過ぎて、意識に上ってこなかったんでしょうね。都会のスズメは、窓ガラスにぶつかるほどバカじゃないけど。

そして特筆すべきはネグロスの緑の豊かさ。景色の半分どころか、裏庭を数ヶ月も放置すれば全面グリーンの密林状態。こちらでは自然の草木は保護するんじゃなくて、時には駆除の対象。蔦が道に蔓延って、車が走れなくなるほどです。



次に、自分自信の感覚の変化について


赤ん坊の泣き声がちっとも気にならない

子供が大好きになった

子供が来るとつい抱っこしようとする

犬猫が可愛いと思える

美人のストライクゾーンが拡大


さすがの人口分布ピラミッド、安定の二等辺三角形を誇るフィリピン。都会も田舎も子供がうじゃうじゃ。若い頃だったら、とても堪えられないと思うほど、実は私は子供嫌いでした。ところが人間、変われば変わるもの。

これほど子供率が高い環境に放りこまれれば、気難しい日本のオっさんでも、子供大好きのティト・フランシスに変貌。子連れで我が家に来た人など、昔は違ったんですよと言っても、信じてもらえないほど。

それと連動するかのように、ずっと犬猫は敬遠していたはずなのに、気がつくと両方飼ってます。毎日の餌やり当番をこなしてると、ペットにまで懐かれてしまいました。

さらには、醤油顔の日本的美人だけしか眼中になかったのが、マレー系、インド系、スペインに中国と、スリムもグラマーもチャビー・ガールも、美人のストライクゾーンが我ながら節操がないほど拡大したのには、苦笑するしかありません。



ネグロス時間は、流れ方がずいぶんと違ってます。


忙しがる人が周囲にいない

「お忙しいところ、すみませんが」と言われると不思議な感じ

朝起きた時の開放感が半端ない

昼寝は人間の本能だと思う

やりたいこと、好きなことしかしなくなった


おそらく、年中暑い気候と無縁ではないと思われる時間の感覚。このクソ暑い中、なにをあくせく働いとんじゃ?という感じなんですよ。第一走ってる人はまず見ない、歩く速度もゆったり。基本的に時間外労働はなく、5分や10分の遅れで大騒ぎする人も少ない。

今、私が一番幸せなのは、朝起きた時。毎朝、会社辞めてフィリピンに移住して、本当に良かったと思ってます。子供を学校に送っていったり、朝ごはん作ったりはあっても、あの寸刻を惜しむ戦場、みたいな状況とは雲泥の差。家事が一段落したら、二度寝も昼寝も好きにできる。生きる上で貴重なのは、お金より時間だと、日々実感しております。



時間だけでなく、羞恥心にも変化が。


寝巻き代わりのシャツ・短パンで、そのまま外出

音楽を聴きながら、窓を開けて大声で歌う

人前でも家内にキス

さらに親戚、妙齢の美女でも大胆ハグ


これって、フィリピンに関係なく単に、歳食って厚かましくなっただけかも。歌については、日本にいたころから大好きで、教会の聖歌隊にいたこともあります。もちろん日本の賃貸マンションでは、歌うにしても小声。それがこっちでは、タガが外れたように爆唱三昧。近所では、昼間っからヘタクソなカラオケ大会やってたりするので、誰も咎めたりしません。

挨拶のハグは、最初はずいぶん躊躇したけれど、今ではすっかり慣れちゃいました。女性とだけでなく、汗臭いオっちゃんでも大丈夫。嫌な相手だったら、最初から挨拶しないし。



気になるお買い物は、


物欲が減退した、特に衣類

安物はできるだけ買わない

ただし買う時は高くても即断即決

食材購入は、貪欲に


服にお金を使わなくなるのは、おそらく女性でもそうじゃないかと思います。やっぱりファッションって、ある程度の量を身につけないと、お金のかけようがない。Tシャツにジーンズで、装身具だけ凝っても意味がないし。サンダル履きじゃ、いくら高価と言っても多寡が知れてます。

雑貨の類にしても、安い=お得、では全然ないフィリピン。どう作ったら、こんなに簡単に壊れるのかと言うぐらい、掛け時計、充電式電灯、調理道具に玩具など、安物はすぐダメになる。

こうなると、どうしても必要なものだけ厳選して、それが少々高くても買う時は買う、となるのは当然ですね。ただ、家内はまだその感覚にはなっていないようで、変なところでケチって、すぐに買い直しをやってますけど。

例外は食材。物欲というより食欲だから、仕方がない。日本製の食材は、売り場にある時に買わないと、一旦品切れになったらなかなか入荷しないものですから。



日本人との付き合いに関しては、


日本語を喋るのが嬉しい

日本人の友達が増えた

しかも年齢、性別、出身地、仕事が見事にバラバラ

その上、若い女性が頻繁に自宅に来てくれる

ついうっかり、フィリピン式にハグしようとして拒否られる


たまに、まとまった量の日本語を喋る機会があると、つい嬉しくなってしまうのは、私に限らないと思います。思いがけなかったのは、仕事を離れ、フィリピンとかネグロスという共通項で括られると、見事なほどに付き合う人の属性が、バラバラになるということ。いかに日本のサラリーマンが、限られた人間関係の中で生きているか、よ〜く分かりました。

特に、英語留学やボランティア関係の人が多く、若い女性と会う機会が増えたのは嬉しい限り。「今時の若いモンは...」なんて誰が言ってるんでしょうね。我が家に来てくれるのは、素直で優秀な若者ばかり。

つい調子に乗って、ハグしようとして嫌がられたこともあったり。やっぱり相手がフィリピン人じゃなかったら、これは立派なセクハラですな。ごめんなさい。



続いて食事関係。


魚を3枚におろせるようになった

クックパッドがどんだけ便利かに気づいた

確実に家族と一緒に、夕食が食べられる

食事は大切なことだと悟った


フィリピンに住み始めて、日本ではあまりやらなかった料理にハマる人が、結構おられるんじゃないかと思います。いくらフィリピンの食文化に順応しても、たまには日本食も欲しくなる。

食材や調味料は、探せばほとんど日本と同じか、近いものが手に入るフィリピン。バカ高い日本食レストランに通わなくても、自炊で再現できる日本の味も多い。かくして、スマホ内で、クックパッドのブックマークがどんどん増えて、魚ぐらいは3枚におろせるようになるわけです。

料理の味だけではなく、晩ご飯を家族みんなで食べることが、どれだけ大切なことか、最近よく分かります。夫婦仲や親子関係、家庭の問題全般は、この習慣が失われたことに起因するケースが多いんじゃないでしょうか。



最後にメイド編。


金で解決する方が簡単だ

何でも自分でやるのは美徳ではない

家事にも経営感覚は生きる

自分は上司、メイドは部下と心得る


メイドを雇うと言うと、主婦 / 主夫の義務を盾にして批判する日本人がたまにいます。子供の世話や料理を任せたって、家族への愛情が減ったりしませんって。そんなの全然関係ない。むしろ、あまり創造的じゃない雑務から解放されて、家族と過ごす時間を持つ方が、よっぽど愛情溢れる行為。

変な感情論を持ち出すより、お金で解決できることは、お金を払えばいい。お金は貯めるのが目的ではなく、有意義に使うためにあるんですから。

またメイドを使う、イコール、全部丸投げにする、では決してない。知り合いに、日本食のレシピを英語で、「少々」とか「適宜」などの曖昧な表現を用いず、この通りやったら初心者でも大丈夫のレベルで、何十枚も書いている人がいます。

そこまでしなくても、明確な指示を出す、信賞必罰を徹底する、プロセスの確認など、部下を持つ経営者の感覚はとても大切。これを続ければ、自然とメイドとの間に信頼関係が築けます。それが理解できない人だったら、さっさとクビにすればいいだけのこと。



ということで、書いてみても「俺だけあるある」と思われる項目が多数。でも見方を変えれば、これに共感いただける人なら、フィリピン田舎暮らしの順応度は高いとも言えます。半分以上「あるある」と思われた方は、いますぐネグロス移住を検討してみてください。


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