2017年10月13日金曜日

私的フィリピン美女図鑑 スーパーの警備員 再び

今日の美女図鑑は、以前の作品「スーパーの警備員」の描き直し。

本当は、気になる箇所を少し修正して、元の投稿のイラストだけ差し替えておこうと思ってました。ところが、いざ手をつけてみると、ここも気になる、あそこも直したい。そっちがそう変わったら他も整合性が取れない...てな具合で、芋づる式にどんどん修正箇所が拡大。気が付いたら、画面の基本構成からすっかり別物になってしまいました。

そんな経緯で、投稿もやり直すことに。

これが手描きの水彩作品だったら、ここまでの手直しはできなかったでしょう。油画の場合は、厚塗りをすれば下絵を隠すこともできるので、完全描き替えもできます。高校の美術部にいた頃は、先輩が放置していった使用済みのキャンパスを、上塗りして自分の絵を描いたこともありましたね。

デジタルのイラストでは、元のデータをそのまま残して、かなり初期の段階から描き直しができるので、たいへん便利。ただし、各部分をきちんとレイヤー別に分けておくことが重要。これをいい加減にして、詳細まで描き込んだ部分をごっちゃにすると、それこそオモチャ箱をひっくり返したようになって、収拾がつかなくなります。

今回はいい機会なので、どういう手順で描いたかを、プロセスを追ってご紹介します。

まず、人物。
当初のポーズやアングルはそのままで、詳細だけ追加しようという意図。ところがどう見直しても無理そうなので、人物は総入れ替え。顔の表情を描いて、頭髪、全体のプロポーションと進めていきます。


リアルに表現する場合は、陰影の描写がとても重要。元写真を減色して、陰影の段階を分解し、それをグラデーションに置き換える。このプロセスは、細くやればいくらでもできてしまうので、止め時の見極めが難しいところです。

 

着衣のベースが完成したら、ネクタイやベルト、ワッペンなどのアクセサリー類。衣服のような曖昧さが少ないので、工業デザインで培ったテクニックが活かせるところ。私としては、一番楽しんで描けるプロセスでもあります。

次に背景。
元絵で描き起こしたスーパーの正面図と後ろの雲は、ほぼそのままで、スケールを変更して使用。空いたスペースを埋めるために、やっぱり別の要素が必要なようです。


そこで思いついたのが、人物のアクセサリーに多用されたイエロー。スーパーの看板にも同系色があるので、全体をイエローで包むイメージが頭に浮かびました。モデルの女性も、とてもボーイッシュで、女性っぽさを強調するような赤とかピンクより、イエローの方が似つかわしい。私が子供の頃に流行った「ひまわり娘」という歌を思い出しました。

選んだモチーフは、そのひまわりと、フィリピンでは庭木によく用いられるイエローベル。我が家の裏庭にも一株植わってます。


そして完成品がこれ。
ずいぶん健康的なイラストになりましたね。1枚大きくプリントアウトして額に入れて、モデルのお嬢さんにプレゼントしてもいいぐらい。今日は思いがけず、フィリピン美女図鑑の裏舞台紹介になりました。


過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。

2017年


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