2020年7月27日月曜日
そして連休だけが残った
先週の木曜日から日曜日、日本では四連休だったそうですね。フィリピンにいると何の関係ないけれど、パソコンやスマホのカレンダーを日本語で表示させている関係で、自動的に祝日が日本仕様。嫌でも気が付いてしまうわけです。
それに、フェイスブックの友達が日本人とフィリピン人が半々ぐらい。家内のために作っているお弁当の写真を投稿すると「あれ、なぜ今日もお弁当?」みたいなコメントが。
さて日本の連休とは、言うまでもなく、東京オリンピックの開会式に合わせて設定されたもの。ずいぶん前に決められて、オリンピックが延期になった春頃にも、臨時の祝日は延期にならず、形骸化して連休だけが残った格好。
まぁ、本来の目的が失われても、休みのままにして困るわけでもなさそうだし、これはこれでいいんでしょう。ただ、フィリピンと比べると、物事を決めるのも止めるのも、ずいぶんと時間がかかるし、日本って、途中での方向転換が難しい国なんだなぁと思ってしまいます。
フィリピンに住んでる人には、毎年お馴染みながら、変動祝日が多い。それも一週間前とか、数日前になって、イスラム関連の日が急にお休みになったり。マニラで国際会議がある時も、首都圏限定で、この手の「ドタ休」大統領令が頻発。
さすがに独立記念日とかクリスマスは変わりませんけど、去年は休みだったのは、今年はなくなった、なんて日もあったりします。
仮にオリンピック開催国がフィリピンだったとして、延期が決まった時には、開会式を祝日にするかどうか、ドゥテルテさんがまだ大統領令を出してなかったかも知れませんね。仮に祝日でも、簡単に「やっぱり止めとこ」とか言いそう。
政府や大統領がこの調子ですから、フィリピンの場合は、役所関係も責任者が変わると、ルールがコロコロ変わる。それも国民に周知徹底されないもんだから、窓口では無駄に待たされたり、無意味な手間がどれだけ多いか。
ただ、日本のように決まり事にがんじがらめで、融通がまったく効かないのと比べると、長い目で見た時に、果たしてどっちがいいのか、最近はちょっと分からなくなってきました。
よく例に出されるのが、大規模公共事業。青函トンネルとか本四架橋の類。高度経済成長の真っ只中に立案・着工された内容が、どれだけ時代が変わっても、まったく見直しもされない。航空運賃が下がるとか、そもそも、それほどのコストをかけて、人やモノが移動する需要が減ったとしても。
実は私の地元でも、セブ〜ネグロス〜ギマラス〜パナイの島々を結ぶ橋の建設が、来年(2021年)にも着工するそうですが、このコロナ禍。お金がないと判断したら、速攻で中止になるかも知れません。実際、ドゥッテルテさんは、前政権が決めたプロジェクトを、たくさんキャンセルしてますからね。
無駄な金を使わなかったから、コロナ対策の資金が残ったと、スピーチで自画自賛してましたっけ。
翻って、我が母国の日本。
四連休をそのまま無駄にするのが、よっぽど悔しかったのか、約1兆7千億円という、フィリピンの2020年国家予算の1/5に匹敵する税金を突っ込んだ「Go To トラベルキャンペーン」を、この連休にぶつけた日本政府。
ところが、新型コロナの第二波の影響で、またもや感染者数が激増し、結局東京だけは外出自粛に逆戻りしてしまう混乱ぶり。東京だけでも強行せずに取り止めにしたのは、良い判断だったと言うべきか?
世界史に残るであろう突発事件のコロナ禍。これを教訓として、日本も物事の決定や、中止を含めた方向転換を、もっと機敏にできる国にならないかなぁ? フィリピンを見習えとは言いにくいけれど、それぐらい最初は大雑把で、走りながら進路を修正するのは、この変化の激しいご時世、決して悪いやり方じゃないと思いますよ。
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