前回の投稿が地震で、今回が台風。もう勘弁してくれよって感じです。地震はともかく、昔から台風被害の多いフィリピンなので、最近、中規模程度以下の台風に関しては、ブログで取り上げてませんでした。
ところが今回のTino(ティノ)は別格。いわゆる「スーパー台風」ではなかったんですが、問題は進路。フィリピン中部のビサヤ地方の心臓部を東西に横断した格好で、大都市のセブだけでなく、パナイ島の州都イロイロ、そして私たち家族の住むシライと隣街の州都バコロドを直撃。久しぶりに、台風の目に入って吹き荒れてた風雨が一瞬静まる、というのを経験しました。
11月3日の月曜日、日本では文化の日の祝日に「これはシライ直撃だ」とビビっていたら、瞬く間に接近して、翌日の火曜日の朝から強風と豪雨。ひとたまりもなくネグロス電力管内、つまりネグロス島の東半分が停電し、午後には台風が上陸するという電撃パンチ。ただ動きが早かったので、暗くなる前に風雨が収まってくれたので、一部道路が冠水していたものの、何とか発電機用のガソリン20リッターを買いに行くことができました。
本当なら前日には分かっていたんだから、買い置きしておけって話なんですが、完全に舐めてました。それとつい1週間前に12時間の計画停電があったばかりなので、在庫が払底してたってのもあります。
それでもまだ、翌日には電気は戻るだろうとタカを括っていたところ、ガソリンスタンドまでの道のりで、被害の大きさを目の当たりにしました。いたるところで街路樹が根こそぎになり、それに引っかかる形で、電柱は倒れるはケーブルは垂れ下がるは。確かに風が強いとは思ってたものの、見える範囲の自宅の周囲では、そこまでのエラいことにはなってません。しかも、当てにしてたガソリンスタンドが軒並み閉まってて、やっと営業してるスタンドを見つけたのが5件目。事ここに至って、ようやく事態の深刻さを認識した次第。
ネグロスでも相当な被害だったんですが、セブでは車が流されるほどの洪水だったらしい。前回の地震でもセブ島北部は大被害だったので、つい日本の能登半島の惨状を思い出してしまいました。ちょっと前まで、セブは自然災害が少ないって、言われてたはずなんですけどねぇ。
そして迎えた、台風一過の今朝(11月5日)。本来この日は「シンコ・デ・ノビェンブレ」のネグロスの祝日。1898年、フィリピン全土に先立って単独でスペインを追い払い、ネグロス共和国を樹立したという記念日。なので元々、学校も職場も休み。台風当日は休みだったメイドさんも出勤してくれて、家族で後片付けの1日となりました。
私はの分担はというと、いつものように食事担当に加えて、発電機の運用。どう楽観的に考えても、電力の復旧まで数日はかかりそうなので、まずはメイドさんにお願いして、追加のガソリン購入。これがなかなか帰ってこない。案の定、どこも発電機の燃料用にと、長蛇の列ができてたそうです。幸いにもATMは開いてたので、当面のガソリンと食料には困らない程度の現金はゲット。
とは言え、お金があっても品薄でガソリンを買えなくなる可能性もあるので、3時間稼働して2時間止めるという時間限定で様子を見る事にしました。台風が過ぎて暑くなってきたので、高齢の母にはかわいそうなんですが、扇風機無しで2時間我慢してもらうしかありません。ちなみに家庭用の発電機なので、エアコンやシャワー用のヒーターも使用不可。不便なことです。仕方がないので、解凍した豚肉や封を切っていたベーコン、スパムの類を一気に料理して、今夜は、時ならぬ「お肉祭り」の夕食になりました。
ということで、このブログを執筆中もまだ電気は戻っておらず、もう停電が36時間を超えました。こっちでは停電のことを「ブラウン・アウト」と言って、発電力不足による計画停電やってた時代の呼称が残ってますが、今回のは正真正銘の「ブラック・アウト」。それでも、一部では前日の深夜に復旧してた場所もあるそうなので、何とか明日中には...と思っております。