2025年3月10日月曜日

またもや騒音と戦う日々

 向かいの家で、騒音大会が始まったのが、ちょうど私のミンダナオ滞在から帰宅した頃なので、かれこれ2ヶ月近く経ちます。騒音大会なんて大袈裟に書いてますが、要するに向かいの家のオーナーが代わって、リノベ工事が始まったということ。

以前のオーナーは、夫が「サトウさん」という日本人。ただしかなり高齢だったようで、若いフィリピン人妻にお金だけ出して家を建てて上げたはいいけど、結局一度も住むことなく他界したらしい。私も会ったことがありません。

その若かった奥さんも、娘が高校を卒業するぐらいなので、すっかり中年女性。その後再婚して、いろいろ商売をやってたようなんですが、コロナ禍やらがあってお金に窮して、結局は前夫の遺産である家を売っぱらってしまった次第。

実を言うと、このオバさんはかなり迷惑な隣人でした。元々山間部の出身らしく、フィリピンの田舎の人あるあるで、頻繁に親戚を呼んでの大宴会。それが週末の深夜に及び、閑静な住宅地の真ん中で下手なカラオケはガナる。養鶏業を営む新しい旦那さんが来てからは、庭で大量の雄鶏を飼って、喧しいことこの上なし。

せめて敷地の周囲に壁でも作ってくれればマシなものを、お金がないので庭が剥き出し。その庭も手入れもせずに放置して、完全にジャングルに戻っている有様。さらに、そこから出る落ち葉で焚き火をするもんだから、風向きによっては、こちらにも煙もくもく。もう、これ以上はないというほど迷惑千万なので、出ていってくれてホっとしてます。

問題は、次のオーナーがどんな人物かというところ。さすがに600平米ほどの家付のロットを買ったぐらいなので、それなりに裕福で、おそらく前のオーナーよりはマシだろうと思います。ただ差し当たって困っているのは、リノベ工事の騒音。

まず工事は、ジャングル状態の雑木の伐採から始まりました。これが丸三日間チェーンソー使いまくり。ただ切り倒すだけじゃなく、運び出しができるように、細かく切断するのですごく時間がかかります。その間、脳みそを掻き回されるようなエゲつない騒音。

それが終わったと思ったら、チェーンソーほどではないけれど、グラインダーやらハンドドリルの轟音。それだけなら、我慢するしかないと諦めもつきます。ところが、わざわざデっかいスピーカーを持ち込んで、朝から夕方までディスコ並みの大音量BGM。フィリピンなら珍しくもないとは言え、ここはサブディブジョンとかビレッジと呼ばれる、それなりにお高い高級住宅地。宅地のルールでも「大音量の音楽は禁止」となっています。

極め付けは、ステイ・インつまり工事の敷地内に住み込みの大工さんなので、夜も音楽流すんですよ。それだけでなく、カラオケまで始める始末。これはアカんやろ。

この手のトラブルは初めてではなく、向かいとも裏とも両隣とも、一通り揉めてきた移住13年目の私。こういう時は、外国人である私が直接文句を言うと、確実に相手が感情的になって大喧嘩になるので、今回は、メイドさんや家内、二人が不在の時は、宅地のガードマンに頼んで、音楽を止めるか音量を下げるように「お願い」してもらいました。

ツラいのは、ただうるさいだけでなく、家内が私の不快感をまったく理解してくれないこと。他のことに関しては、日本とフィリピンの感覚差をあまり感じたことがないし、なかなかのインテリの彼女。むしろフィリピン人離れしている性格のはずが、騒音に関しては、以前から平行線なんですよね。

それでも苦情申し立ては効果的で、少なくともその日のうちは、音楽「だけ」は静かになります。ところが、学習能力がないのか、記憶力が希薄なのか、翌日から数日後には同じことの繰り返し。仕方がないので、こちらも同じ対応。どうやら、ずっと同じ大工ではなく、メンバーの入れ替わりがあるようで、イタチごっこが延々と続く有様。


それにしても、一から建て直すわけではないのに、ずいぶんとチンタラ仕事やってますね。時々観察してみると、頭数が多い日は、とかく私語が増えます。それも、まるで酔っ払いの集会か?というような大声で怒鳴り合っているみたいに。音にダラシ無い大工は、あまり技能も高くない感じ。あるいは日当仕事で、長引けば長引くほど、手取りが増えるのかも知れません。冗談みたいですが、日曜日まで出てきてるのを見ると、案外これは当たってる気が。

ということで、そろそろ乾季に入り、晴天が続いて暑くなってきたネグロス島。間の悪いことに、工事現場の真正面に私の書斎があるので、日中は締め切ってエアコン使うしかありません。壁は仕上げ段階なので、せいぜいもう2〜3週間程度でおしまいなんでしょうけど、とにかく一日も早く、以前の静けさが戻ってほしい。騒音に対してだけは、私のフィリピン移住で持った、後悔に近い感情です。



2025年3月2日日曜日

飼い犬ゴマの受難

我が家で「ゴマ」と名付けた犬を飼い始めたのが2017年。生まれたての仔犬だったゴマも、もう8歳。 人間ならば立派な中高年で、下手をするとアラ還の私と同世代なのかも知れません。何度もこのブログで取り上げているので、犬好きの方は、こちらから過去の投稿をご覧ください。

そのゴマが、先日、急に餌を食べなくなりました。気が向かないと朝ごはんをスキップすることがあっても、夕方には何もなかったかのように、ガツガツと完食するのが常。なので「ああ、またか」程度で特に気にも留めてなかったのが、今回は丸二日も絶食のハンガーストライキ状態。それだけでなく、なにやら出血してる。よく見ると、睾丸の一部が腫れて、そこから血が滲みだしています。そして明らかに元気がない。

いつもなら、家の前を人や他の犬が通っただけで、ものすごい勢いで吠えまくり、庭の端から端まで全力疾走する奴が、その日は、ずっとヘタリこんだまま。う〜ん、これはヤバいかも。

びっくりして「犬」「睾丸」「出血」でグーグルさんにお伺いを立ててみたら、中高年で去勢をしていないオス犬は、生殖器周りの病気になりやすいとのこと。恐ろしいことにガンの可能性もあるらしい。

特に自慢できるような犬でもない、どちらかと言うと、あまり賢いとは思えない駄犬のゴマ。ただ健康だけが取り柄で、たまに変な咳したり、食べた餌を吐いたりすることはあっても、すぐに回復。数年前には近所の犬と大喧嘩して、流血の惨事になったものの、1年後には同じ犬とリターンマッチで、今度はリベンジを果たしたり。そんなゴマなので、今まで一度も獣医さんの世話になったことがありません。

もともと私たちの住むネグロス島のシライ市内には、信頼できるペット・クリニックがなかったのもありますが、最近ようやくマトモなクリニックができたんですよ。義妹のジーナのペットで、小型犬の「コフィ」が病気になった時、きちんと治療してもらって快癒したそうです。なので、さすがに今回は、ゴマを獣医さんに診てもらわないとダメな状況。

そんなこんなで、明日は病院へ連れて行こうという晩は、朝になって冷たくなってたらどうしようなんて、悪い想像ばかりしてました。心配になって、頻繁に撫でてやったりしたものです。死にそうになったからと、急に優しくするなんて、あまり良い飼い主とは言えませんね。

明けて、ピカピカの青空が広がる土曜日の朝。お〜い、生きてるか〜?とばかりに窓を開けたら、気のせいか妙に元気になってる。(ちなみにゴマは外飼いです。)もしかしてと思い、試しに餌を少量与えてみたら、以前のようにアッという間に完食。病院に連れて行かれるのが嫌で、カラ元気を装ってるのかと思うほど。


まるで、コメディのような展開ですが、念のために股間を確かめたら、まだ腫れてはいるものの出血は止まった様子。正直なところ、私も家内もできれば病院には行きたくなかったので、しばらく様子を見ることにしました。

ところが様子を見るも何も、朝からムダ吠え全開で走り回り、すっかり以前のやかましさに戻ったゴマ。夕方には元気に散歩して、ちょっと多めに盛った餌も平らげました。前日までの弱った姿はなんやったんや?

ということで、それから1週間が経過して、睾丸の腫れもほぼ治り、食事も散歩も通常運転。この話を私のイロンゴ語の家庭教師バンビにしたら、腹を抱えて大笑い。ほんと、病院嫌いの子供のような反応でしたからね。とは言え、健康になったのはおおいに結構。おかしなもので、それ以降、あれほど鬱陶しく感じていた深夜や早朝のムダ吠えも、あんまり気にならなくなりました。