ここ何年かで、インターネットで配信される映画やドラマをテレビで観るのは、フィリピンでも当たり前になりました。そして我が家でも、とうとうケーブルTVの契約を打ち切って、テレビはネットだけに。もともとケーブルTVの画質はイマイチだし、NHKの日本語放送もない。かろうじてあった存在理由の、家内がGMA(フィリピンの放送局)で観るニュース番組でさえ、YouTubeでサイマル配信されていることが発覚。
これでテレビは、電源以外はワイヤレスでコンテンツ視聴ができます。NetflixとAmazonプライムで、映画とドラマは日本を含めて世界中の番組が観られるし、アンプとスピーカーを繋げば、スマホからの音楽も楽々高音質。何よりもテレビの置き場所がケーブルTVとの接続から解放されて、自由に模様替えができるのが大きい。
実はリビングのメインテレビであるの42インチ。うっかり西向きに設置するような配線にしてしまい、夕方になると、吹き抜けを通じて2階のステンドグラス状の窓から直射日光が画面に入ってしまう。まぁ午後4時から6時前にテレビを観ることは稀。それほど困ったわけでもないんですが、やっぱり竣工以来ずっと気になっていたので、晴れて模様替えができてホっとした気分。
なんて書くと、まるでフィリピンの家庭ではテレビのネット視聴が全面的に普及しているみたいですが、実際には、まだまだ地上アナログの低品質の画面を小さなブラウン管テレビで観るしかない人もいっぱい。貧乏で大画面のスマートテレビを買ったり、自宅にインターネット回線を敷設できない家庭も多い。ついこの間も、近所の散髪屋さんに行ったら、愚にもつかない(失礼!)タガログ語の地上波バラエティ番組を大音量で垂れ流してました。
ただ、この辺りのテレビ事情は、日本も似たようなものなのかも知れません。さすがにアナログではなくデジタルになったとは言え、相変わらず放送時間に縛られたニュースや低予算のバラエティが主流なんだとか。ヘソ曲がりな私は、10年以上前日本にいた頃からWOWOWとNHKスペシャルしか観なかったので、正直「まだそんなの観てるの?」と思ってしまいます。
すでにドラマでは、最近、世界的にヒットしている「地面師たち」や、エミー賞の主要部門を総なめにした「将軍」のように、スタッフも俳優も日本人で、資本はアメリカというスタイルが幅を利かせている時代。アニメに至っては、日本と同時かジブリのように日本未配信でもフィリピンで観られる人気コンテンツもあるぐらい。一昨日「君たちはどう生きるか」を観ましたよ。
こうなってくると、ジリ貧の日本の放送局からは、俳優を含む優秀な映像クリエータの方々がどんどん海外に流出してしまいます。最近、日本のお笑い芸人が「アメリカズ・ゴット・タレント」で爆笑を取っている姿や、Spotifyでサブスク解禁された、竹内まりやさん等の80年代ポップスに人気だとか言う話を見聞きすると、本来グローバルに活躍できる潜在能力がある日本人が、日本国内の様々な規制のために、どれだけブレークの機会を逃してきたのか?とちょっと考えこんでしまう。
ということで、テレビが完全にネット化すると、今まで見えなかったことが、フィリピンの片田舎に住んでいても、いろいろ見えてきたというお話でした。
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