バコロド市内にオープンした ぼてぢゅう |
元々日本人が多い(数万人規模)マニラやセブなどに比べ、微々たる数だったバコロドの日系レストラン。私たちが移住した13年前には、「いなか」「海星」ぐらいしかなく、7〜8年前に「維心」というラーメン屋さんが出来た程度。もちろん私も全部把握しているわけではないので、もう少しあるかも知れません。
こういう日本食レストランで、ありがちなのが、当初は日本クオリティを再現してたのが、なし崩し的に味も価格もローカライズされるパターン。その後、日本人客が来なくなっても、お店が無くなっていないなら「なんちゃって日本食」で、それなりに成功してるんでしょうね。
そんな中、比較的最近バコロドに出店したのが、ラーメンの一康流。すでにフィリピン国内だけで8店舗を展開中で、かなりの知名度はあるようです。オープン時には、バコロド初の本格的なラーメン専門店なので、かなりの頻度で通いました。ただ残念なことに、これもローカライズが原因なのかどうか、スープの味がずいぶん薄くなっちゃったんですよ。私の口には合わなくなったので、コロナ禍以降は、まったくのご無沙汰。
そして昨年(2024年)頃から、突如、カレーのCoCo壱、三ツ矢堂製麺、和民、そしてUCCカフェのバコロド2号店などが続々とオープン。今年に入ってからは、大阪発祥の「ぼてぢゅう」がやって来たという活況。調べてみたら、ぼてぢゅうのフィリピンでの店舗数は何と113店。これは日本国内の47店舗の3倍近い。
私は関西出身なので、ぼてぢゅうはよく知ってますが、この勢いだと、日本の他地域よりフィリピンの方が、名前の通りがいいんじゃないですか?フィリピンでもお好み焼きやたこ焼きの類いは、以前から人気があるんですが、それにしても「何故」と思いますね。まぁ、日本人として関西人として、フィリピンでお好み焼きがメジャーになるのは、嬉しい限りですが。
ところで肝心の味はどうでしょう?たまたま最近ユーチューブで見た、ホリエモンと和民のCEOである渡邉美樹(わたなべみき)さんとの対談。それによると、最初は日本オリジナルを押し付けてたそうなんですが、今ではフィリピン人シェフのアドバイスに従って、アレンジをしているとのこと。
確かに実際にバコロドの和民へ行って食べてみると、味はもちろんのこと、盛り付けやメニューの詳細まで、いかにもフィリピン受けしそうな日本食、という感じにまとまってました。そもそも日本だったら、居酒屋さんにラーメンや餃子、お寿司は、普通置いてないですよね。居酒屋と言うより、コンパクトな「くいだおれ」に近い感じ。
この傾向は、ぼてぢゅうも同じだし、フィリピン人オーナーが始めたような、小規模な「なんちゃって日本食」レストランでも同様。日本レストランに、ラーメン・餃子・唐揚げ・寿司がないと、フィリピンのお客さんは納得しないようです。
ただ前述のように、ローカライズも度を過ぎると、日本人だけでなくフィリピン人も離れていってしまう。と言うのは、昔に比べると、日本からの輸入食材や調味料は簡単に入手できるし、それほど裕福でなくても、日本に旅行して本物の日本の味の体験者が増えています。
なので、どの程度までフィリピン・ローカルの味やサービスに寄せるかは、かなり匙加減が難しいそうです。分かりやすい例で言うと、なぜか茹で過ぎパスタが大好きで、安い店だとグダグダに柔らかく、甘いソースでベチャベチャのスパゲティが出てきちゃう国。だからと言って、マニラの丸亀製麺のうどんはグダグダではなく、それなりにコシがありますからね。
フィリピンの親戚が作ったカルボナーラ(上) 私が作ったボロネーゼ(下) |
ということで、地方都市バコロドですら、益々充実していく日本食レストラン。次は、天下一品のラーメンや家族亭の天ぷら蕎麦が食べたいなぁ。