2025年4月30日水曜日

フィリピンの大学受験

2013年4月に、家族でフィリピン・ネグロス島に移住した私たち。今月(2025年4月)でちょうど干支一回りの12年が経ちました。当時7歳だった息子も、もうすぐ二十歳。いよいよ高校を卒業して、大学入学という時期に差し掛かっています。

息子は、移住時に小学1年生だったので、そのままいけば、地元の小学校に2年生に編入のはず。家内が選んだのが、私立の英語で授業をする小中高一貫の学校。移住早々に編入試験を受けに行きました。

すでに英語は、家内の絵本読み聞かせなどのお陰で、そこそこ話せたし、他の教科も問題ないと思っていたら、フィリピノ語にまったく歯が立たない。日本では優等生だった負けず嫌いの息子は「難し過ぎる!」と途中で泣き出しちゃったらしい。まぁ、いくら小2レベルとは言え、よく考えたら、今までほとんど接点のない言語。日本でも友達や親戚が来たり、電話で家内が話すのは、ネグロス島の方言のイロンゴ語だったしなぁ。

そこで校長先生の提案は、フィリピノ語以外は大丈夫だから、1年遅らせて1年生からやり直しではどうですか?というもの。実はフィリピンでは、それぞれの子供の家庭の事情や、発育状況に合わせて、入学時期が1年ぐらい前後するのは、よくある話。日本でも最近は、早生まれは何かと不利で、その後の人生にも影響が出るなんて、脅しのような風説が流布されているので、こういう柔軟性は大いに結構。

さて、ここからは親馬鹿の自慢話になってしまうんですが、その後メキメキと頭角を現した息子。年に4回ある定期考査では、毎回、英語や科学(理科)、算数などの主要教科で、学年1位とか2位の賞状やメダルを貰ってくる。全教科の平均点が90点台を下回ったことがありません。唯一フィリピノ語だけは7〜80点台で、一度だけ追試があったものの、それもご愛嬌という感じ。

勉強ができるからか、あるいは、数少ない日系の子供で珍しいからか、小学低学年の頃は、やたら女の子にモテました。拙い手書きの、メモみたいなラブレターを貰ったりしたことも。その後も、州都バコロドで定期開催される、学校対抗のクイズ大会(一種の模擬試験みたいなもの)に何度も出場。そんな感じの12年間で、特に反抗期のようなものもなく、気がついたら、もう高校の卒業式も終わりました。

次が、大学受験となるわけですが、まず目指したのが、フィリピンの最高学府と言われる、国立のフィリピン大学(通称UP)。なぜかラテン語やモンゴル語、韓国語にロシア語などを、ユーチューブで「自習」するのが大好きで、フィリピン大学で言語学を勉強したいとのこと。以前に、セブに家族旅行した際に泊まった韓国系ホテルの館内で、ハングル表記をすらすら読んだのには驚きました。

UPの入試というのは、ちょっと変わっていて、10カ月も前の前年8月に、各地に設けられた特設会場で1日だけの試験があります。ちなみにUPのキャンパスは、マニラ首都圏、セブ、イロイロ、ダバオなど、各地に点在。家内は、マニラで4年学んだあと、イロイロに隣接するミアガオのキャンパスで、私と結婚するまで研究員として働いていた、UPの卒業生です。

さらに変わっているのが、UPの試験結果が判明するのは、半年以上も後の4月。競争率10倍の難関だったし、息子も「半分ぐらいしか分からんかった」。なので、年が明けてからは、地元の公立・私立合わせて3校を受験することになりました。

そのうち二つの国立のフィリピン工科大学と、州立のカルロス・ヒラド記念大学は、すでに合格が判明。四つ目の私立セント・ラサールは、2段階式で一次試験はオンラインで選抜。今、息子は一次を通過して、二次試験の開催を持っているところです。他にも別に、奨学金の試験もあったので、全部で6回のお受験。もうベテランの域ですね。

そして、まだ最後のラサールが終わっていない時点で、UP合格の嬉しい知らせが届きました。板書された合否発表を見に行ったり、郵送での通知ではなく、登録したアドレスにメールが来るんですね。最近は、日本でもそうなのか?

こうなると、当然UPに行くのかと思って、マニラでの一人暮らしをどうサポートしようかと思い悩んでいたら「ラサールに合格したら、そっちに入学したい」んだそうです。何でも、UPの言語・文化学部より、ラサールのコミュニケーション学部の方が、息子の学びたいことのイメージに合っているらしい。UPを蹴って地方の私立校を選ぶなんて、勿体無いなぁと思い、今流行りのAIさん(ツイッターのGrok)にお伺いを立てたら、UPが東大ならば、ラサールは早稲田・慶應に匹敵する名門私立校との回答。へぇ〜、それは知らんかった。


バコロド市内にあるセント・ラサール大学

ということで、次の注目は、ラサールの二次試験結果と奨学金が貰えるかどうか。フィリピンでは国公立なら基本、授業料はタダなんですが、私立だとお金がかかります。もちろん日本の私立大に比べれば大した金額ではないものの、そりゃ安いに越したことはありません。

現在フィリピンは2カ月間の夏休み中。6月にはすべての学校で新学期が始まりますから、それまでには、息子の進学先も確定する見込み。結果が分かり次第、このブログでも報告しますね。


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