2017年11月28日火曜日

ジプニー廃止計画




先月(2017年10月)、フィリピンの乗り合いバス、通称ジプニーのストのため、全国の学校と政府関係のオフィスが、2日続けて突然の休みになりました。このストの原因が、ドゥテルテ大統領の打ち出した、旧車両ジプニーの段階的な廃止案への反発。

いまや絶望的なレベルまで悪化した、マニラ首都圏の交通渋滞。空いていれば10分の距離が、2時間かかるなんてのは、日常茶飯事。その原因の一角を占めるのが、ジプニーだと言われています。一説によると、マニラ首都圏を走るジプニーの台数は、何と約22万台。単純比較はあまり意味はないけれど、東京都内のタクシーが個人経営のものを合わせても約4万5千台だと言いますから、やっぱりすごい数です。

フィリピン在留邦人の中には、ジプニーは情緒があるので、廃止されるのは残念だ、などとお気楽な発言をする方もいますが、地方都市ならともかく、2000万もの大人口を抱えるマニラ首都圏では、情緒どころの話ではありません。

ルートは決まっていても、タクシー同様、お客さんの要望でどこでも乗り降り。運転は超乱暴で、マナーが悪い...どころか、もう凹んでいる。ろくにウィンカーは出さないし、無理な割り込み、急停車はし放題。その上、日本だったら絶対に車検が通らないような、骨董品みたいな車両をベースにしているので、エンスト多発。ディーゼルエンジンからはもうもうと黒煙。

マニラに比べれば、交通量は全然大したことない、西ネグロスの州都バコロド近辺ですら、自分で車を運転していると、ジプニーは頭痛のタネ。何回接触されそうになったことか。事故もよく起こしていて、土曜の朝なのに変なところで渋滞してると思ったら、先頭では、故障したり、事故ったジプニーが道を塞いでいることが多い。

就任以来、古いきまりを片っ端から打ち壊しているドゥテルテ大統領が、メスを入れようというのも当然の成り行き。マニラの渋滞解消は、選挙時の公約の一つでもあります。いきなり全廃は無理でも、古い車両から順次廃止していく計画。

でも実際問題、一乗り約20円の格安運賃で移動できる手段は他になく、ドライバーや車掌など、ジプニーで飯を食っている何十万もの労働者の生活救済にも、解決の目処は立っていません。この問題に限らず、違法薬物や、警官・公務員の汚職などを、長年放置してきた歴代大統領たちの罪は重い。

ネグロスに住んでいて思うのは、せめて市街地の車が多いエリアだけでも、固定の停留所やターミナルを設けて、近距離輸送手段のトライシクル(輪タク)と、はっきり棲み分けをするとか、混む場所だけでも専用レーンを作るとかすれば、ずいぶんマシになるんだけどなぁ。

そんな手段も、マニラほど過密で伏魔殿のような状況になってしまっては、焼け石に水。結局、手荒なやり方をするしか、解決のしようがないのかも知れません。根本的には、交通システム全体の見直しや、最低賃金の物価上昇に見合ったアップが同時に進まないと、また別の問題が発生するだけのような気がします。

そうこうするうちに景気が後退して、経済活動が勢いを失えば、結果的に交通量は減り、問題は解消してしまうというのが、現実的な落としどころか? どっちにしても、あまり明るい未来とは言えませんね。


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