2022年1月12日水曜日

神に感謝で朝シャンプー

 昨年後半辺りからツイッター経由での在フィリピン邦人、特に若い方々との交流が重なるにつれ、日比カルチャーギャップも人それぞれだなぁと面白がっております。

一つ目は、初めてフィリピンに渡航した人が必ず目にする、朝、髪の毛ビチャビチャのロングヘアをなびかせて通勤・通学するフィリピン女性の姿。以前このブログでも取り上げた話。(濡れ髪の乙女

つまりフィリピンでは朝シャワーするのが一般的で、しかもドラヤーを当てると髪が傷むと思っているから、結果として濡髪で家を出ることになるわけです。もちろん女性だけでなく男性も同じなんですが、長髪男性が少ないから目立たないだけのこと。

私からすれば、濡れた髪を埃っぽい街中の空気に晒せば、そっちの方がよっぽど髪にダメージなんじゃないかと思うし、寝る前にシャワーせずそのままベッドに入る方が抵抗があるけど、そういう習慣だから仕方がない。

そんな日比カップルがフィリピンで一緒に暮らすと、日本人が「朝シャワーもせずに出かけるなんて汚い」と指摘され、返す言葉で「そっちこそ汗まみれのままベッドに入るなんて汚い!」となってしまうらしい。

私の場合、ほんの少しだけアメリカで生活する機会があって、それ以来、起きてすぐシャワーが定着。帰国後は朝シャワー夜はお風呂の燃費の悪い生活で、家内と一緒になった時も特に違和感はありませんでした。当初家内は専業主婦だったので、濡髪のまま出勤もなかったし。

次に意外だったのが「ありがとう」にまつわる件。

アジア最大のカトリック国であるフィリピンなので、なにか良いことがあった時、とりわけ諦めていたことが叶ったりすると、心の中だけでなく「Thanks to be God」「Salamat sa Dios」(神さまありがとう)と口に出すのは珍しくありません。

ところが、フィリピン人の友達や恋人、配偶者に贈り物をしたり、困っているところを助けてこれを言われると、「神さまじゃなくて、感謝するのは私でしょ?」とモヤモヤするそうです。

これまた私の場合は、そもそもフィリピンに移住する前からカトリック信徒だったので、「神に感謝」は違和感なく受け入れられるし、偶然そうだったのかどうか、家内もその親族・友達も、ちゃんと私にお礼を言う人ばかり。目の前にいる恩人を差し置いて、神さまだけに感謝するフィリピン人って会った記憶がない。

想像するに、幼い頃から、神さまにありがとうを忘れないようにと躾けられて、ひょっとすると「お母さんありがとう。」「お礼を言うのは私じゃなくて神さまでしょ。」みたいなやりとりがあるのかも。

ただ「神に感謝、以上終わり!」は、いくらフィリピンでも、少々社会経験が足りないんじゃないか?とは思います。まぁ悪気はこれっぽっちもないので、人間へのお礼も込みなんだと思っておけば平和。

そして、冗談で済まされないのが、裸の問題。何の話かというと、入浴に関するカルチャーギャップ。

日本でフィリピン人配偶者と一緒に暮らし、めでたく妊娠・出産。さて赤ちゃんをお風呂に入れようとなった時に、このギャップが発覚するという次第。

ご存じの通り、フィリピンでは毎日お湯に浸かるという習慣がない。家に備え付けのバスタブがあるなんて、相当な富裕層。なので、親子で一緒にお風呂という場面がまずあり得ない。シャワールームで小さな子供の体を洗う時は、親は着衣のままが当たり前。なので、子供が親の裸を見る機会はまずない。家内に聞いても「見たことない」。

風俗関係からフィリピンを知った日本男性の中には、フィリピン女性が肌の露出に対して誰でも奔放だと勘違いする人がいるかも知れませんが、私の知る限り、街中でへそ出しルックを躊躇わないのはむしろ少数派。ヌードはもちろん、過剰な露出には結構強い拒絶感があります。

これはキリスト教的倫理観に加えて、日常的にリアルな全裸を見る機会がほぼないからじゃないかと思います。子供なら男女どちらの公衆浴場に入っても可なんて、たとえ7歳に混浴可能年齢が引き下げられても、フィリピン人からすれば常識外れもいいところ。

フィリピンにもスパ(温泉)リゾートはありますが、入浴には水着着用が絶対条件。素っ裸で露天風呂に入ったりしたら、警察に通報されるのは確実。

さて我が家の一人息子。乳幼児の時は私もよく一緒に風呂に入りましたが、4歳ぐらいにはもう一人で入浴してました。これは家内がフィリピン式に、かなり早い段階で自分の体は自分で洗うという躾を徹底してたこともあります。ただ一時帰国時に銭湯行ったりしてるので、生粋のフィリピン人ほど裸に対しての抵抗感は少ないでしょう。ちなみに息子はお風呂大好きです。

ということで、今日は久しぶりに日本とフィリピンのカルチャーギャップについてのお話でした。



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