今年(2024年)は、3月の初め頃から厳しい陽射しと暑さが続いたフィリピン。かれこれ3ヶ月続いた旱魃は、5月の最終週になろうかと言う先週末になって、ようやく終焉を迎えたようです。
そのきっかけとなったのが、台風1号、フィリピン名「アグホン Aghon」の接近。フィリピンの気象庁であるパガサ(PAGASA)は、たまたま台風による降雨で、これをもって直ちに乾季の終わりは宣言しないと、慎重な姿勢を崩してません。しかしながら、台風であろうが梅雨前線であろうが、雨は雨。金曜日の早朝、本当に久しぶりの本格的な雨が降り始めた時は、ずいぶんホっとしたものです。
それと言うのも、今回の熱波。ネグロスでの最高気温の数字だけなら35℃前後で、大阪や東京の一番暑い時期より多少マシなぐらいなんですが、さすがに3ヶ月続くと心身共にダメージが大きい。途中3〜4回は夕立ちはあっても、まさに焼石に水のお湿り程度。5月に入ってからは、胸に圧迫感があったり、しつこい便秘状態だったりで、明らかに体調もおかしくなってました。
ネグロス島に引っ越して12年目で、ここまで連日のエアコン稼働は初めて。就寝時に室内温度が30℃あっては、エアコン無しでは眠れません。しかも最近は、私と家内、息子が別々の寝室なので単純に3台分。2万円越えの電気代請求に、目玉が飛び出そう。
それにしても、室内で話し声も聴き取りにくいほどの雨音が、これほど心地よく感じるとは。何時間でも一晩中でも聴いていられるのは、かなりの倒錯心理ですな。当然ながら、実際の気温も体感温度も一気に下がり、エアコンどころか扇風機さえオフのまま眠れる夜が戻って、ご飯も美味しくて、天高く馬肥ゆる「雨季」。
とりわけ暑さに弱い、私のイロンゴ語(西ネグロスの方言)家庭教師のバンビ。土砂降りの翌日の授業には、「昨夜は本当によく眠れました」と、実に爽やかな表情。バンビだけでなく私の体調も、自分で呆れるぐらいに分かりやすく復調しました。
とまぁ、ここまでなら万事めでたし良かった良かったで終われるんですが、そうは問屋が下さない熱帯気候の極端さ。今度は降り過ぎて、ルソン島の南部辺りでは、洪水被害が出たようです。さらに身近では、バンビの姉で我が家のメイドのグレースおばさん。可哀想なことに、ちょうど二泊三日の予定でビーチリゾートへの旅行が、台風接近にぶち当たってしまいました。
初日はほぼ終日の豪雨で、それ以降も時折陽射しは戻ったものの、楽しみにしてた休暇とは程遠いイメージだったでしょう。尤も、高校時代の親友たちと連れ立っての旅行だったので、宿泊先でオバちゃんトークを楽しんだろうとは思います。
ということで、これを書いている時点で、台風1号はフィリピンから遠く離れ、九州の南海上に。本土への上陸はないとしても、まだ5月なのに日本に大雨を降らせるなんて、異常気象ここに極まれり。
肝心の雨季が来たかどうかは、まだ判断が難しいけれど、少なくとも雨季恒例の羽虫の大発生はあったし、全天雲のないピーカンのカンカン照りはなくなったので、一応普通の天候に戻ったと見て良さそうです。