2014年3月29日土曜日

問題解決?

自宅新築の工事で一番の問題だった屋根。今日ようやく解決したようです。日曜日の朝に前夜の土砂降りでの雨漏りが発覚した後、業者が来て修理を約束し、それが先ほど終了しました。お昼前から夕方まで、スチール瓦の隙間を防ぐためのリベットの追加と、踏んづけて凹ました部分の修復。その後、バケツで水をぶっかけての漏水検査。

一回目の検査では雨漏りがあって、さらにリベットを何カ所か打ち、その後しつこいほど水をかけてもらいましたが、何とか修まったようです。熱帯特有の激しい雨が降らないと、実際のところまだ分かりませんが、ちゃんと約束の日時を守ってくれる(フィリピンでは希有な)担当者がいることが分かったので、一旦終わりとしました。

 


屋根には、もう鳥の巣が…。


これさえ片付けば、後は段取りが分かった作業ばかり。

昨日から本格的に始まった天井の下地作業。今日はもう四部屋目にかかってます。母屋の壁のモルタル仕上はほぼ完了し、残っているのはガレージ部分と倉庫。モルタルが済んだ所から塗装準備のコンクリートの中和剤を塗り始めました。




そして、階段と吹き抜け周りの手摺りの約半分が完成。見た目のインパクトは、私としては、これが一番大きかった。この仕事は、周囲のフェンスや門扉を一人で手がけるアントニオ君の労作。フィリピンでも、こういう職人肌の人がいるんですね。ディテールを任せておける貴重な人材。彼には後ほど家具も作ってもらおうと、今デザイン製作中です。





先週、現場監督の父が急遽帰国になった頃は、正直言って、本当にちゃんとした家ができるんかいな、と不安が頭をもたげることもありましたが、ようやく何とかなりそうな感じになってきました。

家内は友達に聞いた占いで、引越し日は4月26日が良いと、先回りして喜んでますが、どうでしょう? ちょっとまだ微妙です。


2014年3月27日木曜日

フィリピン運転事情

フィリピンに限ったことではなく、私が過去行ったこのあるアジア諸国は、だいたい同じ傾向ですが、…..とにかくぶっ飛ばす!
台湾、中国、タイ、インドネシア、パキスタン、インド、UAE。タクシーに乗って恐怖を感じなかったのは、マレーシアとシンガポールぐらいでしょうか。

日本国外で、自分で運転したのはアメリカに次いでフィリピンが二カ国目。鉄道もなく、夜になるとバスもタクシーも拾えない地域に住んでいるので、本当は運転嫌いなのに、ハンドル握らざるを得ません。

子供が飛び出してきそうな狭い道でも、60キロぐらいは平気で出すし、幹線道路になると、路線バスまで参加してのカーレース状態。車に乗らなければ、穏やかでおっとりした人ばかりなのに、車に乗ったとたん関西人もびっくりのスピードクレージーに変貌します。

しかも、ルールもマナーもあったもんじゃない。ウインカー出さずに急カーブに車線変更。もっと怖いのは、ウインカーと反対の方向に曲がるのドライバーが多い。割り込みは信じられないようなタイミングでしてくるし、こっちが仕方なしに割り込もうとしても、意地の悪さは大阪並み。

それに輪をかけるのが、信号の少なさです。決して交通量が少ないわけでもなく、片側二車線道路同士の大きな交差点でも、滅多に信号がない。あっても頻繁に故障で、一旦壊れると修理に何週間もかかるお粗末さ。これで事故がないはずがないですね。

まだ引越して1年経ってませんが、もう何回事故を見たことか。一番ひどかったのは、大型トラックが、多分居眠り運転でT字路で民家に突っ込んでいたもの。運転手は大怪我か死亡だったろうと思います。

そして今日、とうとう事故発生の瞬間に居合わせてしまいました。銀行の駐車場で家内を待っていると、銀行に面した大通りで、急停車した乗用車に路線バスが止まりきれず追突。真っ昼間で通行人も大勢いたので、周囲はあっという間に野次馬の人だかりができました。幸い怪我人は出なかったようですが、しばらくは市の中心部の交通が麻痺状態。





もうちょっとお金があったら、マジで運転手雇いたい。フィリピンで運転し始めて半年以上ですが、全然慣れませんね。


2014年3月26日水曜日

ラスト・チャンス

手抜きが発覚した屋根瓦工事。ようやく「スーパーバイザー」という肩書きの人物が、隣島のパナイから、昨日の昼過ぎに現場にやって来ました。偉そうにしてたら、シバき上げるぞ!と意気込んでましたが、技術系ではなく営業系、それもどうやら苦情処理の専門のような感じの人物でした。名前はルドルフ。ドイツ人みたい。連絡してきた時間より少し早くに現場に入って、「着きましたメッセージ」を送ってきたのは、さらにドイツ風?



会ってみると、名前とは裏腹に、いかにも現場飛び回ってます、というように真っ黒に日焼けした顔。背は低いけどがっちりした体形で、黙ってたら大工の中に混ざっても分からないかも?

このルドルフ君、口舌滑らかにまず謝罪。その後立て板に水の如く弁解と今後の対応について喋り始めました。最初は私の顔を見て、言葉が通じないと思い込んだのか、フィリピンの方言使って、ほぼ家内の方ばかり。

途中から私が英語で話に割り込むと「え、この日本人喋れたの?」と言わんばかりの、びっくりした表情をしました。そこからやり取りは英語に切り替え。こういうマルチ言語を駆使するのは、フィリピンのビジネスマンらしい。

要約すると、こちらの「全額返金するか、材料全部再納入するか?」に対して、本社から検査員と技術者呼んで来て「100%完璧に修理します」ということ。来週末までに終わらせます、と期日まで約束して、ラスト・チャンスを下さいと懇願しました。

本音を言うと、これから全部瓦を取っ払って、再工事というのは、出来たら避けたい。施工も以前の手抜き職人ではなく、ルドルフ君の言うところのマトモな人が来るのであれば、それに越した事はない。結局、渋々提案を受け入れるという感じを装いました。



最後に、これでダメなら知り合いの弁護士に相談するで〜、と捨てゼリフ。こういうちょっと喧嘩腰の交渉事になると、不思議と英語がスラスラ出てくるのは、過去の経験のお陰でしょうか? もっぱら、以前は文句言われる立場ではありましたが。

それにしても、これだけ場慣れした営業マンでも、中々現場に来れなかった言い訳に、母親が入院してましたもので、と言ったのは、やっぱり情に訴えた泣き落としが常套手段のフィリピンですね。それを聞いた時だけは「そんなこと、ワシの知った事か!」とキレてしまいました。

口の上手さに丸め込まれたような気が、しなくもないですが、とにかく問題なく住める家を建てたいので、今度こそマトモな仕事してほしいところです。


2014年3月24日月曜日

怒鳴り込み

昨日は、葺いたばかりの屋根瓦が雨漏りした話でした。
その後、家内がこの業者のHPにクレームを書き込んだところ、すぐに担当者らしき人物から、家内の携帯に修理する旨のメッセージが来ました。いや、修理して欲しいのでなく、返金か、材料の再納入しか受け入れられへんと書いたでしょうが。

やっぱりこれは直に話しないとダメだと、今日は怒鳴り込んできました、業者のバコロド支店。さすがに先方も、こちらの腹立ちを理解していたようで、そこのトップらしき人物が対応しました。まずは家内がフィリピンの方言でこれまでの経緯を、怒りを込めて説明。時折私がテーブルを叩いて「一体どんだけ待たすんじゃ!」「嘘をつくのがこの会社の方針か!」と間の手を入れました。実際はヘタな英語なので、もっと大人しく聞こえたと思いますけど。

一応、こちらの要求である、返金か材料の再納入は何とかすると言ってましたが、この人に決定の権限はなく、明日隣島のオフィスから、スーパーバイザーなる上司が建築現場に来ることになりました。この時も「明日?ほんまに明日か?」とダメ押し。

取り合えず言いたいことは言ったので、相手の出方待ち。しかしどっちにしても屋根瓦を全部やり直しになるのは、確実です。ここまでいろいろありましたが、こんなにデカい戻り工数は初めて。ま、天井吊ってしまう前に発覚してくれただけマシだったと、前向きに考えることにしましょう。

現場に戻って、大工のリーダーのリトさんに、こんな話聞いたことあるか?と尋ねたら、「たまにあるよ」だそうです。う〜〜〜む。



2014年3月23日日曜日

いきなり雨漏り

1月、ほとんど毎日雨が続いたと思ったら、2月以降は、たまに俄雨程度のカラカラ天気。ちょうど屋根の工事に掛かってた時期なので、丁度良いと思ってたら…。

最近では珍しく、今日は朝から激しい雨。仮住まいの屋根は、入居する前から傷んでいたようで、数カ所で雨漏りがします。昔、神戸の震災の後、実家の壁にできた亀裂から雨漏りしたのを思い出して、いや〜な気分になりました。

屋根葺いてから、初めての本格的な雨だったので、まさかとは思いましたが、念のため現場に行ってみると...え〜〜っ、漏っとるがな〜〜!




新居は屋根のある部分が上から見ると正方形。谷間がなく、一番雨漏りしにくい形状なのに、ちょうど真ん中あたりから雨漏りして、床に水たまりが出来てました。ここまで分かりやすい手抜き工事だと、腹立ちを通り越して呆れてしまいますね。

頼んだ業者は、フィリピン全国にネットワークを持つ Color Steel という会社。田舎の大工さんに、安く作ってもらったわけではありません。値段は「超一流」だったのに。あまりの対応の悪さに何度かキレて、今もキズと汚れを直すようにクレーム入れて対応待ちでした。今度という今度は、ちょっと暴れないといけないようです。

フィリピンでは、人前で怒鳴りつけるのはタブー。反省するどころか逆恨みされるのがオチなので、本当に暴れるのは家内に任せますけどね。滅多に怒りの感情を表に出さない家内ですが、今日はさすがに頭に来たようで、業者のホームページから文句のメッセージ送ってます。

日程遅れるのはいいから、全額払い戻させて、別の業者にやり直してもらう方がいいかなぁ? そう簡単に金返してくれないやろなぁ。


2014年3月22日土曜日

ぶつけるな

今日で着工からちょうど5ヶ月経過。工期6ヶ月が当初の見通しだったので、あと1ヶ月で完成というところまで来ました。この時期になると、壁や扉枠屋根など完成した部分が増えてきます。もう仕上が終わってたり、塗装を待ちだったり。



こうなるんちゃうか?と危惧してたことが起こり始めました。出来た部分はマスキングするなり、カバーするなりという習慣が皆無のフィリピン大工さん。案の定、ぶつける・汚す…。

扉周りの木枠など、仮止めに平気で見える部分に釘打つので、最初から穴あき状態。最後にはパテで埋めて塗装するので、いいでしょって事らしい。一時が万事この調子で、今日は2階ベランダの手摺り取付け作業で、やらかしてくれました。

大きなスチール製の手摺り。ウチの溶接工のアントニオ君が何日もかかって作った、中々見事なものですが、最初から2階で作っておくという考えはなかったんですね。むちゃくちゃ重たいこの部品、全部下で組んでからオモムロに全員の協力で2階に持ち上げました。



その周囲の壁はブロック積みが済んで、モルタル仕上が終わっている箇所もあります。そこで振り回すもんだから、当然あちこちぶつけまくり。壊れた壁の拳大の破片が、ついさっき仕上が終わったガレージの床にドーン。
それだったら、床は最後に仕上げたらいいのに。



実はだいぶ前に、一カ所だけ試しでアルミサッシを付けた窓があったんですが、これも踏むは、モルタルで汚しまくるは、結局取り外して作り直しになりました。この手の部品は上から塗り籠めるというわけにいかないので、壁の塗装が完全に終わるまで、危なくて取り付けできません。

これは、あと1ヶ月よ〜く見張っていないとすごく後悔しそうです。


2014年3月21日金曜日

フォアマンのいない現場

体調の問題でフォアマン(現場監督)の父が、自宅新築現場から去って三日経ちました。今すぐ入院とか手術とかの差し迫った状況ではなかったのですが、ここ数日どうも本人が不安なようで、もともと持病もあり、何より77歳という年齢。さすがに無理はさせられずに急遽の帰国。無事帰宅したようで、取合えず一安心です。ここまでよく頑張ってくれました。父ちゃん、ありがとう。



もともとビザの関係で、渡航半年目の来月の初めには帰る予定だったので、大工さんたちにはだいたい引き継ぎも終わってました。また、あと一ヶ月で完成という所まで来ていて、残りはほとんど仕上作業。素人の私と家内でも、目に見える仕事ばかりなのと、これまでの経験値があるので、まぁ何とかなるでしょう。

ちょっと驚いたのは、父が帰国すると大工さんたちに伝えた時。リーダーでアシスタント・フォアマンみたいなポジションのリトさんが、それを聞いたとたん大粒の涙をぼろぼろこぼして泣き始めました。思い起こすと5ヶ月間、いろいろありましたからね。


今日は父の帰国後、初めての材料買い付け。何度となく購入しているセメントと砂。そして今回これが最初となる塗料を買いました。コンクリートの壁にペンキを塗る場合、まず強いアルカリを抑えるための中和剤で表面を洗うんだそうです。知らんかった。

この中和剤で室内外全部の900平米の広さを洗うために、14ガロン購入しました。ガロンという単位、聞いたことはありましたが、どのぐらいの量かはまったくピンと来ません。約4リットルだったんですね。1ガロンの缶がバケツぐらいの大きさ。これを14個ですから、相当な量です。



購入した店は、州都バコロドの下町にある、さほど大きくもないお店。経営者は中国系の人で、実際に店の切り盛りをしているのは30代ぐらいと思われる女の人です。フィリピンでは商売に関しては、マレー系より中国系、男性より女性の方が上手い。つまり中国系の女性が経営してる店は最強と言うことですね。

愛想が良くて、こちらの質問にもハキハキと答えて、いつぞやの「ぬる〜い」対応で全然サービスNGの屋根業者に比べると、遥かに信頼感があります。見た目もなかなか体格が良くて、頼もしい姐さん。明日の配達、よろしく。



夕刻、現場に戻ると、2階ベランダに手摺りの一部が出来上がってました。こういうディテールが見える形になると、いよいよ完成間近という感じがしてきますね。




2014年3月20日木曜日

突然マニラ

昨日までマニラに行っておりました。まだ3週間滞在予定だった父が、急遽帰国することになり、その見送り。残念ながら途中降板、その経緯はまた改めて書くことにします。

さて、約半年ぶりのマニラ。同じフィリピンでも今住んでいるネグロスのド田舎とは、別の国かと思うほど繁華で人と車が多い。それは昔からそうなんですが、変わったのはやたら新しいビルが建って、キレイなショッピングモールが増えたこと。

その中でも極めつけの「モール・オブ・アジア」に行ってきました。マニラ湾を望む、埋め立て地に、数年前にできたそうで、規模から言うと東京ディズビーランドぐらいありそうです。フィリピン最大の大手量販店「シューマート」(こちらでは略してSMと呼びます)がメインで、これを見ると、なるほどフィリピンの景気がいいのは本当だと実感。






スターバックス、マクドナルド、アップルストアー、無印良品、居酒屋の和民などなど日本でもお馴染みのブランドの店が並んでいます。もちろんフィリピン国内では定番のジョリビー、チョーキン(超群=中華料理のファーストフード)。牛丼の吉野家も近日オープン。シネコンもあればアイススケートのリンクまで。ざっと見て回るだけでも半日では足りませんでした。

せっかく日本食レストランがいっぱいあるということで、カツ丼にざるそば、ラーメンと食べ歩き状態に。しかし高いな〜。ラーメン一杯日本円で800円。チャーシュー入りの醤油味で、美味しいことは美味しいのですが、同じ値段で、親子3人で普通に食事できる金額。

ここだけ見ると、フィリピンもいよいよ先進国の仲間入りか?と錯覚を起こしそうですが、そこから徒歩で15ほどの場所には、昔ながらの路上生活者の群れ。路上に立ちこめるあの独特の臭気も、私が初めてフィリピンに来た20年前とまったく変わってません。



飲料水を買うために入ったコンビニから一歩出ると、3歳ぐらいの子供たちが小銭を求めて集まってきました。この貧富の差は、あと何十年経っても変わらないのかと、少し暗澹たる気分に。以前両親を連れて初めてマニラに来た時、母が「終戦直後の梅田のガード下みたいやな」と言ったのを思い出しました。


2014年3月15日土曜日

フォアマン帰国まであと3週間

ウチのフォアマン(現場監督)の父の帰国まであと3週間となりました。着工から約5ヶ月。こちらの住宅の工期はだいたい半年と言われてますので、あと1ヶ月。完全に仕事が終わるまでフィリピンに留まるのは、ちょっと無理な状況に。

本来ならば、最後まで見届けてほしいところなんですが、ツーリストビザを延長している関係で、半年を過ぎると更新がとっても面倒になります。父が渡航してきたのが10月の初めだったので、こういうタイミングになってしまいました。

とは言え、勘所はほぼ完了し、残りは内装や仕上がほとんど。大工さんたちとの信頼関係もできて、もう父が帰国しても何とかなるところまでは来ています。残った仕事はできるだけ仕掛かり状態にして、一から説明しなくてもいいようにと、内装関連の建材の納品が先週あたりから始まりました。



ずいぶん前に購入したものもありましたが、仕舞っておけるスペースがまだ出来てなかったので、支払いだけして建材屋さんにストックしてもらってました。日本のように在庫管理がキチンとできていたら、こんなに慌てて買う必要もないのですが、ある時に買わないと、一旦品切れになるといつ入荷するか、まったく読めないフィリピンの流通事情。しかも来月からは本格的な乾季。この季節は雨が少ないので、施工が増えます。それに応じての品薄や価格の高騰が起こるので、家内の意見もあって早めの買いだめに走ったというわけです。



今日は、大物のキッチンの流し台や洗面台、扉全部が納品。偶然セメント100袋と、コンクリート用の砂と砂利も入って来て、ちょっとした納品ラッシュになりました。




残っているのは、天井材と塗料など。これも来週中には買付け終わらせる予定です。さあ、長かった工事もいよいよ大詰め。病気や怪我に気を付けて、このまま一気に完成までこぎ着けたいですね。


2014年3月12日水曜日

選んだ色で分かる国民性

ついに壁の色を決めないといけないところまで来ました。フィリピンに移住する前は、工業製品のデザインを職業にしていたので、色を決めること自体は慣れているのですが、何しろ経験したモノが、大きくてもせいぜい家具サイズ。家一軒まるごと塗ってしまうのは、初めてです。やり直しはできなくはないけど、相当な手間と費用がかかるので、実際には一発勝負。自分の財布でやってることだけに、かなり考えました。

今日、塗料屋さんで教えてもらって分かったのは、調色してオリジナル・カラーを作ってもらうこともできるけど、それは高くつくそうです。既に調合済みの缶入りの既製品が当然安い。しかし、屋根と違って既製品の割には色数が多かったのが救い。



事前に色見本で検討した色のイメージに、比較的近いものが見つかりました。しかも既製品だと在庫があってすぐに配達できるので、待たされることもない(らしい)。なので、今日慌てて注文することもないので、塗装面の広さをもうちょっとキチンと計算してからということに。

ちょっと面白かったのは、色によって多少値段が違うので、どの色を使うかだけは塗料屋さんに「これっ!」と言ったら、「この色で全部塗るんですか?」と聞き返されてしまったこと。指定したのは薄いグレー。一般のフィリピン人は、まずこういう色は選ばない。

よく見かけるのが、赤い屋根にクリーム色の壁。無難に納めるとこうなる見本みたい。その他には、明らかに素人が頑張って色選びました系の、すごいピンクや水色、中には紫なんてのもあり、もう景観配慮もクソもない、何でも有り状態。

しかし、終の住処にするつもりで、あんまり派手な色にして飽きてしまうのも嫌なので、考えた挙げ句の青い屋根にグレーの壁だったわけです。ただのグレーではコンクリートそのままなので、窓枠や庇は真っ白にして、アクセントに。

別の塗料屋さんが私の顔をしげしげと見て「あなた、コリアンですか?」と言いました。ふ〜ん、韓国人ってこういう色の組み合わせが好きなんでしょうか。そう言えば、昔アメリカのデザイン学校に留学した先輩が教えてくれましたが、色彩構成させると、白・黒・グレーを使いたがるのは、中国、韓国、そして日本人だけなんだそうです。そもそも白や黒は「カラー」の範疇に入らない。

最近あんまりいい話がない日韓の間。やっぱり感覚的には近いところがあるようです。


2014年3月11日火曜日

ディフォルトは左官

このところ作業の中心が壁塗りの左官仕事になっている、自宅建築現場。写真で撮ってもあまり見栄えがしないのですが、当の大工さんたちはずいぶん楽しそうです。



以前にも書きましたが、こちらの大工さんは何でも屋さん。土方、鉄筋・鉄骨の組上げや溶接、コンクリート打ち、そしてブロック積んだりタイル貼ったり壁塗ったりの左官仕事。さすがに電気と配管は専門の業者が来ますが、それ以外は着工以来ずっと同じメンバー。

 とはいうものの、各人で得手不得手はあるようで、溶接や高所作業は限られた人だけのようです。反対にほぼ全員でかかるのが壁塗り。新築で大工さんを何人か雇って建てるような場合、鉄筋コンクリート作りで、壁は全部ブロック積んで上からモルタル塗り籠めて、最後はペンキで塗装。つまり、壁塗りはこちらでは一番メインのスキルと言えそうです。
どうも、フィリピンの大工さん、ディフォルトは左官なんですね。



フィリピンの一般住宅で木造の家に住んでいるのは、経済的にかなり苦しい人たちでしょう。シライ市内には、昔の木造の建物が何軒か残ってますが、それは文化財扱いで、それなりのメンテナンスをしています。それ以外の木造は、ニッパハウスかバラック。

ウチの現場の壁塗りも、始まってすでに一ヶ月ほど経過しています。外観の東西南の三面はだいたい終わって、昨日あたりから最後の一面にかかってます。室内はまだブロック積みが残っているところもありますが、もう二部屋ぐらい終了。


明日はついに塗料屋さんで、ペンキの買付けです。


2014年3月9日日曜日

「ダイ」と呼ばれたい

日本語で置き換えるのが、なかなか難しいフィリピンの言葉に「ダイ」というのがあります。歳下の女の子や女性に使う表現で、呼びかける時に「ダ〜イ」と言ったりします。しかし、歳下だったら誰にでも使うというのでもなさそう。
いくら歳下でも、70歳のじいさんが60歳のおばさんには言いません。

私の家内は、もう40代の後半なんですが、かなりの童顔で、確実に10歳以上は若く見られます。日本にいた時など、すごく若い女を騙して連れて帰ったみたいな、散々な言われ方をしたものですが、実は3年しか歳が違いません。

こちらでも、歳下(と言っても40は過ぎてますが)の大工さんに「ダイ」と呼ばれているので、厳密に歳下だけに使うのではなく、子供か、本当に若いか、それなりに若く見える女性に有効な愛称のようです。敢えて日本語で近いのは「お嬢さん」?

この他にも、性別や年格好によって変わる言葉がいくつかあります。
「マナン」:姉さんか姐さん。本当の姉弟や、従姉でも使うし、知り合いの歳上の女性でも使えるようです。ウチではお手伝いさんのおばさんを呼ぶ時に使います。男性形は「マノン」。

「ティタ」:おばさん。ただし日本語にある、老けていることを揶揄するニュアンスはまったくありません。本当の叔母・伯母、友達のお母さん、などに使います。これは年齢差が親子に近い人にだけに有効なようで、敬称の意味もあるようです。男性形は「ティト」。甥や姪、家内の友達の娘さんが私のことを「ティト・フランシス」と呼びます。

もしこんな言葉が日本語にあったりしたら、たいへんなことになるかもしれません。本人は「ダイ」と呼ばれることを期待しているのに、「マナン」と呼びかけてしまったら…。これは一生恨まれそうですね。

女性雑誌の特集で「ダイと呼ばれるための○○メーク」みたいな記事も、書かれるかも知れません。因みに私は、この手の言葉は、周囲の人が使っている場合以外は、怖くて使ったことがありません。


2014年3月8日土曜日

こら、屋根屋!

建築中の自宅に青い屋根が乗って約二週間。遠目には色鮮やかで、中々気に入ってるんですが、実は問題抱えてます。材料を搬入した時から、擦り傷がいっぱい。見積書にはタッチアップ(部分追加塗装)費が計上されていたので、後から直すつもりだったんでしょう。



作業が進んで終わりかけになった頃、まだ傷が放置されていたので、作業中の職人の責任者と思われるおっちゃんに、「これ最後に塗り直すんやな?」と再三確認しました。します、と言うてたんやけどな…。

ある朝、現場に行くと職人の一人で一番若い17歳の兄ちゃんが残っていて「終わったので、帰りました」。いや、ちょっと待たんかい。作業完了の確認をクライアントにも監督にもせず黙って帰るとは、いくらフィリピンでもアカンやろ。

完了したという屋根を改めて見てみると、擦り傷は申し訳程度にタッチアップしてあるものの、下からでも見えるほど。その上、コーティング剤でベタベタに汚れた手で触った跡が、そこら中に付いています。これはヒドい。

17歳の子を叱りつけても仕方がないので、職人の雇い主の屋根業者に連絡しまして、作業をきちんと仕上げるように指示。ところがこれが、何日待っても来ない。再度連絡をすると、今日は都合がつかないので明日と、毎日延期されて結局一週間経過。
ついに忍耐力が切れて、こっちの大工さんに周囲の縁だけ塗り直してもらうから、塗料だけ持ってこいと言ったら、一缶250ペソで隣の島から取り寄せになるので待てって….。

これは、この業者相手にしてたら時間の無駄だと悟りました。まったくもぅ〜〜。
そこで昨日は、大工さんにシンナーで拭いてもらいましたが、やっぱりダメ。似た色の塗料買ってきて自分らで上塗りするしかなさそうです。
この業者には引き続き、屋根の庇の裏側の天井と、ガレージの屋根も発注するつもりで見積もりも出てたんですが「君ら、態度悪いから全部キャンセル」と最後のメールを送りました。



そうしたら、昼過ぎに営業社員がやって来ました。対応遅過ぎ。
久しぶりに英語で文句言いまくってしまいました。人前で職人相手には、こんなこと絶対しないんですけどね。結局一年の保障期間中の破損という扱いで何とかすることになって、請求の書類も書きました。でもこれですぐアクション、ではなくて、上役が来週もう一度見に来るそうな。もういいから、すぐ塗料持って来てぇな。


2014年3月6日木曜日

灰の水曜日

一日遅れになってしまいましたが、昨日はカトリックでは「灰の水曜日」と呼ばれ、イエス・キリストの断食に倣って節制をする日。子供や老人以外は、断食や三度の食事のうち二度は量を減らしたり、肉断ちをしたりすることが奨励されます。またこの日から四旬節(復活祭〜イースターの準備期間)に入る節目の日でもあります。

国民の大部分がカトリック教徒のフィリピン。日本とはまったく違った一日になるかと、少し期待していたのですが、結果を言うと、ここネグロス島のシライ市では、見た目普通の水曜日でした。違うのは、いつも閑散としている夕方のミサに、多くの人が集まり、教会の周囲だけ時ならぬ渋滞があったことぐらいでしょうか?



お昼ご飯は、近所のレストランでお惣菜を買って帰るのですが、並んでいるメニューもいつもと同じように、牛肉、豚肉、鶏肉の料理。食事をしているお客さんのテーブルには、普通に料理が置かれてました。
たぶん修道士や教会関係者、真面目な信徒さんは節制をしてるんでしょうが、よく考えたら、表立って見えることでもないので、まぁこんなもんなんでしょう。

息子の小学校は、私立のミッション・スクールなので、さすがにこの日の意味をちゃんと教える時間があって、授業の一環としてのミサがあったようです。お昼に迎えにいくと、ミサの中で「灰の祝福」があった印に、オデコに灰が付いてました。

さて、このところ壁塗りや、電気の配線、下水の配管など地味な作業が続く自宅の新築現場。先週、怠け癖のある大工さんのことを書きましたが、リーダーのリトさんも考えたようで、作業内容を変更して、今週は表からよく見える場所で仕事をさせてます。さすがにそれではサボりにくいらしく、普通に仕事をしているようです。取合えず首はつながった。しかし昨日気付いたんですが、他の大工さんはみんなスリムなのに、このサボり大工だけがお腹が出てる。やっぱり身体は正直ですね。


2014年3月4日火曜日

アリさんパニック

昔は私の住んでいた大阪近辺の住宅地でも、お菓子などテーブルに出しっ放しにしてると、時々アリにたかられました。アリの体のサイズからして、こんなに巣から離れている所をどうやって嗅ぎ付けるのか、子供ながら不思議に思ったものです。いつの間にかそういうことがなくなったのは、家の周囲をアスファルトやコンクリートで固めてしまったからでしょうか?



フィリピンに引越してすぐの頃。自室で何気なく壁を見ると、アリの行列が。それを台所まで追っかけていくと、流し台に残された食材の切れ端に、真っ黒になってアリがたかっていました。この時は久しぶりにそういう光景に出くわしたので、慌てて殺虫剤で「大虐殺」。

それ以降、ちょっとぐらいのことでは驚かなくなり、行列を見つけてもよほど量が多くなけれが放置状態。その後雨期に入ったせいか、それもあまり見なくなりました。
ところが昨日、そろそろ暑くなり始めて、アリだけでなく小さな虫が活発になってきたなと思ってたら…。

家内が夕刻出かけていて、その間に、台所に溜まった洗い物を片付けようとすると、床にちょっと久しぶりなほど、たくさんのアリが動き回ってます。どこへ集まってるのかと目で追うと、食器乾燥用の棚の上に伏せて置いてあったプラスティックのコップの周囲へ。
そしてコップを除けると、小山のようになったアリの大群。しかも、みんな卵らしきものを担いでいます。一瞬また殺虫剤の出番かと思いましたが、食器棚なのでさすがにそれは思い留まり、掃除機で吸い取りました。

こちらでは、日本のようなサイズの掃除機は少なくて、ハンディタイプか業務用もデカいのしかありません。ウチで使っているのはハンディの方で、いつもは室内ではなく、車の車内用。床はタイル張りばかりなので、お手伝いさんが箒で掃除してます。箒の方がかんたんできれいになります。

そのハンディ掃除機、小さい割にはすごくうるさい。これをガーガー言わせて、見える範囲のアリを吸い取りました。ところが吸っても吸ってもどこからか湧いて来るように、数が減らない。またその先を追って、食器棚の奥の皿を除けると…もっと大きなアリの山+卵!

食器棚の中身を全部出して、時ならぬ大掃除になってしまいました。これほどの量になると、吸い込みを逃れたアリが、掃除機を伝って手に登ってきたりします。それを払ったり指で潰したりしながら、大汗かいて30分ほど大騒動。

結局、棚の別の所にもう一つ、さらに少し離れたトースターの下に、この日最大のをもう一つ、合計四つの巣を吸い込みました。映画「エイリアン2」状態。やっと終わったと思って、掃除機を片付けようとして気付きました。掃除機からノズルを抜くとそこから吸い取ったアリが這い出てきます。

台所だけでなく、購入して初めての「掃除機の掃除」もするハメになりました。紙パックごと手を汚さずにポイ、などという洒落た機能はついてないので、アリが溢れ出る布フィルタを水道で流しながら、また大騒動。

疲れ切って、ようやく休憩というタイミングが家内が帰ってきました。もし家内が第一発見者になってたら、それこそパニックになって皿の一つや二つ割っていたかもしれません。幸い実害はなかったので、良かったということにしておきましょう。


2014年3月2日日曜日

何から何まで

一昨日は水タンクとバスタブ買いました。今日は扉と内装用の木材、そしてガラスブロックです。扉と言ってもそれだけではなく、ヒンジにドアノブ、周囲の枠の材料まで探しました。ほんとに何から何まで、施主が自分で買わないといけないのが、フィリピン流の経済的施工術。



何でも売ってるんですね、建材店。「ハードウェア」とか「ホームデポ」とか呼ばれてます。日本ではコーナンなどのホームセンターに相当しますが、品揃えが上に広いのがフィリピンのお店。システムキッチンとか洗面台や便器まであるし、店によってはかなりの高級家具も置いてます。






内装材では圧倒的にすごいのが、先日大量に購入したタイル。暑さしか気にしなくていいので、床材ではもっとポピュラーな素材。フィリピンの家はセメントとコンクリートブロックの塊に、タイルとペンキでお化粧したものと言ってもいいぐらい。



反対に意外と少ないのが木材。実はフィリピンの森林は第二次大戦以降、日本を含む海外への大量の木材輸出や焼畑などの影響で、壊滅的に減少してしまったそうです。私が住むネグロス島は、飛行機から見ると全島サトウキビ畑に覆われていて、かつてこれが森林だったのか?と想像すると、かなり辛い気持ちになります。

建材店でも、木材は並んでますが、ニュージーランドなどからの輸入材が多い。フィリピン産のものは安いけれど質が悪く、虫食いが心配で、足場などの補助材にしか怖くて使えません。今住んでいる借家の棚などは、多分その安いもので作られてるようですが、築数年のはずなのに、シロアリの害でたいへんな状態になっています。



こんな具合に、自分の家に使うためなので、見る目も厳しく、それぞれの素材にずいぶん詳しくなってきました。何をどのタイミングで買うか、どこで買うのが安いかなどの経験値がどんどん蓄積。特に家内は、コマメにメモを取って、家計簿さながら大工さんへの毎週の支払い計算までしています。

これは、仕事にできないかなぁ。ここまで緻密にやれば、地元の業者に丸投げして、多額のマージンを取られること考えると、相当施主の支払いを軽減できるはず。施工コーディネーターみたいなことすれば、有り難がられそうです。
しかし、ヘタなやり方すると、昔からの施工元締め業者に袋叩きにされるかも知れませんね。

家内に冗談半分で話してみたら、こんなしんどいことは一回で十分!と言われてしまいました。


2014年3月1日土曜日

人生最後の金遣い

以前、見積もり金額に対して出費の進捗がとても遅いという話を書きました。工期の残り約2ヶ月を切った今でも、ようやく半額を少し越えた程度なので、まだ余裕ですが、さすがにペースが上がってます。

セメントや土砂、コンクリートブロックに鉄筋など、安価な購入品だった前半と比べると、屋根瓦やフェンス用の角パイプ、内装用のタイル、洗面台やキッチン等々、一回の支払いが数万〜十万ペソの高額なものが増えました。

残っているのは、天井材のボード、内装用の材木(ニュージーランドやカナダからの輸入品)、扉、電気関連部品、そして塗料。どれも高くつきそう。まだオーダーメードの窓の支払いも残ってますね。
今日も一万ペソで、水タンクを購入しました。



資金に余裕はあると言っても、月三万ペソもあれば十分生活できる環境なので、現地の感覚からすると恐ろしいスピード。こんな金遣いは、もう私の人生でこれが最後になると思います。

しかし考えてみると、日本で家を建てる場合、土地購入にしても建築業者への支払いにしても、まとめていくらなので、最後まで総額が分からないということはないでしょう。ここでは、何を買うにしても二社、三社を相見積もり取って、建材一つ一つ考えながらの購入。自然と見る目も真剣になります。

たいへんではありますが、努力すれば安くできるので、達成感はあります。そしてこれ以上はないというほど何に使ったがはっきりしているので、高いなりに納得もできる。自分で作業をいているわけではないのですが、本当に家を建てている実感を、日々感じています。