2017年2月22日水曜日

フィリピン書店事情


日本人の活字離れが進んでいると言われて久しい。もっとも私が小学生の頃から、近頃の若い奴らは本を読まないと言われていたので、ずっと読書人口は減り続けているんでしょうか?

この10年ぐらいは、本当に雑誌の廃刊が相次いだり、新聞の売れ行きが落ちたり。書店の経営も昔に比べると、ずいぶん苦しいそうです。インターネットやスマホのお陰で、文章を読んだり書いたり(打ったり?)している人は、若い層ほど多いけれど、紙に印刷した書籍は、確かに売れてないと思われます。

この風潮に真っ向から逆らうように、私は紙の本が大好き。以前このブログでも投稿したように、そもそも家を建てた理由の一つが、自分の書斎兼書庫が欲しかったから。小学生の頃から買い続けた本は、ほとんど捨てておらず、数千冊の蔵書になってしまいました。それを我ながらご苦労さんなことに、全部フィリピンまで船便で送り、今では本棚に囲まれるような生活をしています。



そんな人間なので、フィリピンでも書店の事情はとても気になる。日本ならば、小さな本屋さんの数は減ったとは言え、今でも大阪梅田界隈には、紀伊國屋や旭屋など大きな本屋さんが健在。最近では巨大なジュンク堂もできました。私にとっては一種の天国のような環境で、丸一日いても飽きないほど。

ところが、今住んでいるシライ市には本屋さんが皆無。人口12万の地方都市に、本屋さんが一軒もないなんて。スーパーのレジ近くに、ほんの数冊雑誌が置いてあるぐらい。どうしてもまともな書籍が欲しければ、隣街のバコロドやタリサイのショッピングモールに行くしかありません。

そして、どのモールにもあるのが「ナショナル・ブックストア」。カタカナで書くと、松下電器の本屋さんかと思ってしまいますね。(40〜50代以上の人にしか理解できないジョークで申し訳ありません)この書店は、フィリピン全土に展開するチェーン店。隣島パナイの州都イロイロや、首都マニラ、セブにもたくさんあります。


それでも日本の大型書店に比べると、フロア面積は大したことがない。近隣では最大の、SMシティ内のナショナル・ブックストアでも、昔私がよく利用した、阪急塚口駅前の宣文堂(現ブックオフ)よりも狭いぐらい。(ローカルすぎる例えで、申し訳ありません)

どうやら、平均的なフィリピン人は、あまり本を読む習慣がないらしい。高校の先生をしていた家内の叔母ですら、私の書斎を見て「本当にこれを全部読んだの?」と本気で驚いてました。メガネをかけてる子供が少ないのも、なんとなく分かる気がします。

話をナショナル・ブックストアに戻しますと、扱っているのはほとんどが英語の書籍。しかも字ばっかりの本がメイン。絵本や日本のコミックの翻訳版もありますが、数は少ない。小説や専門書は、アメリカからの輸入品が多いようです。ハリウッド映画の原作なんて、ほとんどリアルタイムで発売される。私の息子も読書が好きなので、ハリーポッターや、スターウォーズのノベライズものをここで買っています。

それにしても、高い!
ちょっと分厚いハードカバーだと、軽く1,000ペソ(約2,200円)以上する。フルカラーの専門書なども日本で買うのと変わらない価格なので、これではフィリピンの庶民には簡単に手が出せない。フィリピンで読書の習慣が根付きにくいのは、本が高すぎるという理由もあるようです。



文具や画材も置いています


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