2020年1月8日水曜日

ブブゼラ禍


出典:Depositphotos

騒音については、フィリピンに住む日本人なら、多かれ少なかれ悩まされる問題。このブログでも何度も投稿した、近隣からの大音量の音楽。特に繁華街ではなく、私が住んでいるような「ビレッジ」と呼ばれる住宅地だと、なまじっか静かなだけに、かなり離れた場所の音が聴こえてしまう。

さすがに移住8年目に入った今は、以前ほど神経質ではなくなったものの、すぐ隣の工事現場、しかも私の部屋から10メートルもない距離で繰り返し鳴らされた、ボリュームマックスのラジオには、キレてしまいました。

こんな具合で、週末などにバランガイ(町内会)毎のフィエスタで催される、屋外ディスコや、歌が可哀想になるほどヘタクソなカラオケ大会など。これは、フィリピンに安く住まわせもらう代償だと思うようにしてます。

もちろん対策もいろいろ講じていて、暑い時期なら窓を締め切ってエアコン使用。また最近のヘッドホンは耳の中にぴったりフィットで、外部の音を遮断。さらに就寝時には耳栓も。

ところが数日前、これまでの騒音とは次元の違う、超絶的大音量の音源が登場。日本の皆さんもサッカーの応援でご存知の「ブブゼラ」。

この楽器(というか騒音発生器)、発祥は南アフリカなんだそうです。元々は金属製だったものが、1990年代頃に今ある樹脂製に変わり、南アフリカ国内に広く普及。2010年以降は中国製が爆発的に増えて、現在世界中に出回るブブゼラの9割が、メイド・イン・チャイナ。

その特徴は、とにかく音がデカいこと。観客が熱狂するサッカーの国際試合ですら喧しすぎて、ブブゼラの使用を制限することが議論されています。ワールドカップでは、国歌斉唱のタイミングで吹き鳴らす、アホな観客までいる始末。

これが、最近のフィリピンでは、大晦日の夜に、爆竹や花火、自動車のクラクションと並んで、ノイズ・メーカーの仲間入り。まぁ、年に一回だけ、町中が戦場のような状態なので、これはこれでいいかと思います。

多分、その時使ったものなんでしょうね。新しい年も一週間が過ぎているのに、向かいのバアちゃん宅で、3歳ぐらいの男の子が朝から「ブァ〜〜〜」。少しぐらいなら笑って済ませられるけど、何時間経っても、まるで取り憑かれたように吹き続け。

窓を閉めようが耳栓しようがダメ。音に反応して犬が吠え出すので、イライラ度が倍増。遂に昼過ぎ、我慢の限界を超えて苦情を言いに行きました。我ながらよく耐えたもんだ。

とは言え、相手は年端もいかない幼児と、耳の遠いバアちゃん。怒鳴りつけるわけにもいかず、強い口調の英語で「頼むからやめてくれ。それ吹いていいのは、大晦日だけや」。こちらが怒っているのは十分伝わったようで、それ以降は静かになりました。

それにしても、他の家から文句が出なかったのが凄い。反対側の家など、もっと至近距離で何時間もブブゼラの音を聴かされ続けているのに、我慢強いのか気にならないのか。こればかりは、いくらフィリピンを愛する私にも、理解の範囲を超えてますね。


0 件のコメント:

コメントを投稿