2020年1月25日土曜日

フィリピンの水際対策


カリボ空港
出典:Business World

つい3日前に投稿した、新型コロナウイルスの件。事態は一気に悪化して、中国国内の感染者は1200名を超え、死者はすでに41名。武漢とその周囲、人口4,000万の地域が封鎖されるという、前代未聞の強硬策が取られました。

それでも、遅きに失っしたようで、既に日本、アメリカ、ベトナム、タイ、シンガポール、韓国、フランスそしてオーストラリアなど、13カ国で感染者が確認され、人から人への二次感染と見られる事例も。どうやら、武漢の市当局が最初に感染を知った際に、中央政府に対して隠蔽を行ったことが、初動の遅れにつながったらしい。

中国の周辺国では、2003年のSARSでの教訓を活かしたシンガポールが、かなり厳格な入国管理を行なっているとのこと。そしてフィリピンでは、有名観光地であるボラカイ最寄りのカリボ空港に、1月24日、武漢から到着した中国人観光客の464名を、症状の有無に関係なく全員送還すると発表されました。

実際のところ、潜伏期間が1週間から12日もある新型コロナウイルス。中国や上海で感染が確認されているし、マニラやセブ経由で感染者が入国してしまっている可能性があるものの、少なくとも現時点で取れる最大限の措置と言えるでしょう。

もちろん、現地の商業施設には打撃だし、送還と簡単に言っても、3便に分けてということで、フライトやそれまでの滞在などの費用は発生します。中国嫌いな日本人の中には、無責任に快哉を叫ぶ連中もいるようですが、フィリピン側からしても、痛みを伴う決断だったことは間違いない。こういう素早いアクションが取れるのも、ドゥッテルテ効果なんでしょうか?

正直に言って、今のフィリピンの医療体制下で、ワクチンも特効薬もない新型ウイルスの感染爆発が起こったら、国中がパニックになるかも知れません。この国に住んでいる者としては、想像するだけで背筋が寒くなります。最初に「全員送還」のニュースに接した時は、思い切ったことをやったもんだと唸りましたが、冷静に考えれば止むを得ない判断。

また、この措置は、これからフィリピンに渡航しようとする、中国以外からの観光客にも影響が大きいでしょう。私にとってはすごく身につまされる話で、ちょうどこの2月から、ゲストハウスに、日本から長期滞在のお客さんを迎えようというタイミング。

それでなくても、タール火山の噴火があったばかり。さらにフィリピンの水際対策が不十分などいう情報が流れれば、直前のキャンセルがあっても仕方がない。

ということで、まだ楽観を許さない情勢ながら、今回のフィリピン政府の対応に関しては、かなり高い評価ができると思います。


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