2020年4月2日木曜日

封鎖三日目の市街地へ


シライ市のシンボル
大聖堂には人影もなし。

月曜日(3月30日)に始まった、新型コロナウイルス感染対策のための西ネグロス封鎖。早くも四日が経過しました。封鎖前から、ほとんど引きこもりに近い生活だった私には、取り立てて変わったこともありませんが、三日もすると、市街地の様子が見たくなってきました。

封鎖と言っても、外出が完全に禁止になったわけではありません。食糧や燃料など、生活必需品の購入は日中ならば大丈夫。ただし封鎖前日に、バランガイ(町内会)オフィスから支給された外出許可のパスは一枚。同時に外に出られるのは、一世帯につき一人だけ。

このパス、マニラ首都圏ではペラペラの紙切れなんだそうです。ところが、バランガイの担当者が持って来たのは、シライ市長とバランガイ・キャプテン(議長)の名前とサインと、通し番号が印刷された本格的なもの。ちゃんとラミネート加工もされてます。


事前にフェイスブック経由でシェアされた、西ネグロス州知事の告知文も何だか変にテンション高かったし、どうも政治家や役人たちは、ここぞとばかりの権力行使を楽しんでいるんじゃないかと勘繰ってしまう。

さて、その「よく出来た」パスをカバンに放り込み、虎の子のマスクをして、行って来ましたシライの市街地。歩いている人はちらほらいて、ニュースで見るニューヨークみたいな、誰もいない街並みとは程遠い、平常と変わらぬ感じ。相変わらず晴れていい天気だし。

とは言え、トライシクル(オート輪タク)やジプニー(乗り合いバス)、黄色い路線バスのセレスも完全運休。車両の数はずいぶん少ない。空いている分スピードを出してるから、逆に危ないぐらい。


公設市場やスーパーなど、アクセス手段がないから閑散としてるかと思いきや、各バランガイがジプニーをチャーターしているらしく、封鎖直前と変わらないような、長蛇の列。入場前の検温・消毒、さらに人数を制限しています。ちなみに自家用車の使用に規制はありません。


米や野菜など2週間分の食材買い出しは、家内が済ませてくれていたので、市場に入るのは諦めて、少し離れた場所にある行きつけの果物屋さんへ。こちらは行列もなく、普段と変わらない様子。ちょっといいバナナ、一房149ペソで買うことができました。



せっかく、20分ばかり炎天下を歩いたので、市街地をざっと周回。飲料水とプロパンガスの店は平常通りの営業。銀行と送金所の金融機関は全部開いてたものの、マスク着用は必須で、一度に入店できる人数を3名までにする但書の張り紙がベタベタ。



ジョリビー、マクドナルド等のファーストフードは、閉店ではなく、営業時間を短縮しテイクアウトのみ。店内での飲食はできません。それ以外の飲食店は、ほぼ閉まってました。家内によると、休業補償は市がしてくれるそうです。時々お昼のおかずを買っている惣菜店の賄いのおばちゃんたち。生活に困ることはないようで、良かった。

昨日の報道では、長引くマニラ首都圏を含むルソン島の封鎖に対して、抗議に集まった人たちが逮捕されたとか。ドゥテルテ大統領はテレビで、警官や兵士が身の危険を感じたら射殺も辞さないとの警告を発しました。

強権政治で支持を集めてきたドゥテルテさん。このタイミングで抗議集会をするのは常軌を逸していると思うけど、射殺は行き過ぎじゃないかなぁ。

それに比べると、極めて平穏無事なシライ市内。当初の予定通り、2週間で封鎖が解ければ、おそらく混乱はないでしょう。でも、先がまったく読めない今回の事態。これが何週間、何ヶ月となれば、治安悪化の懸念も。

実際に、家を消毒すると偽って家宅侵入する泥棒や、外出許可パスと引き換えにバランガイ議長が住民に金を要求したりする犯罪が、起こっている。

このブログも、まだしばらくは、コロナ関連の話題から離れられそうにありません。


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