しばらく前に、子供のことを心配する余り、いつまで経っても対面授業を再開できないフィリピン、みたいな投稿をしました。(フィリピン学校再開への道)
そして今日のお題は「体罰」。結論から言うと、私が見聞きする限り、親や教師が子供を叩くってのは、滅多にないと思われます。少なくとも最近では。どちらかと言うと、私の目からすれば、もうちょっとは子供を厳しく躾けろよ、と言いたくなるほど、公共の場所で子供が暴れようが騒ごうが、ほぼ放置のフィリピンの保護者が多い印象。
ただ、これにはちゃんと理由があって、子供への体罰、あるいはそれがエスカレートしての虐待には、公的機関が介入できる仕組みができている。
よく知られているのが、DSWD(Department of Social Welfare and Development / 社会福祉開発省)。完全に同じではありませんが、日本の旧厚生省に相当するようなお役所。端的に言うと、危機的状況にある個人、つまり性別・出自・障害などで差別されたり、人身売買の被害者、災害の被災者、貧困層、その他社会的弱者を支援するために設立されたもの。
第二次大戦前のまだアメリカの統治下にあった1939年(昭和14年)に Department of Health and Public Welfare / 厚生省として設立され、紆余曲折を経て1987年コラソン・アキノ政権下で現在の名称となりました。
守備範囲はずいぶんと広いですが、一般市民にとってその名前を聞くことが多いのが、子供への体罰や虐待への介入。つまり、日本の児童相談所と似た位置付け。ただ、何かと批判の多く、問題の多い日本の児相と比べると、かなり強い権限を有しているらしく、私の家内やメイドのライラおばさんも「DSWD」の名前には一種の畏怖を感じるほど。
それぐらいDSWDが一般家庭に影響力があって、たまに「〇〇さんの家にDSWDが入って、子供が保護された」なんてことも。
なぜこんな話を始めたかというと、最近、ツイッターで日本の児童虐待の話題に対して、常々私が感じている「フィリピンでは体罰どころか、強い口調で子供叱ることが稀」と呟いたところ、フィリピン在住の日本人から「私の知っているフィリピンの人は、子供のころずいぶん叩かれたそうですよ」とのコメントが複数。
どうやら、ほんの十数年前まで、あるいは現在でも比較的人目の届きにくい家庭だと、やっぱり体罰はあるようです。実は私も子供への体罰、というよりも虐待は、一度だけ、ここシライで目撃したことがあって、驚いてこのブログにも投稿しました。(子供を殴るな!)
そういう経緯で、家内にフィリピンでの子供の体罰ってどうなの?て訊いたら、一瞬声をひそめて「DSWDが来るよ〜」。それを受けて調べてみた次第。
いくら子供好きが多いフィリピンでも同じ人間。数は少ないとは言え、我が子に暴力振るったり性的虐待を加える親もいるのは事実。実際、たまにニュースになったりもします。その現場では、DSWDが活躍してるんでしょうね。
ということで、またフィリピンのリアリティの一端を垣間見たと思ったら、つい数日前、なんと我が家のある同じ宅地、それも2軒向こうのお隣さんで、DSWD絡みの騒動がおこりました。次回に続きます。
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