2023年1月27日金曜日

料理ができない人は野菜が切れない

 今日、ちょっと面白いツイートを見つけました。

「メシマズって意味がわからないんだけど、レシピ通りの材料用意してレシピ通りに作って途中で味見挟んだら料理なんて不味くなりようが無くない?」

それを引用リツイートして返答が、

「いやそうじゃないんだ。 ほんとに料理ができない人っていうのはこんなかんじ・まず野菜が切れない ・調味料の分量を正しく測れない ・味見しても味がわからない」

なるほどなぁ。確かに「出来る人」からしたら、なぜ「出来ない人」がいるのか分からないって、なりがちですね。それを強烈に実感したのが、メイドさんに料理の手伝いを頼んだ時。

かれこれ5〜6年前に、当時のメイド、ネルジー嬢にスパゲティー茹でを頼んだら、出来上がりが数本づつくっ付いた状態。途中で混ぜてたはずだし、一体どうやったらこうなるだろ? また、ツイートにもあるように、野菜の刻み方も全然で、どんなサイズでどう切るかのサンプルがないと、包丁片手に固まってたし。

ちなみに私が日常的にやってる趣味で言うと、歌、イラスト描き、ブログ投稿の文章。ついでに英語もそうなんですが、「私にはこれが出来る」なんて言い切っちゃうと、お前はどんな大先生や?とツッコミの嵐が来そうです。でも、私のレベルであっても、まったく出来ない人からすれば、十分に「出来る」と見られるもの。

ただ、上記のような事柄って、だいたい初心者には難しいとされいてるものばかり。テクニックをレクチャーしますと言ったら、お金払ってでも習う人がいる分野。そして一旦習得しちゃうと、出来なかった頃の感覚を思い出して、分かるように教えるってのはとっても難しい。なので、英語を喋れても、誰もが英語の先生になれる訳ではないという道理。

でも、そういった習い事の類だけでなく、例えば、先のことを考えて計画的にお金を使うとか、約束の時間を逆算して、朝起きる時間を決めたりや準備をするって、出来ない人には、とても難しかったりします。

もちろん年端もいかない子供ならともかく、日本で生まれ育った成人ならば、出来て当たり前と思われるでしょうけど、私が今住んでいるフィリピンでは、出来ない人が多過ぎて驚くぐらい。

以前にも投稿したことがありますが、私のように、まとまった貯蓄と退職金を、年金貰えるまでの10年以上の間、少しづつ取り崩して生活するって、低所得層の人たちには恐ろしく難しいライフスタイルなんだそうです。極端に言うと、10年分を最初の数ヶ月で使い切ってしまいそう。なので給料も半月とか一週間毎に支給しないと、あっという間に食費が底をついてしまう人が続出する。

ことほど左様に、お金と時間にまつわることは、日本とフィリピンで認識の差が著しいのは、出来て当たり前の常識が、かけ離れているから。かなりの数のフィリピン人にとって、努力して身につけるレベルの、ある種のスキルだったりします。

ここを理解しないから、「フィリピン人は馬鹿だ、民度が低い」と暴言を撒き散らす日本人が後を絶たない。でもね、逆に考えてみてください。日本人=「英語ができない面倒な人々」って思われてるんですよ。わざわざ大挙して、フィリピンにまで英語の勉強に来るぐらいですから。

結局のところ、子供の時から他人と違うことは恥ずかしいことと、骨の髄まで思い込まされて、同調圧力、等質文化にどっぷりの日本人。当たり前が出来ない人に対して、徹底的に不寛容になるのも仕方がない気がします。

これは自分自身への自戒も込めてなんですが、「そんなことも出来ないのか」と相手を蔑む前に、それはその人の責任なのかどうか、優劣の問題じゃなくて単なる背景の違いではないかと、自問してみるべきだと感じてます。

2023年1月26日木曜日

日本スタイルの白い食器棚

 年末にゲストハウス水道の加圧タンクがぶっ壊れて、年が明けてからひと騒動あった件。(杜撰な工事で水道ストップ)結果的に、足繁く最寄りの大手建材店「シティ・ハードウェア」に通うことになりました。ただ建材店と言っても、日本ならば、ホームセンターのコーナンに少しだけニトリの品揃えを足したような感じ。つまり、フィリピンの地方にすれば、かなり高級の部類にはいるような家具も置いてあったりします。

新しく購入する加圧タンクの在庫をチェックしてもらってた時に見つけたのが、我が家のキッチンにちょうど良さそうな食器棚。実はフィリピン移住直後から、ずっと食器棚を探してたんですよ。

昨年(2022年)、スウェーデンの家具店イケアがマニラにオープンしたりして、フィリピンでも良質な家具が購入できないわけではないけれど、そこは地方のネグロス島の悲しいところ。超大金持ち御用達の高級店か、1年も経ったら壊れそうな極安中国製の極端な選択肢しかなかった。

私としてはイケアでも高過ぎるぐらいで、ニトリぐらいのインテリアショップが欲しいんですけどねぇ。

ところがここ最近の好調な経済成長を受けて、中流層の厚みが日本並みに近づいてきたおかげで、ようやくいろんな商品分野で、中の上ぐらいの価格帯が充実してきました。そしてシティ・ハードウェアで見つけたのが、日本円で1万円ちょっとぐらいの食器棚。

そんなに特別な仕様じゃなくて、それこそニトリに行けばいくらでもあるような、上下に扉付きの棚があって、真ん中に引き出し、その上に電子レンジが置けるスペースがあるタイプ。まさに、日本に住んでいた頃には、そういう食器棚を使ってました。引越しの時に処分せず、多少輸送費がかかっても、ネグロスに持ってきたら良かったと後悔するぐらい。

こんなの世界中どこにでもある、ありふれたスタイルだと思ってたら、意外にもそうでもないんですね。試しに「kitchen 」「cabinet」「microwave」でググっても出てくるのはシステムキッチンに完全収納するようなものが多い。

なので、少々大袈裟に言うと、移住以来10年近く探してた、日本スタイルの食器棚と運命的な出会いを果たしたというわけです。

さて、サイズもぴったりで即購入と思ったら、店員さんが何回も「組み立てないといけないので、すぐには持って帰れませんよ。」と、しつこいほど何度も訊いてくる。この手の棚って、大抵は棚板とか扉がバラバラの状態で梱包されていて、店頭に並んでいるのは店で組み立てた「完成品」。これは日本のニトリと同じです。

かなり大きい家具なので、確かに自力で組み立てるのはたいへんそう。それでもまぁ2〜3時間もあれば何とかなるだろうと、自家用車に積み込んで帰宅しちゃったのは、今思えば判断が甘かった。

その日の午後から組み立て始めて、夕食には全然間に合わず。それどころか、作業がキツすぎてへとへと。料理もできそうになく、帰宅直前の家内に連絡して、おかずを買ってきてもらう始末。

厄介だったのは、特殊なネジが全然数が足りなかったり、どう組んでも扉の隙間が大き過ぎたり。仕方がないので、裏板の一部を切り取って、それを重ねてヒンジ部分のスペーサーにして、何箇所かネジ止めを間引いたりの工夫をしました。

結局、翌日の午前中一杯かかって何とか組み上がった時は、すごい達成感。きっちり筋肉痛も来たし。


というわけで、移住して10年、自宅竣工から9年にして、ようやく当初イメージしていたキッチンが、パズルの最後のピースがハマったように完成しました。死蔵状態だった、家内が日本でたくさんコレクションした食器(主にティーカップ)は、いつでも使えるように収納して、電子レンジもお引越し。

特に私の場合、食事担当の主夫をやっているので、寝室・書斎と並んで、キッチンで過ごす時間はかなりの長さ。使いやすくて見た目も美しい作業環境は、生活のクオリティにも関わってくる大切な案件。

本当はもっと周囲に溶け込んだ、木目調とかグレーが良かったけれど、真っ白しかなくてノーチョイス。存在感が半端ないなぁ。家内は大喜びで「メイドさんには触らせないで!」なんて頑張ってます。いや、そういう訳にもいかんやろ。(苦笑)



2023年1月23日月曜日

今更ながらのVPN

 たぶん日本国内に住んでおられる方には、あまり馴染みがないであろうVPN。私もフィリピン・ネグロス島に移住してから、しかも10年経ったつい最近まで知りませんでした。

VPNとは、Virtual Private Network 仮想プライベートネットワークのことで、元々はインターネット使用時に個人情報やクレジットカード番号などの、漏洩を防ぐためのものなんだとか。詳しい仕組みはよく分からないものの、このネットワークを使えば、日本版の各種動画配信サービスを享受できるのがポイント。

なぜ突然VPNの話を始めたかと言いますと、昨年末の一時帰国の際、実家にあった大画面テレビでNetflixを使ってみたら、視聴できる日本語番組がフィリピン国内に比べると圧倒的に豊富なことに気付いたのがきっかけ。

いろいろな「大人の事情」で、例えばスタジオ・ジブリ作品は、フィリピンを含む全世界では配信されてるのに日本ではダメだとかいうのは知ってたんですが、その逆で、宇宙戦艦ヤマトのリメイク版「宇宙戦艦ヤマト2199」とその続編「2022愛の戦士たち」。あるいはアマプラ(アマゾン・プライム)ならば、安彦良和さんの「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」や、スタートレックの最新シリーズ「ピカード」が日本では見られるのにフィリピンでは不可。

え〜っ。こんな面白そうなコンテンツが、お金払っててもなぜフィリピンでは視聴できないの?と、軽くショックを受けてしまいました。それだけでなく、フィリピンでは英語版のみのハリウッド製のドラマ「LUCIFER / ルシファー」が、ちゃんと日本語字幕付きで配信されてたり。

それからというもの全然興味がなかったVPNを、手のひらを返したようにいろいろ調べ始めた私。無料もあるけど遅いとか、有料でもカバーしている動画配信サービスが微妙に違ったりするとか。結局、ややお値段高めだけど、一番しっかりしてそうなExpress VPNの1ヶ月無料お試しをやってみることにしました。

実際アプリをインストールすると、パソコンでも携帯でもテレビでも、まるで当たり前のように日本版サービスを見ることができます。ちょっと気になったのが、これって合法なのかどうかという点。結論から言うと、日本でもフィリピンでも、VPNの使用自体、法的には何も問題ないそうです。非合法にしているのは、中国やロシア、一部のイスラム諸国のような、政治的・宗教的な禁忌が多い国。

それにしても日本の放送業界って、なんでこんなに閉鎖的なんでしょう。インターネットが普及する前から、アメリカや中国、韓国は、海外でも自国民がニュースやエンタメを楽しめるよう、母国語の番組をガンガン流している。それに対して日本からは、NHKも民放各社も徹底的な出し惜しみ。

別にサービスのタダ乗りさせろって言うんじゃないんですよ。お金払っても、ケーブルテレビはおろかネット経由でも頑なに海外での配信拒否。かろうじて日本語版のNHKは、フィリピンの一部ケーブルネットワークで受信できるんですが、私の住むネグロス島のシライ市は、いまだにカバーされていません。ちなみにNHKオンデマンドは、VPN使っても、アプリでの位置情報が必須の仕様なので視聴不可。

ということで今更ながら、海外でVPNがあるといろいろ楽しいですよって話をするつもりが、最後は日本への愚痴になってしまいました。



2023年1月17日火曜日

メイドにキレた話

 前回の我が家のメイド交代劇の続きです。

昨年(2022年)7月までの4年間、我が家で働いていたメイドのライラおばさん(48)が、体調不良を理由に退職(一応、円満に)。その後任として、家庭教師のバンビの紹介で雇ったのが、バンビの実姉のグレイス(50)。ライラに比べると、掃除や洗濯物の畳み方がヘタだけど、何とか機嫌良く働いてくれてました。

ところがこの年初に、体の調子が良くなったから、もう一度働きたいと前任のライラが言ってきたので待ってたんですよ。そうしたら復帰初日から無断欠勤。風邪ひいてしばらく仕事が無理となって、代わりに姪っ子のマイカ(21)を連れて来たのが、その日の夕刻。翌日からマイカが働いて、ようやく翌週明けになって今度こそライラが来るかと思ったら、また来ない。連絡もない。

さすがにこれにはキレました。と言っても本人は来ないので、直接怒鳴りつけたわけではなく、家内を通じて「もう来なくていい」と携帯テキストを送付。ちなみにライラは我が家の5人目のメイド。それまでの人が、みんな無断で来なくなってそれっきりの、後味の悪い辞め方ばかりで、やっとまともな退職をしたと思ったら、最後にこれ。

まぁフィリピンで人を雇ったことがある方なら、似たような経験が、多かれ少なかれあるんじゃないでしょうか。何の連絡もなしに来なくなるだけでなく、気がついたら競争相手の店やオフィスでシレっと働いてた、なんてのはよく聞く話。とにかく辞め方が下手くそなんですよね。

ただフィリピンでは、辞める側だけを責めるのは酷で、雇用して解雇する側もずいぶんと乱暴なケースが多いらしい。最近でこそ問題になったものの、法律で定められた試用期間の6ヶ月だけ安い賃金で働かして、6ヶ月たったら一斉に解雇なんてやり方が横行する国。

そんな大きな事はともかく、こうなってしまったら、もう一回グレイスに来てもらうしかありません。「お前はクビだ」式ではなく、「またすぐ仕事してもらうかも分からないから、ちょっと待っててね」と優しく言っておいて、本当に良かった。「すんませんけど、明日からまた来てくれますぅ?」と低姿勢にお願いしたら、二つ返事で戻ってくれました。

時間通りの朝8時に玄関前に現れたグレイスを見て、しみじみ感じたのが、定刻に出勤してくれることの有り難さ。仕事にしても何にしても、時間通りに物事が進む日本では、あまりにも当然と思われがちですが、フィリピンの...と言うか、日本以外の国や地域では、遅刻も無断欠勤もしないって、どれだけ労働者として貴重な資質かがよく分かります。

正直なところ、ライラが働いていた4年間というもの、月曜日の朝は、今日は休むんじゃないかと毎週ストレスを溜めてました。また一旦休むとずるずる数日〜一週間となることも多く、「今日も来ない」のがっかり感の連続。それと比べれば、ちょっとぐらい不器用でも、時間は守って、遅れるなら連絡を欠かさないグレイスの方が、どれだけ楽か。

ということでグレイスには、もうしばらく我が家で働いてもらうことになりそうです。



2023年1月13日金曜日

コンパクト・グラマーな臨時メイド

 我が家のメイド環境が、再び動き出しました。

なんて書くと大げさですが、今週の火曜日から我が家に新人さんが来ています。21歳のマイカ嬢は、5年ぶりの20代メイド。彼女は、先々代のライラおばさんの従姉甥の奥さん。つまり、ライラの従姉の息子の結婚相手という訳です。

なぜこうなったかと言いますと、約半年前に健康上の理由で、4年間勤務したライラが辞めて、後任に雇ったグレイスおばさん。家事スキルはライラには及ばないものの、時間を守って無断欠勤がなく、それなりに機嫌良く働いておりました。ところが年明けにライラがひょこりやって来て、家内に復職したいとの申し出が。

今年49歳のライラは、どうやら更年期障害の影響で、暑い中に外へ出るのがツラかった。それが半年経って症状が改善して、もう一回は働きたいとのこと。ここからは推測ですが、頼りにしていた長男の稼ぎが、イマイチだったのかも知れません。まだ下の子供が高校生だしなぁ。

問題はグレイスの処遇。別に仕事の上で瑕疵があったわけではないけれど、やっぱり家内は、掃除や洗濯物の畳み方に不満があったらしい。グレイスは看護の訓練を受けているので、かなり近い将来に我が家に受け入れ予定の、私の両親の介護担当になってもらうとの約束で、一旦休職ということで矛を納めました。

そして、いよいよライラ復帰の月曜日...のはずが、待てど暮らせど出てこない。またまた悪い癖が出て無断欠勤。これはグレイスを呼び戻すしかないか? それにしても、少々みっともないなぁと思ってたら、その日の夕方に、上記のマイカを連れて来たという次第。

年末から雨続きの不順な天候のせいか、ライラは風邪を引いて咳が止まらない。仕方がないから、1週間限定で親戚の女の子をの代役にとのこと。それなら朝のうちに連絡しろよ〜。

そんな経緯で、予想外の若いメイドさん。意外にも掃除は手際良く、グレイスよりも手慣れた感じ。ただ食材や食器の棚をきれいに片付けてくれたのいいけれど、独自基準で置き場所を総替えしちゃうもんだから、食事係の主夫としては、何がどこへ行ったのか分からなくなるのが難点。

とは言うものの、若い女性が身近に来て、嬉しくないわけではありません。なかなか愛嬌があるし、背は低いけれど、1970年代風の和製英語ならばコンパクト・グラマーと呼びたいところ。しかも二日目には、朝シャンの濡れ髪、ピチピチのヘソ出しシャツで仕事するから、オっさんは目のやり場に困ったりします。

高校を卒業してすぐマニラで2年間、大手の建材小売店で働いていたマイカ。そこでの業務経験が効いているのか、スーパーでの買い物を頼んで欠品だったら、自分の判断で公設市場で不足分を買ってきたり、洗濯機が不調で使えないと、さっさと手洗いで済ませてしまう臨機応変さ。臨時雇いには勿体無いぐらい。

それにしても2002年生まれなので、私との年齢差がちょうど40年。娘のような歳の差どころか、下手すれば孫ですな。



2023年1月12日木曜日

杜撰な工事で水道ストップ

 またもや早いもので、2023年になってからもう2週間近く。年明け早々、自宅の水道トラブルでちょっとバタバタしておりました。

年末の投稿でも触れたように、12月30日の土壇場になって、私が今寝起きしているゲストハウスの水道用加圧タンクから盛大な水漏り。さすがにフィリピンでも、年末年始は大工さんや職人さんはお休みで、いつも来てくれる配管工のフリオ君もテキスト返信なし。こりゃ仕方がないですね。

元栓を閉めるしかなく、シャワーもトイレも使えないとあっては、母屋に一時避難するしかありません。まぁ逆に言えば、ゲストハウスは賃貸を想定して、電気・水道を独立させておいて良かった。

明けて正月2日。今年は元日が日曜日で2日が月曜の夕刻。驚いたことに連絡のかなったフリオ君が、相棒のもう一人の配管工のにいちゃんを連れてやって来ました。携帯の調子が悪くて着信したテキストは読めるけど返信できなかったんだとか。要するにプリペイドのお金がなかったってことですね。

それはともかく、早速タンクを点検してくれたフリオ君たち。「こりゃタンクの交換ですね。」やっぱりなぁ。年始から1万数千円の出費が確定してしまいました。もちろんそれだけではなく付属の部品やパイプなどが必要で、翌日、フリオ君が勤める大手建材店のシティ・ハードウェアに材料の買い出しに。

ちなみにフリオ君は、このシティ・ハードウェアで水道用のフィルターを購入した時の営業担当者。業界最大手の小売店でもサラリーは大したことないらしく、取り付け工事などを業務時間外に引き受ける副業をやっています。水回りだけでなく、発電機の故障などにも対応してくれる、なかなか有能な何でも屋さん。

さて、問題の箇所は特定できてるし、工事は1日で終わってゲストハウスに戻れるかと思ったら、予想外の不具合がゴロゴロと発覚。

3年前にゲストハウスを建てた時に、水道配管を任せたのが大工のアントニオ君。実は元々配管ではなく溶接が専門。何でも器用にこなすし、本人からの申し出なのでお願いしたんですが、これがまったくの素人工事だったことが判明してしまいました。

今までもあちこちから漏水があって、その度に修理してたので、トニオに任せたのは失敗だったかと思ってのが、今回の件でそれが決定的になってしまった次第。

まず、水道用の青い樹脂パイプではなく、一部に電気用のオレンジのものを、青いペンキで誤魔化して使用。多分追加で買うのが面倒だったんでしょうね。案の定、ここから水漏れしてました。そして一番のドジが、加圧メーターのサイズを間違えていたこと。

加圧タンクに電動ポンプを接続して、水圧の足りないフィリピンの水道水を加圧する仕組みで、このシステムのお陰で我が家では、隣近所でシャワーを使うと水が出なくなる...なんてことは回避。ところがタンクの許容限度より一回り大きなサイズの加圧メーターが取り付けらていました。これが3年間タンクに過度な水圧をかけた続けた結果、とうとう亀裂が生じたというわけです。

結局、勤務時間外しか作業ができないことも相待って、修理は三日がかりで終了。ただそれだけでなく、不調だったトイレの部品を交換してもらったりして、ゲストハウスの水回りはすっかり快適に。ついでにタンクが新しくなって、水道水に混入していた水錆も、ほとんど無くなりました。

というわけで、結果良ければすべて良しで、そんなに悪くない新年の始まりでした。



2023年1月4日水曜日

やらかしたマニラ国際空港


大混乱のマニラ国際空港

2023年、 正月早々やらかしましたねぇ。マニラ国際空港、正式名称ニノイ・アキノ・インターナショナルエアポート(以下NAIA)。

詳しくはリンクした記事をご確認いただくとして、要するに停電のため管制システムがダウンしちゃったとのこと。つまりNAIAでは離着陸が全面的に不可能で、管制を担当している空域を通過予定のフライトも全部キャンセル。う〜ん、ちょっと信じられない不手際です。

家内によると、ドゥテルテ前大統領が空港整備の予算を認めず、機材が老朽化したのが原因だとのことなんですが、それは空港側の度重なる不正が遠因じゃないかと思います。フィリピン航空が長年ターミナルの使用料不払いだったとか、空港職員が乗客の手荷物にこっそり銃弾入れて、手荷物検査で金銭を要求したとか、いろいろありましたからねぇ。

こういう態度が常態化してたら、正当な理由で予算を計上しても、マトモな大統領ならば疑ってかかるでしょう。しかもここ数年は、コロナ禍のせいで政府にいくらお金があっても足りなかったし。

それにしても、選りに選って1月1日の帰省やら観光で、空港が一番混み合う時期。つい2週間ほど前、私がクリスマス十日前のNAIAを利用した時ですら、マニラからのフィリピン航空の国内線が、チェックインカウンターでとんでもない混雑。

たくさんあるカウンターの半分ぐらいしか開いてない上に、早いフライトから順番に片付けるという当たり前のことをせず、全フライトの乗客をランダムに受け付ける鈍臭い対応。コロナ禍で地上スタッフの大量解雇をした影響があるとは言え、もうちょっとやり方を考えたらいいのに。この時期こうなるのは、最初から分かってるでしょう。

乗り継ぎ時間に余裕があったので、搭乗ゲートでサンドイッチでも食べながらのんびりするはずが、搭乗時間ギリギリ。腹ペコのままネグロスに帰る羽目に。

先月の一時帰国では航空費節約のため、格安の香港経由を選んだので、結果的に関空(KIX)、香港国際空港(HKG)とNAIAを比べることになりました。KIXは小ぶりながら清潔で使いやすいのは前から知ってました。コロナ禍の検疫対応で一部では急ごしらえの壁ができてたものの、顔認識による入・出国審査できわめてスムーズ。

約四半世紀ぶりのHKGは、眼を見張るほどの美しさ。アジアのハブ空港というとシンガポールのチャンギや韓国の仁川が有名ですが、HKGもなかなか素晴らしい。特に公衆トイレのきれいさは、もう日本の空港とまったく変わらない。ちなみに便器はTOTO製でした。

そしてフィリピンに戻った時の、NAIAでのがっかり感...。最新のターミナル3でさえ、KIX、HKGを体験した後では、暗く雑然として見えてしまいます。特に今回苛立ったのは、ターミナル3から2への移動。たまたま時期が悪かったのか、いつもこうなのかは知りませんけど、待てど暮らせどシャトルバスが来ない。1時間近く待って埒が開かないので、仕方なくタクシーに乗ったら、料金が700ペソ!(約1,600円)

しかも一旦空港の外へ出て、地道が渋滞で、ほんの少しながら高速道路も使う効率の悪さ。こういう不便さは、1990年代に私がフィリピン通いしてた頃と、まったく変わってません。ある旅行サイトで実施された「世界で最もストレスの多い空港」という調査で、アジアのワースト3位に選ばれたっていうのも分かります。

これがドゥテルテ前大統領だったら、空港責任者をシバき上げて、有無を言わさぬ改善を要求したでしょうけど、ボンボン現大統領では何もできないでしょうねぇ。(溜息)

ということで次回の日本への帰国には、多少お金がかかってもセブ空港経由にしようと、固く心に誓ったお正月でした。



2023年1月2日月曜日

水道が壊れて爆竹少なめの年末年始


 もう2023年になって二日目です。月並みな表現ながら、月日が経つのは本当に早い。

現在大混乱に落ち入っている中国などを除けば、世界的にコロナ禍が下火になってから初めての年末年始と言えるでしょう。特に私たち家族の暮らすフィリピン・ネグロス島では、外でマスクをする人さえかなり減って、人通りも交通量も完全に2019年以前に戻った感じ...と言うより、もっと増えたような気がするぐらい。

我が家も、3年ぶりに日本人の泊まりのお客さんがあったり、クリスマスと新年のパーティは例年通り。久しぶりで、ホームパーティ用にたくさんの料理を作ったりしました。特に寂しがりというわけでもない私ですが、やっぱり気心の知れた友達や親戚を話すのは、良いものです。

こんな具合に何もかも以前と同じかというと、必ずしもそうではなく、思いがけないことも起こるもの。年末ギリギリの12月30日、見方によればフィリピンらしいとも言える水道のトラブルがありました。しかもわざわざセブからお越しいただいた、日本人女性とフィリピン人の旦那さんが滞在中のゲストハウスで。

一般的にフィリピンでは水道の水圧が低く、水の使用量の多い朝夕のシャワータイムには、洗い物にも事欠くほどのチョロチョロ状態になったり、まったく出なくなることもある。それを防ぐために、そこそこ家計に余裕のある家では、加圧タンクとポンプを取り付けています。我が家にも、母屋とゲストハウスにそれぞれ設置。問題はこの加圧タンクからの漏水。

本来ならば、ある程度タンク内の水量が下がると、ポンプが感知して自動的に可動。満杯になると止まる仕組みが、なぜかここ数ヶ月は、蛇口を捻る度にポンプが動いて数秒で停止を繰り返し。そんな不審な挙動と関係しているのか、突如としてタンクから盛大に水が漏り始めました。もうだましだまし使えるような状況ではなく、元栓を閉めるしか打つ手無し。

幸いなことに、お客さんはお帰り寸前。トイレは母屋を使ってもらって、あまりご迷惑をかけなくて済みました。

ただ、こんなタイミングでは水道屋さんに来てもらうどころか、連絡すらとれない。いつもの配管工のフリオ君は、テキストしても音沙汰ないし、大工のリーボイに心当たりを聞いてもらうも、すぐには無理。メイドのグレイスおばさんの知り合いは帰省中。

さすがにトイレも使えないし顔洗うのもダメとなっては、修理が終わるまで母屋に一時避難するしかありません。ちなみに空き家にすると傷みが早いので、いつもは私が、ゲストハウスで寝泊まりしてます。

さてもう一つ予想外だったのは、爆竹の数がはっきり分かるぐらい減って、例年に比べるとずいぶん静かになったこと。

もちろん静かと言っても、日本の年末年始に比べれば十分うるさいんですが、「ここは戦場か?」と思うほど、引っ切りなしの地響きするような、花火・爆竹の連打は鳴りをひそめ、時折思い出したように、遠くでパンパンという程度。

これは田舎街のここシライに限った話ではなく、人口50万人都市の州都バコロドでも同じだったらしい。その原因が花火や爆竹価格の高騰。元々、貧乏な人たちほど派手にドンパチやりたがる傾向なので、インフレが彼らの財布を直撃。日々の食べ物を買うだけで家計はいっぱいいっぱいなんでしょうね。

例年通りの激しさになったのは、本当に大晦日の深夜、カウントダウン前後の小一時間ほどでした。日本人的には、やかましさ控えめは大歓迎ながら、これはちょっと寂しい。

ということでいろいろありましたが、今年も家族みんな元気で、無事2023年の正月を迎えることができました。今年も「ネグロス島 永住日記」をよろしくお願いします。