2023年1月23日月曜日

今更ながらのVPN

 たぶん日本国内に住んでおられる方には、あまり馴染みがないであろうVPN。私もフィリピン・ネグロス島に移住してから、しかも10年経ったつい最近まで知りませんでした。

VPNとは、Virtual Private Network 仮想プライベートネットワークのことで、元々はインターネット使用時に個人情報やクレジットカード番号などの、漏洩を防ぐためのものなんだとか。詳しい仕組みはよく分からないものの、このネットワークを使えば、日本版の各種動画配信サービスを享受できるのがポイント。

なぜ突然VPNの話を始めたかと言いますと、昨年末の一時帰国の際、実家にあった大画面テレビでNetflixを使ってみたら、視聴できる日本語番組がフィリピン国内に比べると圧倒的に豊富なことに気付いたのがきっかけ。

いろいろな「大人の事情」で、例えばスタジオ・ジブリ作品は、フィリピンを含む全世界では配信されてるのに日本ではダメだとかいうのは知ってたんですが、その逆で、宇宙戦艦ヤマトのリメイク版「宇宙戦艦ヤマト2199」とその続編「2022愛の戦士たち」。あるいはアマプラ(アマゾン・プライム)ならば、安彦良和さんの「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」や、スタートレックの最新シリーズ「ピカード」が日本では見られるのにフィリピンでは不可。

え〜っ。こんな面白そうなコンテンツが、お金払っててもなぜフィリピンでは視聴できないの?と、軽くショックを受けてしまいました。それだけでなく、フィリピンでは英語版のみのハリウッド製のドラマ「LUCIFER / ルシファー」が、ちゃんと日本語字幕付きで配信されてたり。

それからというもの全然興味がなかったVPNを、手のひらを返したようにいろいろ調べ始めた私。無料もあるけど遅いとか、有料でもカバーしている動画配信サービスが微妙に違ったりするとか。結局、ややお値段高めだけど、一番しっかりしてそうなExpress VPNの1ヶ月無料お試しをやってみることにしました。

実際アプリをインストールすると、パソコンでも携帯でもテレビでも、まるで当たり前のように日本版サービスを見ることができます。ちょっと気になったのが、これって合法なのかどうかという点。結論から言うと、日本でもフィリピンでも、VPNの使用自体、法的には何も問題ないそうです。非合法にしているのは、中国やロシア、一部のイスラム諸国のような、政治的・宗教的な禁忌が多い国。

それにしても日本の放送業界って、なんでこんなに閉鎖的なんでしょう。インターネットが普及する前から、アメリカや中国、韓国は、海外でも自国民がニュースやエンタメを楽しめるよう、母国語の番組をガンガン流している。それに対して日本からは、NHKも民放各社も徹底的な出し惜しみ。

別にサービスのタダ乗りさせろって言うんじゃないんですよ。お金払っても、ケーブルテレビはおろかネット経由でも頑なに海外での配信拒否。かろうじて日本語版のNHKは、フィリピンの一部ケーブルネットワークで受信できるんですが、私の住むネグロス島のシライ市は、いまだにカバーされていません。ちなみにNHKオンデマンドは、VPN使っても、アプリでの位置情報が必須の仕様なので視聴不可。

ということで今更ながら、海外でVPNがあるといろいろ楽しいですよって話をするつもりが、最後は日本への愚痴になってしまいました。



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