何かと槍玉に上げられる味の素。私が子供の頃、つまり60年ぐらい前には、もう普通に日本の食卓に普及していて、私の父など、卵かけご飯にも味付け海苔をひたす醤油にさえ一振り。その影響で、私もいろんな料理に使ってます。
その後、AGF(味の素ゼネラルフーズ)の企業努力の結果、日本だけでなく世界中で味の素は広まって、ここフィリピンでもどんな田舎のスーパーや市場でも当たり前に売っているぐらい。日夜、ネグロス島で日本の家庭料理の味の再現に邁進する私としては、キッコーマンの醤油、キューピーマヨネーズと並んで、台所の必須アイテムとなっております。
それにしても、ここ最近のツイッターなどでの味の素に対する謂れ無き誹謗中傷は止まるところを知りません。マトモなサイトや医師、学者によって、味の素が健康被害を与えたという言説は、ことごとく否定されているし、少なくとも私の知る限り、味の素が原因で病気になったなんて事例は見たことも聞いたこともない。
昔から味の素を摂取し続けている60過ぎの私も、後期高齢者の両親も、とっても元気にしておりますよ。
ちなみにネット上でマトモかどうかを判断するのは簡単で、やたら断言口調だったり、煽り立てるような書き方はまず信頼できない。そして論拠となる調査や統計、論文がないものは、文字通りの論外。
商品名を使えないNHKの料理番組で「化学調味料」なんて紹介の仕方をされたり(現在は「うま味調味料」に変更)、見た目が白い粉末というのも、ずいぶんイメージとして損をしている側面はあるものの、成分自体は、グルタミン酸を始めとする自然の昆布に含まれる物質。砂糖や塩と同じく、よほどの過剰摂取(大量に水に溶かしてドンブリに何倍も飲むとか)でもしない限り、害はありません。
でも最近は、「何となく見た目が体に悪そう」という印象があると、それにつけ込んでYouTubeやいろんなSNSで、まことしやかな「味の素・悪玉論」を展開。なんでそんなことをするかと言うと、アクセス数がたくさんあれば儲かるから。おかげで、味の素を使った料理を紹介した料理研究家が、ひどい誹謗中傷を受けたりする。果ては「悪魔崇拝者」とまで呼ばれて、なんで味の素使ったぐらいで、そこまで言われんねん。
まぁ個人として「何となく嫌いで、私は口にしません」なら理解できるし、それは各自の自由。かと言って、他人さんにそれを押し付けるのは、明らかにやり過ぎ。ただ味の素を目の敵にする人って、それだけでは収まらない怖さを感じます。
というのは、以前から味の素が健康に悪いと決めつけてた人物が、今回のコロナ禍でガッチガチの反ワクチン論者になったのを見てるから。どうも、味の素をどう扱うかと、陰謀論にハマりやすいかどうかって、相関性があるんじゃないかとい気がします。単なる見た目からの感覚を、それらしく説明されると、どんなに胡散臭い情報元でも飛びついちゃうんという点では似ているかも。
特定の食材についてのことなら兎も角、それなりに影響力のある政治家や医師免許を持っている人が「対コロナ・ウィルスのmRNAワクチンが免疫力を弱める」なんて妄言を広めるから、本来ならワクチン接種して無事に生き延びるはずの人が亡くなったり、死なないまでも長くツラい後遺症に悩まされたり。そういう悲劇が実際に起こってますからね。これは日本だけでなく、フィリピンでもコロナ禍は陰謀で、実在しないと頑なに信じてる人が、一定の割合で存在します。実に困ったことです。
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