2018年1月18日木曜日

不便を放置する国

人口約12万7千人で面積が214.8平方キロもある、西ネグロス州の中核都市シライ市。私が生れ育った尼崎市が50平方キロ足らずで、4倍以上のサイズ。それでも市内には、交通信号がたったの4箇所。その虎の子の信号が昨年から全部壊れて、黄色の点滅だけだったり、完全に消えっぱなしだったり。

信号がなくても渋滞が起こるわけでもなく、どっちかと言うと車の流れがスムーズになるぐらいなので、市民からの苦情もあまり聞こえてきません。これだけなら、ご愛嬌で済むのですが、フィリピンでは、明らかに人々の迷惑になっているような事柄でも放置されているケースが多い。

例えば、隣街の州都バコロド市の道路の冠水。大型ショッピングモールのロビンソンズの前の大通り付近が、ちょっと強い雨が降ると膝下ぐらいまで水浸し。運悪く車で出かけた時に遭遇してしまうと、その日はシライに戻れず、バコロド市内の親戚の家に泊めてもうらうことになったり。もう何年(何十年?)も前から同じ状況。こんなの土管でも埋めて水捌けを良くすれば、すぐにでも解決するのに。(と思ったていたら、工事が始まったらしい)


マニラでは、悪名高いニノイ・アキノ国際空港(NAIA)。新しいターミナルビルが2つも出来て合計4つもビルがあっても、どういうわけかターミナル間は、一度空港外にでないと移動不可。別にモノレールを作れとは言わないけれど、なぜこんな不便を放っておくんでしょう。マニラ暮らしの長い日本人なら、もっともらしい理由を訳知り顔で教えてくれるんでしょうね。できない理由なんか聞いても、何の役にも立ちませんが。

同じく空港絡みでは、昨年(2017年)初め頃、空港職員が大量に退職した問題も1年経っても解決は遅々として進まず。お陰で出入国審査は、タイミングが悪いと何時間も待たされるハメに。最近ようやく新規雇用が始まったとの報道がありました。職を探している人はいくらでもいるのに、なぜ解決に1年もかかるのか理解に苦しむ。

他にもマニラの鉄道メトロレール(MRT)とライトレール(LRT)の乗り換え。共通の駅がなく、乗り換えには炎天下でも大雨でも外へ出て歩かなくてはならない。何年も前から問題が指摘され続け、やっと半年ほど前に、共通駅の建設に向け関係者の合意ができたところ。

過去10年ほどの好景気で、ショッピングモールやコンドミニアムは建設ラッシュでも、肝心な場所にメスが入らない。東南アジアの病人と呼ばれた頃の経済状況に比べると、税収も上がっているはずだし、お金がないという言い訳はもう成り立たないでしょう。既成権力とのしがらみがない、ドゥテルテ氏の大統領就任以降、一部で改善への動きが始まったように感じるのが、唯一の救い。

この状況に慣れてしまうと、ヨドバシカメラと大阪駅ビルをつなぐ連絡橋ができた、なんて話に感動してしまいます。日本にはない良さがいっぱいのフィリピンですが、こういうところだけは、日本を見習ってほしい。


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