2019年6月20日木曜日

定期預金解約で3時間


日本にいる頃から、フィリピンへの送金でお世話になっている、この国の銀行最大手の一つ、通称メトロバンクことメトロポリタン銀行。今住んでいる宅地購入時も、大阪の同行支店から義母の口座に数百万円を入金。

以前にも当ブログに投稿したように、この銀行には、私が30年近くに渡って貯めたお金に加えて、早期退職で得た虎の子の退職金を、ほぼ全額預けております。移住直前、数千万円単位で家内の口座に送金した時、田舎街のシライ唯一のメトロバンク行員に、格好のゴシップネタを提供してしまったらしい。

ちなみにフィリピン全体を見ても、国民の貯蓄率、というより銀行口座所有率は決して高くありません。ここ最近の好景気で、その比率が上がったと言っても、やっと3割程度。(フィリピン、貯めない国に貯蓄の芽)この数字はマニラやセブの大都市も含めた数字なので、ここネグロス島では、せぜい10パーセント前後ぐらいしょう。

ならば、フィリピン経済を支えている、海外出稼ぎ労働者からの送金はどうしているか不思議に思われるかも知れませんが、口座がなくても、携帯電話と公的機関発行の写真付きIDがあれば、受け取りが可能。どんな片田舎にでもあるPawnshop(質屋)は、本来の質屋ではなく送金業務がメイン。

そんな背景なので、シライで1千万円以上の預金残高を持っていたりすると、銀行では「上得意」扱い。支店長はもちろん、一般の行員さんから、ショットガンを持った警備員のおじさんにまで、顔と名前を覚えられる始末。特に日本人だと尚更です。

銀行で有名人になっても、何も嬉しくありません。顔が売れてしまうと、街中でヘタなことができない。どこかの飲食店でサービスが悪いと怒鳴ったり、誰かと口論にでもなったら、あっと言う間に「金持ちで怒りっぽい日本人」の噂が拡散。場合によっては、営利誘拐のターゲットにされかねない。

前置きが長くなりましたが、本題は、このメトロバンクに定期で預けてある預金の一部を解約して、今建設中のゲストハウス用に、ATMで下ろせる普通口座に移動する件。

定期とは言え、何年とかいう期間ではなく、メトロバンクでは最長でも半年で満期。利率は2パーセントで、最近の日本のことを考えると全然悪くありません。

実は次回の満期が8月初旬なのですが、そろそろ資金が心細くなってきたので、2ヶ月前倒しの解約。それも税金対策で二つに分けたうちの一つ。その全額でもなく、半分はもう一度定期に戻すという内容。

当然ながら途中解約なので、利率が悪くなるのは仕方ないけれど、これだけに、なんと3時間もかかってしまいました。

とは言え、フィリピンのお役所でよくある、長蛇の列に延々と待たされて、という訳ではありません。冷房の効いた行内で、担当者デスク前の椅子で、仕事を午後から早引きして来た家内(共同名義なので、手続きには二人の署名が必須)と二人。その行員さんは、最近入ったばかりの新人らしく、ロングヘアーに大きなメガネの、「成人したアラレちゃん」みたいなお姉さん。

大口預金者相手に笑顔でキーボードを叩きながら、確かに作業をしているのは分かるけど、とにかくやたらいろんな書類が必要な様子。手を動かすスピードは決して遅くないし、日本人から見ても手際よくやってます。プリントアウトした書類を取りに行くのにハイヒールで小走りなんて、久しぶりに見る光景。それでもまったく手続きが終わらない。

厄介だったのは、1時間ぐらい経ってから「定期預金証明書」なるものが必要だと発覚したこと。もう口座開設は6年以上前だし、家内も私も、どこに置いたのか全然覚えていない。

ひょっとして、この銀行の貸金庫に入れたかも?と家内が思い出し、家に帰って金庫の鍵を取ってくることに。これでざっと30分は時間を無駄にしてしまった。

鍵を握りしめて再度メトロバンクのシライ支店。奥の小さな隠し部屋みたいな金庫室に、ドキドキしながら二人で入室。こういうのって日本では、一介のサラリーマンはまず経験できない。支店長代理(この人も女性)の鍵とダブルで解錠して、出てきた金属製の箱には、目的の証明書がありました。良かった〜。

そんなこんなで、やっとすべてが終わったのが、営業時間が少し過ぎた午後5時15分。フィリピンでは極めて珍しいことに、先ほどの支店長代理さんから「お待たせしてしまって、本当に申し訳ありません」との丁寧なお言葉。

腰が痛くなるぐらい座ってたし、しょっちゅうは遠慮したいけど、何がどうなっているのか分からないまま、無意味に待たされるのとは違って、経験値としては悪くなかったですよ。みんな愛想良いし、担当のお姉さんは可愛かったし。(笑)


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