2020年8月10日月曜日

週末メイドの顛末


先月(2020年7月)の初旬ぐらいから、土日だけ働いてくれるメイドさんを探し始めました。最初はフェイスブックで、私の住むネグロス島シライ市内限定の求人を出したり、知り合いに訊いてみたり。

いろいろやった挙句に、月〜金曜日に、もう2年以上我が家でメイドとして働いているライラ、その姪っ子を紹介してもらいました。その経緯は以前にこのブログで投稿した通り。

フェイスブックでメイドを求人
助っ人メイドは、子連れで出勤
急転直下の週末メイド

新しくやって来たのが、ちょっと太り過ぎながら、一通りの仕事はこなしてくれる、27歳のグレッチン。やっとこれで、週末に少し凝った料理をしても、準備や後片付けが楽になるわいと、ほっとしていたのも束の間。初日の土曜日だけ来て、翌日の日曜日はいきなり「熱が出た」とお休み。

足に怪我して、そこが化膿したらしい。破傷風とかのヤバい病気じゃないかと、かなり心配しました。

さて、それから一週間。次の土日までには回復したとライラが教えてくれたのに、またもや、待てど暮らせど一向に姿を見せないグレッチン。今度は子供の学校でミーティングがあるというのが、休みの理由。さらに日曜日も、誰かとの約束がありますって、何じゃそりゃ。

週明け、ライラに「どうなってんの?」と文句を言ったら、ライラも姪っ子に怒ったそうです。「働きたいと言うから、仕事を紹介したのに!」熱を出したのは本当でも、それ以降は、やる気がなくなって、適当な口実を作ってサボってたらしい。

う〜ん、ここ最近はネグロス島でも、コロナのお陰で失職する人が相次いでるし、新規で人を雇う話なんて、少ないはず。そんなにキツい仕事をやらしたわけでもなく、お昼ご飯も食べられる。逆の立場で考えたら、結構もったいないと思うんですけどね。

ただ、こういうケースは、フィリピンではよくある話。こっちでビジネスをして、地元の人を雇用した経験のある方なら、よくご存知のように、端から見てて何の不満のないはずなのに、ある朝プツっと来なくなる人って、多いんですよ。

特に真面目な日本人経営者の場合、「いずれは自分の右腕に」と、大事に育成していた部下が、何の挨拶もなく突然いなくなり、気がついたら商売敵のオフィスで働いてるとか。

こう書くと、モラルや民度が低いなんて言い出す日本人の声が聴こえてますが、私が思うに、優劣と言うより、職業観、人生観に根ざした、国民性の違いじゃないかと。

有史以来、一度も寒冷化を経験したことがないであろう、フィリピン土着の人々。年に2回も3回も米が収穫できるし、果物は豊富。食べ物を手に入れるための労力や時間が、それなりの苦労はあっても、日本に比べるたら、ずいぶんと少なくて済むのは間違いない。

その上、年中暑いから、ムキになってあくせくしようと思わなくなるでしょう。同じ状況なら、私だってそう感じます。概して温暖で、厳しい冬がない場所ほど、人生は楽しむものという、どっちかと言うと享楽的な人が多い。これはフィリピンに限ったことではありません。

さらに、硬直的な職業倫理が蔓延る日本とは違い、「滅私奉公」とか、「石の上にも三年」なんて言葉が意味を持たないフィリピン社会。仕事を辞めたり変えたりすること自体に、罪悪感を覚えないのが普通。

もちろん、さすがに資本主義の世の中にある現代のフィリピンでは、気分次第で、職を転々とするのは、良いことではないにしても、精神の土壌として、仕事に縛られてツラいのなら、辞めた方がマシという気分があると思います。

と、常々考えてはいるものの、実際にたった1日で仕事を辞められたら、正直がっかり。20人ぐらい応募して来た中から、結構手間をかけて選んだ一人ですからね。何だか、もう、どうでもよくなってしまいました。

ということで、週末の家事は、家族で分担する今までのやり方を、当分続けます。考えてみたら、平日であろうが土日であろうが、全部ワンオペの日本の主婦に比べたら、これでも十分に楽なものですから。


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