何がひどいって、水が錆びてるんですよ。それも何となく錆びの臭いがする...程度じゃなくて、ガラスの水差しに入れたらはっきるわかるぐらい、赤茶色く濁っている。飲料水は別途水タンクで購入しているので、生活に困ることはないにしても、歯磨きすると錆び味。
シャワールームのタイルや便器は、週に一回メイドさんがきれいにしてくれてますが、すぐに黄ばみが浮き出してくる。まるで掃除を怠って、排泄物を付着したままにしてるみたいで、見苦しいことこの上なし。
この際なので、フィリピン人の名誉のために言及しておきますと、多くの家庭で水回りが薄汚れて見えるのは、大抵は水錆びが原因だと思われます。まぁ中には、本当に掃除もせず黄色いまま放置、なんて人もいるでしょうけど、それはよほどの貧困世帯。
そして水道管の老朽化が、錆びの元凶でしょうね。
とにかく、保守点検の類いが至って苦手なフィリピンの人々。分かりやすいのが電気・電話の配線。よくここまで無秩序にできるなと感心するほど、どこを見てもスパゲティ状態。電線はまだ見えるからいいけれど、地下に埋もれた水道管など、一体どうなっていることやら。
ちょうどこの投稿を執筆している7月23日(2021年)、マニラ首都圏は長雨の影響で、あちこちの道路が冠水しているそうです。おそらくフィリピンのどの都市でも、下水道が満足にメンテナンスされてないから。
そんなことを、外国人居候の私が思い悩んでも仕方がない。水道管が変えられないのなら、その先を工夫するしかありません。ということで、考えたのがフィルターの設置。
最初は、蛇口に先に付ける簡易式のをいくつか買えばいいかと、近所のホームデポへ。やっぱり困ってるのはみんな同じで、100円ぐらいの安いのがありました。
ところが、それで問題解決できるほど甘くはないフィリピンの水道事情。蛇口の形が見事なまでにバラバラで、何とか取り付けられたのが、4つある蛇口の一つだけ。それも安物なだけあって、浄水効果はほとんどなし。
さればと、州都バコロドの大型店へ探しに行ったのが1ヶ月ほど前。
あるところにはあるんですよね。日本でも売ってたような、デカい茶筒みたいな円筒形のフィルター。そこそこ種類が多いということは、常備品、とまではいかなくても、使ってる家が多いんだろうと思われます。
ただ、すべての蛇口毎に取り付けないといけないので、これは面倒過ぎる。しかも数千ペソ。(数千円から1万円)いろいろ見て回って最後に見つけたのが、家一軒分の水道水をまとめて浄化する、高さが30センチぐらいの大きいフィルター。飲めるほどの浄化レベルではないからか、本体が約800ペソで、月一回程度交換のフィルターが100ペソ。
ということで先日、家内と連れ立って購入しました。ありがたいことに、別の配管工に頼まなくても、売り場のセールスマンが設置もしてくれるとのこと。へぇ、大手ホームデポのセールスなんて、全然信頼できなくて大したことない人ばかりと思ってたので、実に意外な展開。
二日後に来てくれたこの兄ちゃん、名前はフリオ君。「商品を売るには、設置の知識も必要ですから」と、至極真っ当な発言。メーカーで配管の訓練を受けたんだそうです。フリオ君の偉いところは、言うだけでなく、仕事もキチンとしていたこと。
フィルター取り付けに加えて、加圧用に設置した水タンクの水抜きも実施。作業完了後、ずっと気になってた錆臭さはほとんどなくなり、水の透明度もぐんと上がりました。(代わりに少し薬臭いのは、フィルターのせい?)
タンクから抜いた水 これで毎日、歯磨きしてたのか |
ということで、蛇口を捻るときれいな水が出るという、日本なら当たり前のクオリティ・オブ・ライフを実現するのに、結構な手間を要したというお話でした。ところで母家の方は、竣工以来水質トラブルがないのは、なぜなんでしょうね?
0 件のコメント:
コメントを投稿