2022年3月1日火曜日

長期独裁政権の恐ろしさ


出典:KAISSA OIL
 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから5日経ちました。まだ5日だったんですね。日本同様、フィリピンにも直接の影響はなく、日々の生活は変わることなく続いてるんですが、何も手につかず、ネットの記事やユーチューブで配信されるニュースをダラダラと見続けております。

もちろん、食事の支度したり、ルーティンになってる筋トレはやっているものの、集中して頭を使う、このブログ執筆やイラスト描画はどうにも身が入らず、またもや放置になっておりました。

さて直接の影響はないと言っても、仕事を求めてウクライナに渡ったフィリピン人(OFW フィリピン人海外労働者)が300名余り、現地の家族と共にウクライナに住む日本人も100名以上おられるとのこと。国際結婚して家内の国にいる私としては、本当に身につまされます。引くも残るも、たいへんな状況。

ましてや、当事国同士であるウクライナとロシアのカップルなんて、心を引き裂か裂かれる思いでしょうね。

それにしても、いまだに信じられないのが独裁者プーチンの言動。BBCの記事によると、2014年「まさかクリミアを併合するなんて。そんなことするわけがない」。そう思ったが、併合した。同年「まさかドンバス(ウクライナ東部)で戦争を始めるなんて。そんなことするわけがない」。始めた。2022年「ウクライナの全面侵攻なんてするわけがない」。侵攻した。

そして今度は、欧米や日本などの経済制裁や武器支援に対して、核兵器による脅しをかけています。もう勘弁してくれよ。それやっちゃったら、本当に第三次世界大戦だよ。案の定アメリカの情報筋では、プーチンの精神に何か重大な疾患でも生じたか?との観測も。

プーチンの頭がイカれたかどうかはともかく、ここ数日は、長期の独裁政権が、その国や周辺にどれだけの脅威になるか、改めて思い知っております。

その点フィリピンは、1965年からの約20年間、マルコス独裁で痛い目を見て以来、大統領は1期6年に限られてるし、私利私欲に走ったら民衆の力で政権を倒す(2000年エストラダ失脚)という経験値も積んでます。いろいろ問題山積のフィリピン政治ですが、この点だけは世界に誇ってもいいぐらい。

考えてみれば、フランス革命による民主政治成立以前は別にして、大抵の悲惨な戦争・紛争、弾圧、虐殺などの影には、独裁者が付き物。

ヒトラー、スターリン、毛沢東などは100万から1,000万人の単位で人口を減らしたし、小者とは言え自国民に惨禍をもたらした、ルーマニアのチャウシェスク、セルビアのミロシェビッチ。今もプーチンの愚行に加担している、ベラルーシのルカシェンコ。アジアでは、シリアのアサド、悪名高いカンボジア大虐殺を行ったポルポト。クウェートに侵攻して湾岸戦争を引き起こしたイラクのサダム・フセイン。そして3代に渡って北朝鮮を支配する金日成、正日、正恩。

不勉強でよく知りませんが、アフリカの一部でも独裁が蔓延して、クーデターのドミノ現象が起こっているそうです。

いわゆる「開発独裁」が上手く機能して国が豊かになったのは、私の知る限り、シンガポールのリー・クワンユーと、マレーシアのマハティールぐらいじゃないでしょうか?

任期の上限なしに、同じ人が政権のトップに居続けるのは、リーダー本人がよほど能力的、人格的に優れた人じゃないかぎり、と言うかほとんど超人レベルじゃないと、10年以上もすればどうしたって腐敗してくるものらしい。

そもそも野党勢力がないと誰も批判できないし、周囲がイエスマンばかりになる。そりゃ最初は民主的な手続きで選ばれて、いくら理想に燃える人物だったとしても、歪んできますよ。

そして多くの人が恐れているのが、日本とフィリピンの隣国のリーダー、習近平。彼が中国共産党総書記になった2012年から今年(2022年)で、もう10年。2018年に、2期10年が上限とされる国家主席の任期を撤廃してしまったのは、かなり危ない状況。

ウイグルや香港で起こった出来事を見ていると、今回のウクライナ侵攻がプーチンにとって都合の良い結果に終われば、習近平も同じことをやり出すかもと想像するのは無理もない話。

ということで、コロナ禍に続いて核戦争の危機と、まるで小松左京さんのSF小説「復活の日」を地で行く展開となり、心安らかならざる日々が続いております。どうかウクライナに1日も早く平和が戻りますように。



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