世界中の地図事情に精通するほど、あちこちに住んでわけでもなく、日本とフィリピン以外で最低でも合計1ヶ月以上滞在したのは、アメリカとマレーシアぐらい。中国も仕事でそこそこ行きましたが、全日程で運転手付きの社用車という、今では想像できないような重役待遇で、自分で移動したりすることがほぼなし。今思えば、中国でのビジネスが一番儲かっていた時期だからでしょう。
そう考えると、せいぜい4カ国だけの経験ながら、地図を読むのも描くのも、日本人が一番慣れてるんじゃないかと思います。考えてみれば、駅前の小さな書店でも、世界地図からロードマップに至るまで、かなりの品揃え。最近はスマホで地図見る方が便利だから、多少は減ったんでしょうか?
出先で誰かに道を尋ねたら、手持ちのメモ用紙さえあれば、簡単な地図を描いて説明する人も多い。ところがアメリカの場合、大抵が口頭だけで教えてくれる。「ここから〇〇ブロックまっすぐ歩いて、その右を曲がり、△△の橋を渡って...」という感じ。時には説明が長すぎて、最初の方を覚えられなかったり。親切なのは大いに有難いんですけどね。
ニューヨークのマンハッタン島内のように、街並みが碁盤の目だったら、それで何とかなっても、車移動が必須のロサンゼルスでは距離感が分からず、教えてもらってからがドツボにハマる、なんて事も。
それに比べると、ここフィリピン・ネグロス島では、家具や大物の家電を購入した際、配達場所の住所だけでなく、地図を描いてくれと言われる。なぜか呼び名が「マップ」ではなく「スケッチ」ですが、多少は地図を使う習慣があるようです。
自宅建設中だった頃には、あちこちの建材屋さんで同じ事訊かれて、面倒になってパソコンで地図描いて、たくさんプリントアウトしたりもしてました。
ところが同じネグロスでも、頑ななまでに地図を使わないのが、セネコ(CENECO)ことネグロス中央電力。実はこの投稿を書いている今日、日曜日もあった計画停電。短くて1〜2時間、長い時には6〜12時間も電気を停めてくれるので、いつどこで停電があるかは、重要な情報。
ここ最近は、フェイスブックのホームページに、数日前には計画停電のお知らせが掲示。ところが、どういうわけか、絶対に地図で示すことはせず、ひたすら地名やバランガイ(フィリピンの最小行政単位)名のみを羅列。それも何十個も並べるもんだから、自宅や勤め先があるかどうか探すのに一苦労。
老眼には厳しいセネコの掲示 |
我が家があるのは第5バランガイで、一通り見ても無さそう。でも、近隣の地名がだいたいあって、おかしいなと思って見直したら、最後の方に「その他シライの主要部分」って...そういうことは最初に書けよ。
こんなの、バランガイ区分図に色分けして図示したら、一発で分かるのにと思うのは、私が日本人だからでしょうか? 確かに、州都バコロドの大手ショッピングモール内に数軒しかない書店には、一枚物の大雑把なのを除くと、フィリピン国内を網羅した詳細地図って置いてるのを見た覚えがないし、ましてやネグロス島内やシライ市内となると、そもそも存在するのかどうかさえ疑問。
つまり、仮にセネコが地図で説明しても、自分の住んでる場所が地図上のどこか、イマイチ分かってない人の方が多いのかも? 気になって、高校生の息子に訊いてみると、地元の地図をベースに郷土の地理や歴史を学ぶこと自体、やってないらしい。
ちなみに私のいた兵庫県尼崎市の場合、約半世紀も前ながら、わざわざ小学校がバス仕立てて、社会見学と称した市内観光やりましたよ。市庁舎から始まって、ジェーン台風(昭和27年 / 1952年)の高潮被害後にできた尼崎港の防潮堤とか、北部にある弥生時代の田能遺跡とか。
ということで、日本の学校教育には、根本的な部分で否定的な私ですが、読み書き算盤(現代では暗算力)以外でも、基礎学習が社会全体の効率化に役立つもんだなぁと、感心しております。
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