出典:Pig Progress |
日常会話ではまず使わない「猖獗(しょうけつ)」なんて熟語を引っ張り出しましたが、私的には、疫病が流行ると、この文字が頭のスクリーンに浮かんでしまいます。この3年余り、人間の世界では、まさに新型コロナが猖獗を極めて、大変なことになり、今もコロナ禍は完全収束とは言えません。そしてほぼ同時期、フィリピンに蔓延しているのがアフリカ豚熱(African swine fever / ASF )。
中国やインド、東南アジアで大流行中のASFの影響で、大量の豚が殺処分となり、フィリピンでも豚肉価格が上昇。「肉」と言えばポークのフィリピン。人間への感染はなく、感染した豚の肉を食べても大丈夫とは言え、インフレで食材が高くなっているところへのASFは、まさに泣きっ面に蜂状態。
以前は「豚コレラ」なんて名称だったASF。人間のコレラが細菌感染なのに対して、ASFはウィルスが原因で全然無関係だったのに、たまたま最初に確認された時、コレラも流行っていたので混同されたんだとか。さらにややこしいのが、日本でも発生が報告されている豚熱は、また別の病気。幸い日本は、今のところASFの清浄国です。
さて、ここネグロスはと言うと、意外にもAFSに関しては無風状態。感染マップを見てみると、セブ、パナイ、ネグロスなどの中央〜西ビサヤは、流行を免れています。スーパーでは、ハムやベーコンなどの豚肉加工品が、まったく流通しなくなったのとは対照的に、地元の豚肉は以前と変わらず。なので、日常の家庭料理にはほとんど影響は出てません。
それでも、朝食にはハムやベーコンが食べたいので、この半年ぐらいは、チキン・ハムにビーフ・ベーコン。不味くはないので、我慢してる感覚はありませんが、やっぱりポークのハムやベーコンが恋しい。
ちなみにネグロスでは、普段からあまり良い牛肉がなく、我が家のカレーもハンバーグも全部ポーク。もし豚肉が買えなくなったら、かなり痛い。代替品の鶏肉も、値上がりするのは見えています。
今回のポークについては、因果関係がはっきりしているのでまだマシなんですが、昨年大騒ぎになった玉ねぎ不足。結局何が原因だったのか分からないまま。一応、ローカルマーケットで普通に玉ねぎは買えるようになったものの、今だに白玉ねぎはやや品薄。
それだけでなく、フィリピンでの食材って、イマイチ供給が不安定なんですよね。おそらく地方のネグロスだからって言うのも大きいんでしょうけど、よく欠品になるのが、毎朝、息子が飲んでるヤクルトと私のトマトジュース。中華料理に欠かせない胡麻油に豆板醤。餃子の皮とちょっと大きめの春巻きの皮。最近ではセーブモア(SM系列のスーパー)から、缶入りのドッグフードが消えてます。
ここまでは、一般のフィリピン人の食生活に欠かせない...わけでもないけれど、驚くことに、フィリピン人のソウルフードのスパゲティ用のトマトソースが、たまに無いことがあるんですよ。急にホームパーティやることになって、慌ててスーパーに走ったら、甘い甘い「フィリピノ・テースト」しか残ってなかったりすると、日本人としては暴れたくなります。
ということで、前回の代替食材で春巻き作った話にも通じるんですが、フィリピン暮らしで、こと食事に関しては「⚪︎⚪︎じゃないとダメ」みたいな拘りを持つと、なかなか苦しくなります。豚肉がダメなら鶏肉が、それもダメなら魚があるさ、ぐらいの柔軟性が必要ですね。もっともこれは、フィリピンに限ったことでもないですけど。
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