2023年8月30日水曜日

フィリピンで生活費 月40万円?

 少し前のことなんですが、ツイッターで目にした、フィリピン在住邦人の方によると思われる「1ヶ月の生活費が40万円になってしまった」という投稿。マニラやセブなどの物価高騰が著しい大都会ではなく、私の住むネグロス島と同じく地方都市。さすがにこれは驚きました。

ちなみに私たち家族、お役所勤めの家内と私立高校生の息子、一応専業主夫で収入のない私の3人での生活費がだいたい月10〜15万円ぐらい。移住後1年目にざっと1,000万円近くの投資で家を新築し、自家用車を購入したので、月々の家賃は不要。もちろん学費や宅地の共益費、税金などなどは含まれています。

私が酒には無縁、かつほとんど引き籠りに近い出不精なせいもあって、3人揃っての外食は月に1度あるかどうか。南国なので着る物といえばTシャツに短パン、サンダル。唯一、自炊の食材は、味噌や味醂の調味料、インスタントラーメンにキューピー・マヨネーズを欠かさないので、そこだけはかなり贅沢してるぐらい。

引き籠りと表現しましたが、病的なそれではなく、600平米のロットに、日本の一般的な感覚からすれば「豪邸」レベルに広い家。これは、そんな家に住むことが昔からの夢だったし、現役時代の私の稼ぎでは絶対に実現不可能。なのでフィリピンに移り住んだわけですから、そこは大目に見ていただきたい。自宅の居心地をよくすれば、そうやたらと出歩かなくても、QOL(生活の質)は十分保てるとの目論見が当たりました。

もちろん、良い生活を安く上げてるからスゴいと、マウントを取るつもりはまったくなくて、大都会と比べたら仕事はないし刺激も乏しいネグロス島。私のライフスタイルと定年退職という状況があってのQOL。20〜30代の働き盛りで好奇心旺盛な人々にすれば、ほんの1ヶ月もネグロスに住めばすれば退屈してしまうかも知れません。

そしてつくづく思うのが、この10年ほどの間に、短期・長期あるいは永住を問わず、フィリピンに住む日本人のバラエティの幅が大きくなったこと。ちょっと前まで、企業の駐在か、フィリピーナを追っかけて日本から脱出した中高年男性がほとんどだったのが、今では年齢も性別も実にさまざま。親子留学もあるので、若者どころか幼児や小学生までと実に多彩。

フィリピンに来てから、水商売とは無関係にパートナーを見つけ、結婚・出産してママやパパになる人もいるし、本格的に起業してたくさんの現地従業員を雇いバリバリに仕事してる人もいる。もちろん男性も女性も。こういう情報をSNSやユーチューブで発信するのが当たり前なのも、私がフィリピンに初渡航した四半世紀前からすれば隔世の感。

なんてことを勘案すれば、良い悪いではなく、収入がたくさんあって、たとえ地方在住でも一月に何十万円も使う(使わざるを得ない)暮らしの人も出てくるでしょう。その反面、敢えて離島や僻地に根付いて、金銭面だけで見れば実に質素な暮らしの方々もいる。中には計らずも財産を失って「困窮邦人」化してしまう人も。

ということで、月々の生活費の多寡で、勝ち組・負け組のレッテル貼りをする必要もなく、この国で自由に自己実現をする日本人が増えたのは、フィリピン在住邦人の一人としては、ある意味、良い時代になったなぁと感無量です。



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