前回に引き続き、ミンダナオ島滞在について。今回は、いよいよ現地で調理です。
ダバオで日本のマヨネーズやとんかつソースを買い込んで、市内のジョリビー(フィリピンでNo.1のファストフードチェーン)でお昼。お腹いっぱいになって、いざ目的地ミンダナオ子供図書館(MCL)キダパワンへ。
実は、ダバオから車で3時間って、狭くて曲がりくねってアップダウンの激しい、山道みたいな道路を想像してたんですよ。ところが案に相違して、片側2車線から4車線もある、まるで日本の高速道路。もちろん信号や交差点もあるので、自動車専用道ではないものの、ほぼ全行程ゆるやかな傾斜があるぐらいの、快適なドライブでした。ただ一箇所だけ「内戦」の片鱗を垣間見たのは、中間辺りのチェックポイント。そこにはフィリピン軍のものと思しき、濃緑色に塗装された装甲車が一台停まってました。
そしてキダパワン市内。これまた、どこか治安が悪いんや?というような、ごく普通のフィリピンの地方都市。相変わらず道は広くて汚い感じが微塵もない。野菜やお肉を買うために立ち寄ったローカルの公設市場など実に広々としていて、ざっと見た感じ、私の住むシライの市場の2倍はありそうで、並んでいる食材も豊富。やや内陸に位置するキダパワンでも、毎日新鮮な海産物が届けられているとのこと。さらに、イスラムでは御法度の豚肉も当たり前に売られてます。やっぱりここでも、マジョリティはカトリックなんですねぇ。
この市場で、鶏一羽丸ごとをナタで細かく切ってもらい、さらに獲れたてのエビを2キロ購入。その他諸々の野菜を買って、MCLに着いたのは夕方の4時頃でしたでしょうか? 事前に写真で見ていたの同じく、MCLは緑に覆われた敷地にゆったりと何棟かの建物がありました。この写真のイメージで、よほどの田舎かと思い込んでいたんですが、実際には隣が住宅地。聞くところによると、キダパワン市内に最後に残ったイスラム教徒のマノボ族の土地を、譲り受けたものなんだそうです。
出典:ミンダナオ子供図書館日記 |
さて、到着早々荷解きもそこそこに、たくさんの食材を両手に抱えて、早速MCLの調理場へ。待っていたのは、スタッフの寮母さんと、その日の料理当番の子供たち。8畳から10畳はある離れのような建物で、広くて明るくて想像してたよりずっと清潔。ただし煮炊きはガスではなく、薪をくべるスタイルのカマドが4つ。外では中学生ぐらいの女の子が斧を振るって、今日使う薪を慣れた手つきで割っています。
薪で火を起こすのは、子供の時、キャンプで飯盒を使った時以来。さすがにこれは子供たちに任せて、その日の献立クリームシチューに取り掛かった次第。
料理当番の子供たち |
包丁とまな板、鍋の類は普通に揃ってるし、大きなヤカンに入った食用油、塩コショウに味の素もあるので、私はひたすら野菜を刻んで、大鍋に放り込んで煮るだけ。味付けもダバオで買った10缶のポタージュスープと卵を入れて完了で、初日は楽勝でした。ちょっと引いてしまったのは、食器代わりにプラスチックの洗面器使ってたこと。もちろん食事専用なんだろうとは思いますけどね...。
ずいぶんたくさん作ったつもりのシチューも、40人の子供に分けるとなると、一人分の量は知れたもの。おかずはそれだけではなく、元々用意してあった献立もあるので大丈夫なんですが、美味しい美味しいと秒殺で完食いただいて、とりあえずホッとしました。ちなみに子供たちが薪で炊いたご飯も美味しかったです。みんな「お焦げ」という日本語を知ってて、それが大好物。
初日の感触では、夕食だけでなく朝やお昼も行けそうだったので、翌日もう一度、市場への買い出しに同行して追加の食材を買うことにしました。この日は、別の寮母さんのジョイおばさんが買い出し担当。昨日の市場だけかと思ったら、少しでも安く上げるためにと、野菜はここ、鶏肉はここ、調味料は...という具合に、市内を転々と回りました。なんだか涙ぐましい努力。このジョイさんは、元MCLの奨学生。卒業を待たずにギブアップしたけれど、結婚・出産の後MCLに戻って、今の仕事をしているそうです。彼女もイスラム教徒で、外出時には髪をショールで隠してました。
買い出しから戻ると、短い休憩を挟んですぐに昼食作り。それ以降、私が作ったのは、チキンアドボ(鶏肉の酢醤油煮込み・フィリピンの定番家庭料理)、ルンピア(フィリピン式春巻き)、翌朝のたまごサンドイッチ、カロカロ(炒飯)、お好み焼きに、スパゲティ・ナポリタン。
おかげ様で、どれも喜んで食べてくれて、たくさん残されたどうしようという心配は、杞憂に終わりました。むしろ、もっと量を作ってあげた方が良かったかなと後悔するぐらい。中でも春巻きとお好み焼きは、子供たちだけでなくスタッフにも大好評。ということで、その詳細は、次回に続きます。
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