2025年5月25日日曜日

AIで書いた苦情申し立て

 前回からの続きで、向かいの家との騒音紛争に、ようやくケリが着いたお話です。

4ヶ月続いた向かいの家のリノベ工事も、5月の半ばにやっと終わったようで、久しぶりに窓を開けて涼しい風を室内に送り込めるようになりました。...と思ったら、今度は、まるで狙ったように、我が家に一番の至近距離の角で、雄鶏を飼い始める始末。こいつが、朝の4時とか5時に鳴き始めて、私を叩き起こしてくれます。こうなると、もう年齢的に二度寝ができず、昼寝をしようにも、明るいうちは15分から30分間隔で時を告げるので、寝付くことができない。

さらに追い討ちをかけるように、まだ若干の仕上げの残り作業があるらしく、時々数人の大工がやってきて、またもや大音量音楽。ある日の午後、ついにブチキレて直接大工に「止めてくれ」と言ったら(一応英語で「プリーズ」はつけました)「文句があるなら警察を呼べ」と逆ギレ。

ここまでの4ヶ月、苦情を入れるにしても、一般的なフィリピン人の騒音に対する感覚の違いを理解した上で、私なりに紳士的に対応してきたつもりでした。ただ、ここに家を建てたのは、静かな暮らしが売りの宅地だったし、ちゃんとルールもあります。残念ながら、ここまで敵意・悪意を剥き出しにされたら、しかるべき筋に訴え出るしかありません。

ということで誠に遺憾ながら、バランガイ訴訟に踏み切る前の最後の手段で、クラブハウスのマネージャーからのアドバイスに従って、英文書簡による苦情申し立てをすることにしました。ほんと、やりたくなかったんですけどね。

さて、仕方なく書くことになったとは言え、どうせやるなら当てつけのように格調高い英語でビビらせてやろうと、まず日本語でそれなりの文章を自作。それを今流行りのAI(無料)に「丁寧な英語で」と但し書きを入れて翻訳してもらいました。瞬時にそれらしい英文が出てきたので、AIさんお礼を言って、今度はそれを、ほぼ英語ネイティブの息子に校正を依頼。進学先の大学が決まって、この7月1日まで余裕かまして夏休み中だし、もともと英語は得意中の得意なので、AI並みに直しの入った文章が完成。ここまで2時間もかかってません。

ちなみにこの文章を、私のイロンゴ語の家庭教師のエイプリルに見せたら、きれいな英語に驚いてました。

それを3通印刷して署名し封筒に入れて、一通は翌朝家内に頼んで向かいの家の住人へ、もう一通はクラブハウスのマネージャーへ、最後の一通はそのマネージャーに頼んで、マニラに住む宅地のオーナーに宅配便での送付をお願いしました。

結局そこまでしなくても、向かいの住人(オーナーの息子)が、手紙を受け取ったその場で、びっくりして家内に謝罪。前日、私に悪態をついたのは、貧乏大工かと思ったらその住人の従兄弟だったそうです。要するに、工事中の昼間は住人が不在で、事情を知らない従兄弟が一人で作業してたとのこと。当然、宅地のルールなんて知らないだろうし。

さらに、翌日から雄鶏の鳴き声もピタリ。どっかへ売ったのか、シメておかずにしちゃったのか。その鶏を直接飼育していた庭師だか使用人だかのおじさんも、それから姿を見なくなりましたね。夜間は明かりがついているので、住人はいるんでしょうけど、昼間はまるで廃屋のような静けさ。

ということで、結果オーライのめでたしめでたしだったんですが、改めて思ったのは、この国で静かに暮らすって、単に場所にお金をかけるだけでなく、場合によってはそれ相応の努力が必要なのだということ。聞くところによると、この宅地に500軒もある家のオーナーの名義って、ほとんどがOFW(フィリピン海外労働者)なんだそうです。

つまり、昔ながらの富裕層や外国人が住むようなビレッジと違い、成金の小金持ちが住民の大部分。まぁ私も似たようなものなので、偉そうには言えませんが、何代も高級住宅地に住み、マナーやルールを身につけた住民は、まずいないってこと。

もうひとつ後日談めいた話をすると、最近、私が始めたオンライン日本語教師。現在3人の生徒さんがいるんですが、どの家も、背後で犬が吠えたり鶏が鳴いたり。果ては隣家の子供の泣き声で、時々生徒さんが何を言ってるか聴き取りにくかったり。

やっぱりフィリピンの一般庶民の感覚では、音楽がうるさいと苦情を言う日本人の方が、常識外れで厄介な存在なんでしょうかね?(溜息)



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