フィリピンの総選挙や私の日本語教師デビュー、そして向かいの家の騒音で揉めた5月も、あっという間に残り数日。私の引退生活では珍しく、かなりの多忙感がある1ヶ月でしたが、最後はちょっとハッピーな話題を。
2021年の12月からなので、かれこれ3年半も私のイロンゴ語の家庭教師をしてくれているバンビ。現役の高校教師で、家庭の事情や病気などで教育機会を逸してしまった生徒さんへの、出張授業を専門とするALS(Alternative Learning System)の専任者。加えてギターやピアノが弾けるので、所属するプロテスタント教会では、讃美歌の伴奏したり行事のスタッフになったり。その忙しい合間を縫って、週一回、私の家で2時間のイロンゴ・レッスンをお願いしてます。
そんな彼女も不惑を過ぎて、体調にいろいろ問題が出てくる年頃。生理不順で、時々とてもしんどそうにしてましたが、昨年末、勤務先の教育省シライ分室にて、大量の不正出血。救急車で病院に搬送されるほどで、そのまま数日間の入院となってしまいました。クリスマスには、バンビの生徒さんと一緒にクリスマス・キャロルを歌おうという計画もすべてキャンセル。ようやく職場に復帰して、私に家に来てくれたのは、その数週間後でした。
バンビの不運はこれだけではありません。数年来シライ市内で同棲していた彼氏との関係が破綻。聞くところによると、この男性は既婚者でマニラに妻子がいるんだとか。バンビは辛抱強く、彼が結論が出すのを待っていたんですが、優柔不断な態度を続ける彼に嫌気がさして、とうとうお別れになったそうです。
それだけでなく、職場でもいろいろ問題が発生。仕事の内容にはいつも真面目に取り組むんですが、どうも時間や予定のマネージメントが不得手。イロンゴ・レッスンもよく遅刻したり、直前になって別の日に変更になったり。まぁバンビに限らず、フィリピンあるあるとは言え、おそらく体調不良とも重なって遅刻が続いたんでしょうね。上司との関係がかなりこじれちゃったらしい。
なぜそんなことまで分かるかというと、バンビは教育省で働く家内の職場の同僚。家内とは昔からの知り合いで、いろいろ相談もされる仲。つまりその縁で、家庭教師になってもらったわけです。
こういうことが同じ時期にどっと押し寄せてきたので、私も家内も気の毒に思い、バンビのレッスンの後、昼ごはんや夕食を一緒に食べたり。「この後、ご飯食べる?」と聞くと、たいていすごく嬉しそうに「ありがと〜」と返ってきます。こういうところが、8人兄弟姉妹の末っ子らしく可愛げがあるんですよね。上司とは上手くいかなくても、生徒さんには人気があるわけです。
さて、そんな災難続きのバンビ先生。ここ数ヶ月ほどは、週末、子供にギターを教えることになったとかで、ずっとバックアップ要員の姪っ子、エイプリルが私の家庭教師。エイプリルも気立てが良くてインテリ、しかも美人なので、私にとっては悪いことではないものの、やっぱりちょっと寂しい。
昨年(2024年)の誕生日に贈った バンビの似顔絵イラスト |
ところが週末に忙しいのは、ギターを教えることだけが理由じゃなかった。バンビの姉で、我が家のメイド、グレイスおばさんによると、何とバンビに新しい彼氏ができたんですよ。しかも、そのお相手は、ずっとバンビを心配していた牧師さんによる紹介。ということは、同じ教会所属で同じ信仰を持つチャーチメイト。
まだ会ったことはないですが、バンビと同世代の40代で、子供はいるけど未婚のシングル・ファーザー。ただし飲料水店の経営するまじめな自営業者で、大金持ちとまでは行かなくても、収入は安定しているようです。なるほど、どおりで最近になって急に、自宅のフェンスの修理をしたり、エアコンを購入しようなんて話が出てきたわけだ。以前は、すいぶん前に亡くなった父親の借金返済や、前の前の彼氏に買ってあげたバイクのローンやらで、いつも金欠病だったんですよ。
さらにめでたいことに、近々結婚まで考えてるとのこと。裕福な結婚相手を見つけたからといって「人生の大逆転」なんてタイトルをつけたら、まるで金目当てみたいで失礼ですが、今までのバンビの受難を思うと、そうも言いたくなります。何より、エイプリルやグレイスによると、今とても幸せそうなんだとか。
信心深くて、フェイスブックにやたら新約聖書の一節を投稿したりするバンビ。長い試練の時を経て、ようやく神さまの祝福が、我が家庭教師の上に降り注いだようです。日取りは未定ながら、結婚式にはぜひ呼んでもらいですねぇ。
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