2022年12月14日水曜日

歌い倒した二週間

 二週間の日本滞在も実質的に本日が最終日。明日朝のフライトでフィリピンに帰ります。

日本生まれなので「フィリピンに帰る」というのは、変と言えば変なのですが、移住してもう10年。やっぱり私にとってのホームは、フィリピン・ネグロス島。特に寒い時期だったので、常夏の湿気いっぱいで生暖かい気候が、恋しくて仕方ありません。

さて今回の一時帰国。前回、前々回と、学生時代の友達や親戚との再会予定を入れまくって、連日慌ただしく過ごしたのとは違い、比較的余裕を持ったスケジュール。あんまり人と会うつもりはなかったはずが、終わってみれば歌って喋った二週間となりました。

まずは、帰国二日目で参加したゴスペルの1日ワークショップという催事。大学の同級生で、大阪市内の某プロテスタント教会に属している人が、たまたまフェイスブックでシェアしていたお知らせを目にして参加することに。

私も以前は教会の聖歌隊にいましたが、カトリックの聖歌というのは、映画「天使にラブソング」で知られるようになった、踊り歌うゴスペルとは全然方向が違います。日頃は陽気なフィリピンでさえ、ミサ曲はどちらかと言うと、ゆっくり静かに歌い上げるものがほとんど。

聖体拝領(信徒が一人づつ、ちっこい煎餅みたいのを頂くやつ)の時に、フォークっぽいのを歌ったりすることはありますが、そもそも典礼聖歌って、どの部分で何歌うか決まってますからね。なので、私にはまったく未知の領域であるゴスペル。興味津々で出かけました。

集合場所は、大阪市内の住宅地にある小さなチャペル。その2階がミサというか礼拝ができるホールになっていて、信徒さんでありプロのシンガーである女性が指導。予想よりも集まった人は多くて、30人ほどもいらっしゃったでしょうか。

ちなみに指導されたのは、大山奈緒さんという方で、思いっきり大阪のおもろいお姉さん。YouTubeでもピアノ弾き語りで美声を披露されていますので、ご興味のある方はお聴きください。(Nao Oyama - YouTube) 

曲目は、お馴染みのクリスマス曲「もろびとこぞりて」と、「This little light of mine」という、昔の高校生がギターでキャンプファイヤーに歌いそうな曲。1時間半だけだったので、軽い発声練習と数回ざっと歌っただけながら、日頃孤独にボイスとレーニングに励む者としては、10年ぶりのハモリ。懐かしく楽しい時間を過ごすことができました。

しかも、練習後は近所の駅前交差点に出て、フラッシュモブを初体験。ミュージカル映画みたいに、突然一人が歌い出して、通行人のふりしたみんなが、少しづつ集まって歌い、最後はきれいにハモったコーラスになるというアレ。12月4日の黄昏時、大阪環状線の野田駅付近でこれを目撃された方、あの中に私がいました。

そしてさらに翌週。

実は日本にいる間もだいたい毎日、自宅近くのジャンカラに通って、約1時間のボイストレーニングをやってて、面白半分にジャンカラの店の写真をフェイスブックにアップしたら、スナックのママをやってる友達が、歌うならウチの店においでよと、実に真っ当なご提案。

この友達、10年以上前のまだ日本に住んでた頃、ミクシィを通じて知り合いました。お酒は全然ダメな私ですが、移住直前に一度だけ遊びに行ったことがあります。その後もフェイスブックで付き合いは続き、折角のお誘いなので10年ぶりにスナックへ。

平日ど真ん中だったので、それほどお客さんがいなかったのを幸いに、薄ぅ〜いウイスキーの水割り一杯で、ひたすらマイクも持たずに歌い倒した2時間。ビートルズ、クィーンから始まって、日本の歌謡曲にタガログ・ソングなどなど。とっても気持ちよく歌わせていただきました。他のお客さん「今日はケッタイな奴が来とるなぁ」と思われたでしょうね。

ということで、乾燥した空気にも慣れて、ようやく声の調子がエエ感じになったと思ったら、もう明日で故郷にさよなら。でも週明けには、イロンゴ語(西ネグロスの方言)の家庭教師バンビの紹介で、彼女の教え子たちのために、クリスマスパーティで歌うことが決まってるんですよ。



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