2023年2月20日月曜日

追悼・松本零士さん

 本日、2023年2月20日。漫画家の松本零士さんの訃報に接しました。享年85歳で、しばらく前から体調不良の報道などもあり、そう遠くない時期にこうなることは理解していたものの、本当にお亡くなりになると、どうしようもない寂しさを感じます。

1960年代生まれの私と同世代なら、松本さんのコミックなりアニメをまったく知らずに育った人ののほうが珍しいんじゃないかと思うぐらい。言うまでもなく「宇宙戦艦ヤマト」と「銀河鉄道999」が、その後の映像メディアに残した功績は計り知れません。

最近キンドルで読んだ豊田有恒さんの著作「『宇宙戦艦ヤマト』の真実」によると、基本設定は豊田さんで、旧日本海軍の戦艦大和のスタイリング踏襲のアイデアや、各種のメカニックなど、詳細を作り上げたのが松本さん。大雑把に言うと、宇宙戦艦ヤマトの全体イメージは、プロデュサーの西崎義展氏の企画の元、豊田・松本の合作で誕生したそうです。

ただ、ヤマトが大ヒットした後、西崎氏がすべて自分の創作物だと訴えて勝訴。新作の「宇宙戦艦ヤマト2199」などのテロップで、原作・西崎義展のみとなっているのは、昔からヤマトと松本零士さんのファンだった私としては、かなり抵抗があります。

それはともかく、ヤマトの第一話「SOS地球!!甦れ宇宙戦艦ヤマト」が放送されたのが、1974年(昭和49年)で、私が小学6年生。「侍ジャイアンツ」と同じ放送枠での後継番組という流れで偶然見たのですが、松本タッチ満載のメーターだらけのメカニックや、冥王星沖海戦の地球とガミラスの戦艦、戦闘機などの格好良さに驚愕。

さらには、地球人類が放射能汚染で絶滅寸前で、いきなり地球防衛軍が沖田艦長指揮の旗艦一隻を残して全滅するし、それまでの子供向けアニメの常識からすると、異様なまでの悲壮感。何より、唯一の希望であるイスカンダルの女王スターシャの、美しさと艶かしさ。この「松本・美女」に惚れ込んだ西崎氏からのオファーが、「松本零士のヤマト」誕生の発端だったらしい。

すっかりヤマトに心酔して、翌日クラスメートに熱っぽく語ったのに、誰も見てない。何しろ裏番組が、宮崎駿さんの「アルプスの少女ハイジ」と、小松左京さんと豊田有恒さん(何と豊田さん、ヤマトと両方手掛けてたんですよ)原作の「猿の軍団」。そりゃあ、そうなりますね。

私は、孤独を感じつつも、それからせっせと松本零士美女の模写。スターシャなんて何回描いたか分からないぐらい。後になって考えてみると、ビジュアルとしてのセクシーな美女と宇宙空間の組み合わせを、最初にメジャーにしたのは、松本零士さんのスターシャでしょうねぇ。

ちなみに、ヤマト初放送から30年後に生まれた私の息子。アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」と、私がフィリピンにまで持ってきたコミック「銀河鉄道999」にハマっております。親子2代、ひょっとすると3代に渡っての松本零士ファンって多いと思いますよ。

ということで、松本作品に関して書き出したら際限がないので、偉大なる漫画家へのオマージュとして数年前に描いた、「999」のメーテルと「ヤマト」の森雪のファン・アートを再掲して、松本零士さんのご冥福をお祈りします。




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