2023年2月8日水曜日

LGBTが普通に暮らせる国


出典:「自分らしく生きる

 このところ日本は、急にLGBTの方々や、性差別に関する話題で騒がしくなってきました。

それまでも政権側にいる人からの、同性婚に関して「生産性がない」、「女性が会議に参加すると時間がかかる」、10年以上前になりますが「女性は産む機械」などなどの発言。その度に「誤解を招いたなら申し訳ない」という、紋切り型の謝罪が繰り返されたわけですが、私には、どう考えたって誤解のしようがない、本音をそのまんま口に出しちゃったとしか思えません。

そして決定的ダメ押しとなったのが、首相の「社会が変わってしまう」発言に続く、首相秘書官の「見るのも嫌だ」。さすがに政権中枢にいる人物が、ここまで差別意識剥き出しにしたらアカんでしょう。

はっきり言って、同性愛者が嫌いだとか、女性が高い地位に就くのが気に食わないと思う人も、中にはいるでしょう。好き嫌いや個々の感情は、他人に変えられるものではありません。だからと言って、それを、いくらオフレコ前提でも、記者の前でぶち撒けるのは、社会性が乏し過ぎるとしか思えない。

さらに「国を捨てる人が出てきてしまう」に至っては、事実誤認というか、ほぼ被害妄想。私を含めて、海外移住をした日本人全員に対する、強烈な皮肉にさえ聞こえてしまいました。例のNHKクローズアップ現代の「安いニッポンから海外出稼ぎへ」が評判になってるタイミングですからねぇ。

そして、私が今住んでいるフィリピンの状況はと言いますと...。フィリピンほど、ゲイの人たちがありのままに生きている国って、ちょっと他に想像できないぐらい、自分がゲイであることを隠していない印象です。

まず、家内の勤務先である教育省のリージョンのトップがゲイ。日本ならば文科省で近畿地方を管轄する部門の責任者、みたいな地位に相当する人。その他にも、大学や高校の教職に就いていて、同性愛者を公言する人は多いし、スーパーのレジで男性がいたら、かなりの確率でゲイ。なぜ分かるかと言うと、メイクしてたり喋り方などで一目瞭然だから。

ビューティサロンに行けば、美容師は半分以上がゲイじゃないでしょうか。私が髪を切ってもらっているのも、近所では有名な美貌の男の娘(おとこのこ)、トネット嬢。そう言えば、いつも自転車の修理をお願いしてるのが、トンボイ君(女性同性愛者)。

もちろんフィリピンでは、いまだ同性婚は法的に認められていないし、まじめなクリスチャンの中には、相当な抵抗を感じている人もいる。家内の叔母がそうで、かつては同居していた甥っ子が女装し始めたのを嫌って、家から追い出したぐらい。

なので当事者にすれば、いろんな葛藤を抱えているかも知れませんが、少なくとも社会全体の許容度は、日本など比べ物になりません。そもそもオフィスでの管理職は、一般的に女性の方が優秀だとされて、男はダメでもゲイなら大丈夫、みたいな気分すらあるぐらい。

正直なところ私も、高額な買い物をするような場合、担当者がゲイならホっとしますから。ここまで行くと、逆差別と言われそうですが。

ということで、同性婚にしても、あるいはセットで語られることが多い夫婦別姓にしても、それをしたくない人に強制するわけではないんだから、認めたらいいと思うんですけどね。単純に、幸せになる人が増えるんだし。

日本の現政権の政治家や、強硬に反対する人たちって一体何を恐れているのか、私にはよく分かりません。


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