2018年6月27日水曜日

聖なるフィリピン人の名前


今日はフィリピン人の名前について。
フィリピンの姓には、その民族の歴史そのままに、マレー系、スペイン系、中国系、などがあります。ちゃんとした統計などを見たわけではないけれど、やっぱり圧倒的に多く感じるのがスペイン系。

家内の母方の実家は、シライ市内では名家と言われるオフィレーニャ。アルファベットだと「Hofileña」。n がエニョになっているので、見るからにスペイン語。その他にも親戚や友達の姓を並べてみると、セミラーノ、カブリエート、プダデーラ、モランテ、ロハス...。スペインっぽいのは姓だけで、みんなアジア顔ですけどね。

その次に多いのが、スペイン人が来る前からあるマレー系。家内の父方はパヒランガ「Pahilannga」。親戚にはバトー「Bato」。バトーは「岩」を意味するフィリピノ語。私たちが住んでいる街の名前シライ「Silay」も、地元の花の名前カンシライに由来する土着の言葉。

そして名前、ファーストネームになると、多くはクリスチャン名。聖書の登場人物や、聖人の名前を頂いたもの。

クリスティン(キリスト)、マリア(聖母)、ジョセフ(聖ヨセフ・マリア様の夫)。
イエス・キリストの12人の弟子からは、ピーター(ペトロ)、ジョン(ヨハネ)、アンドレ(アンデレ)、フィリップ(フィリポ)、マヒュー(マタイ)、サイモン(シモン)、ジェイコブ(ヤコブ)など。

その他の、ポール(パウロ)、カトリーナ(カタリナ)、アグネス、ベネディクト、クララ、などは聖人・聖女の名前。

ジョイとかデイジーなんて英語名の人もいますが、大抵はそれだけではなく、カトリック信徒らしい名前と合わせ技。例えばドロシー・フランチェスカみたいな感じ。フランチャスカは、フランシスコの女性形。

私がブログで使っているフランシスコも、聖フランシスコ・ザビエルに因みます。これは今から20年前に、ここネグロス島でスペイン人神父から洗礼を受けた時につけてもらいました。なのでフィリピンでの通り名はフランシス。

当然ながら、元ネタになる名前の数は限られているし、漢字を組み合わせる日本と違って、今までにないユニークな名前を作り出そう、という発想はあまりない。なので、どうしても同名の人がたくさんいることに。

ただ、本名は聖人・聖女からいただいた有難ぁ〜いものでも、日頃それを使うかというと、必ずしもそうでもない。私の知る限り、ほとんどの人はニックネームで呼ばれている。

私もフランシスコなんて、ちゃんと言ってくれなくて「キコ」。(フランシスコ〜シスコ〜シコ〜キコ....ばんざ〜い)本名の短縮形ならまだしも、何の関係もなく、ボンボンだったりノノイだったり。家内の友達で、アーネスティーナがなぜか「レ」になっちゃった人がいます。

家内なんて、歴代のメイドさんの名前を、全部一音節にして呼んでましたね。カトリーナは「カット」で、アミーは「アン」、ネルジーが「ジー」、ジャジャは当然「ジャー」。

せっかくいい名前があるんだから、もう少しちゃんと呼んであげなさいと思いますが、当人はそれで気分を悪くすることもなく、家内のことを「タ〜」(年上女性の敬称ティタの略)と呼び返したりしてました。


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