2018年6月17日日曜日

コンドミニアムには手が出せない

フィリピンと言えばコンドミニアム、とイメージされる人も多いでしょう。英語の Condominium は、日本で言うマンションのこと。そもそもマンション Mansion は共同住宅ではなく「豪邸」の意。フィリピン人に「私は日本でマンションに住んでます」なんて言ったら、正真正銘の大金持ちだと勘違いされること間違いなし。

そういえば、ここネグロス島のシライ市内では、市によって保存されている旧富豪宅を「ザ・マンション」と名付けて、カフェ・レストランを営業してます。確かにすごい家ですね。

そのコンドミニアム。マニラやセブでは、もうずいぶん前から建設ラッシュが続いてます。私のように、フィリピン国籍を持たない外国人は、国内の土地所有は許されませんが、コンドミニアムなら購入可。ひょっとすると、これを読んでいる方にも、オーナーさんがいるかも知れません。

私もフィリピン移住を検討していた頃には、別荘代わりに買っておこうかと、チラっと思ったことも。隣街のバコロドでも遅まきながら、エラい勢いで何棟ものコンドミニアムが建設中。物件によっては、日本の何十分の一ぐらいの価格なので、夢のような話でもありません。


ここは本当にネグロスか?
出典:Shoppers Guide

ただ、実際に住んでいる人の話を聞くと、いろいろ問題があるらしい。何といっても作りが日本ほどキチンとしていない。タイルが少し曲がってる、ぐらいならいいけれど、とにかく水回りのトラブルが多発。大雨が続くと壁から雨水が浸みてきて、そこから漏電したり。エアコンからの水漏れもよく聞きます。

だいたい、こんなに雨の多い国なのに、コンドミニアムに限らず、住宅の防水は杜撰な工事が後を絶たない。我が家の建築中にも、スチール瓦の購入先に紹介された屋根職人が大外れ。屋根ができた翌月には盛大に雨漏りして、ちょっとした騒ぎになりました。

幸い、まだコンクリート打ちが終わってすぐの時期。内装も何もなかったので、損害はなし。瓦メーカーのセールスマンを呼びつけて、無料で別の職人に補修を頼むことができました。

そういうスカタンな工事を間近に見ているだけに、何か不具合があった時に、自分一人では手の施しようがない集合住宅は、とても購入しようという気が起こりません。実際、聞くところによると、新築すぐのものより、数年人が住んでダメ出しも修理も終わった物件の方が無難で価値が上がるケースも。

私のように、向こう何十年も住もうとなると、状況はさらに暗澹たるもの。補修費用の積立など聞いたことがないので、建物が老朽化したり、台風や地震の被害を受けたりしたら、どうするつもりなんでしょう。それでなくても劣化の速いフィリピンの建築物。想像するだけで怖くなります。

投資対象としても、かなり難しいようで、ざっとネットで調べてみても、あからさまな誇大広告を別にすれば、大損したとか後悔してるという話が多い。

実のところ私は、フィリピンだけではなく、大枚叩いて日本でマンションを購入するというのも、厳しいんじゃないかと思っているぐらい。まず平均的な世帯収入に対して、価格が高すぎる。

フィリピン同様かそれ以上に自然災害の多い日本で、支払いが終わるまで何十年もかかるローンを組むのはリスクが大き過ぎ。1995年の阪神淡路大震災の後には、二重ローンの悲劇をいくつも耳にしました。日本での持ち家は到底無理と考えたことが、私のフィリピン移住の理由の一つでもあります。

ということで、今からフィリピン移住を考えておられる同士諸氏には、賃貸ならまだしも、いくら言葉巧みに誘われても、コンドミニアムの購入には慎重になっていただきたい。特に現物を確認せずに支払ってしまうなんて、金をドブに捨てるようなもの。

フィリピン人配偶者名義で土地を購入して、家を建てるほうがまだリスクは小さいでしょう。もちろん夫/妻が信頼できる人だというのが大前提。間違えても、知り合って間もなく入籍した、若いフィリピン女性の言いなりになって...というのだけは止めておいた方がいいですよ。


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