このブログの執筆中(2019年10月11日フィリピン時間午後3時)に、「typhoon」でググると、Super Typhoon Hagibis (スーパー台風ハギビス)の記事がたくさんヒットします。ハギビスとは、現在日本に接近中の台風19号の国際名。直接影響を受ける日本以外から注目されるほど、記録的な強さと大きさ。
この「ハギビス」という名前。実はフィリピンから提供されたもの。2000年より、南シナ海と北西太平洋で発生する台風には、日本を含む14カ国が加盟する台風委員会が命名することになっていて、名前は加盟各国から提供された合計140個を順番に使用。
フィリピンでは、この国際名とは別に、国土に近づいた台風や熱低に限ってPAGASA(フィリピンの気象庁)が独自の命名を行っていますが、今回は皮肉なことに、フィリピンに被害を与えない19号台風に、フィリピノ語の名前が付けられました。
意味は「迅速な」とか「俊敏な」。人の名前にも使われるらしく、フィリピンを舞台としたNHK大河ドラマ「黄金の日日」で、主人公の呂宋助左衛門が漂着する、ルソン島の戦士の名前がハギビスでした。日本語ならば「敏郎」みたいな感じでしょうか。
一方、日本語の記事では、その進路が酷似していることから、1958年(昭和33年)に、関東地方に甚大な被害をもたらした、狩野川(かのがわ)台風の再来かとの声も。つまり、こんなに強力な台風が関東地方を直撃するのは、ほぼ60年ぶりということ。
当時はまだ、ジェーン台風(1950年 / 昭和25年)や伊勢湾台風(1959年 / 昭和34年)、第二室戸台風(1961年 / 昭和36年)など、近畿地方で大きな被害を出した台風の記憶が、生々しかった時代。過去の記録と映像で、台風がもたらす被害の詳細を、分かりやすく解説した内容に、家族でずいぶん熱心に観たことを覚えています。
これは、被害が最も大きかった伊豆付近だと思いますが、東京都内でも約33万戸が浸水。江東区、墨田区、葛飾区など下町だけでなく、水害が起こりにくいとされた、世田谷区、杉並区、中野区と言った山手でも被害が出たそうです。
もちろん、下水などのインフラ整備が進み、当時とは様変わりしているので、進路が似ているから同じ惨事になるとは限らない。それでも、上陸予想の前日に「非常に強い」勢力と、瞬間最大風速が秒速70メートルとのこと。
とにかく風雨が強くなってきたら、絶対に外出はしないでほしい。下手に窓を開けたりしたら、室内に吹き込んだ風の逃げ道がなくなって、屋根が吹き飛ばされてしまうこともあるそうです。ましてや出勤するなんて、自殺行為でしょう。フィリピンだったら警告がなくても、仕事に行く人なんて絶対にいません。
ということで、少しでも台風の影響が軽く済む事を、ネグロス島から願っております。この投稿が、ただの空騒ぎで終わりますように。
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