シライ市内にある公立病院 |
ここ数日で、コロナ関連の動きがいろいろありました。フィリピン全体に関わるニュースや、ここネグロス島、そして私の住むシライ市内で見聞きした話をまとめてみます。
まず、やや明るい話題から。ずっとこのブログでこき下ろし続けてきた、中国製のワクチンのひとつ、シノファームの臨床試験結果が報告され、それによると効果は78%とのこと。一応WHO(世界保健機構)も、緊急使用リストに加えたし、フィリピンでも利用許可の申請中です。
ただ、ややこしいのは、ドゥテルテ大統領が何を思ったのか、まだ正式な許可が出てないシニファームのワクチンを、フライングで接種していまい、批判の集中砲火で大炎上。それでなくても、領土問題で大揉めしてる中国絡み。結局ドゥテルテさんは謝罪の上、すでに中国から寄贈されていた同ワクチン1,000回分を、叩き返すと発言。
まぁ、感情的には分からないでもないけれど、そんな子供っぽいことやってる場合じゃないでしょうに。国内でのコロナ感染者が100万人を超え、死者が1万8千人以上の大惨事(2021年5月7日現在)。ファイザーやアストラゼネカのワクチンに比べて見劣りしても、使えるものは何でも使わないと。
そして、我がシライ市を含む西ネグロス州の感染状況は、また一段と悪化し、州全体での陽性者数は2,000人以上で推移し、シライ市内では134人。(2021年5月8日現在)。数日前は168人だったので、ピークは過ぎたかも知れませんが、ここ半年以上10人前後で安定していたことを考えると、暗澹たる気分になります。
これは飽くまで素人考えですが、インドで猛威を振るっている、感染力が高いと言われる変異株なのでしょうか。とは言え、私は専門家でも医療関係者でもないので、今まで通り、できるだけ外出を控え、マスクの着用、手洗いの徹底を続けるしかありません。
この状況を受けて、西ネグロスのラクソン州知事は、昨年以来2回目となる、厳格なロックダウンの検討に入ったと噂されています。ここまでヤバいと、責任者としてはそう考えるでしょうね。
それにしても、我が家のメイド、ライラおばさんを始め、日銭稼ぎの人たちはロックダウのその日から収入がなくなります。もう、生活困窮者に食料を配布するだけの、財政的な体力が各自治体に残っているのか、すごく不安。
ところで、先日コロナで亡くなった、家内の職場の同僚(女性)。その最期の様子が、病院で同室だったという人から漏れ聞こえてきました。驚くことに、感染を恐れた医師や看護師が、ほとんど放置していたらしい。誰にも看取られず、トイレに行こうとしてベッドから出たところで倒れ、そのまま絶命。その無念たるや、察するに余りあります。
彼女が入院していたのは公立病院。これはコロナ禍で始まったことではなく、フィリピンでは費用の高い私立と安い公立で、露骨なまでに患者の扱いに格差があります。報酬が低いから、医療関係者の質も悪い。残念ながら、これがフィリピンの現実。
ちなみに、4月28日付けの在フィリピン日本大使館からお知らせがありました。医療施設の逼迫を理由に、帰国できる人は、早く帰国した方が良いと読み取れるような書き方。ほとんど避難勧告のような内容。確かに、ネグロスよりさらに事態が深刻なマニラ首都圏なら、陽性になっても入院は困難。もし重篤化したら一巻の終わりになりかねません。
ネット上では、富裕層を対象に、ワクチン目的で海外渡航する「ワクチン・ツーリズム」なんて言葉が登場。日本でも、まだ時期は未定としながらも、在外邦人が一時帰国してワクチン接種ができるよう、準備を始めたとの話も。これは冗談でなく、本気で考えるべき段階に入ったようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿