昨年(2021年)の12月から、私のイロンゴ語(西ネグロスの方言)家庭教師をやってもらっている今年40歳のバンビ先生。家内が勤務するフィリピン教育省のシライ・オフィスの同僚にして、現役の学校教師です。
前任のアンも高校の英語教師でしたが、アンに劣らぬ真面目で分かりやすい教え方。そしてアンにはなかったのが音楽の素養。ギターとピアノができて、ただ演奏するだけでなく、そちらの先生もやっているという多才ぶり。一度は、キーボード持参で、私の歌唱に合わせて、ちょっとしたセッションもやったことがあります。
さらには、語学と音楽の組み合わせで、私の好きな日本の歌謡曲のイロンゴ訳をお願いして、それをYouTubeに投稿したり。授業の幅の広さで言うと、歴代5人の先生の中では一番と言っていいでしょう。
そんなオールマイティなバンビですが、唯一の問題は忙し過ぎること。
バンビとその家族・親戚は、熱心なプロテスタントの信者さん。不良カトリック信徒の私とは、比べものにならないくらいの打ち込みようで、礼拝でもピアノ奏者として活躍してるし、イースターやクリスマスとなると、ほぼ毎日、教会行事で大忙し。
加えて前述の音楽レッスンに、落ちこぼれの生徒さんのための個人補習。先日などは、二週続けて、卒業後の就職や進学のためのレジュメ(履歴書みたいな書類)作成のお手伝い。そのシワ寄せが、プライオリティが一番低い、私の授業に来てしまうという次第。
さすがにバンビも気にしているようで、助っ人を連れてきてくれました。それが、バンビの姪っ子、26歳のエイプリル嬢。「嬢」と言っても、もう4歳の男の子がいるお母さん。
実は、バンビの実家は、家内が子供の頃のお隣さん。バンビの長姉が、家内と同級生の遊び友達だったそうです。フィリピンによくある、子沢山で長子と末っ子が親子ほどの年齢差。バンビが生まれたのは、もう家内が市内の別の場所に引っ越した後だったので、会ったのは大人になってからですが、共通の知り合いや話題には事欠かない間柄。
そしてエイプリルのお母さん、つまりバンビの次姉も家内の顔見知りという世間の狭さ。田舎町では、往々にしてこういう事があるようです。ちなみにエイプリルのお母さんは、私より10歳も若いそうです。母娘ともに、早くに子供を産むというのも、フィリピンあるある。
さて3週間前、バンビに連れられてやって来た、笑顔がチャーミングなエイプリル。ノースリーブの二の腕は、結構な筋肉が。聞くと、やっぱりピアノを弾くそうです。
もう亡くなりましたが、バンビのお父さん(エイプリルのお祖父さん)が、シライでは有名なミュージシャン。その影響で親戚一同が音楽愛好家揃い。エイプリルは、ビートルズやカーペンターズ、クイーンの楽曲も知ってました。何か一曲歌いましょうか?と言ったら、リクエストがジョン・レノンの「イマジン」。選曲が渋すぎる。
肝心の教師としての経験はというと、教員免許はないものの、大学ではコミュニケーション関係の学位を取って、プライベートで英語を教えたりしたこともあるらしい。途中からバンビに代わって相手をしてもらっても、特に問題はなさそうです。
ところで、家庭環境はちょっと訳ありのエイプリル。つい最近、旦那さんと別居。法的には離婚が認められないフィリピンでは、別居(separate)は、事実上の離婚(divorce)を意味します。聞くところによると前夫は、心の病を患っておられたらしく、止むを得ず家庭生活に終止符を打ったとのこと。
ただフィリピンの場合、シングルマザーになっても、沢山の家族や親戚たちが、寄ってたかって子供の世話をしてくれるケースが多く、エイプリルも叔母であるバンビと同居。路頭に迷うようなことはありません。
ということで、多忙のバンビに代わって、すでに2回の授業を見てもらってるエイプリル。前日にメッセンジャーで提出した宿題は、ちゃんと印刷して赤ペン先生して持参してくれるし、何より若くて魅力的な女性と、2時間話ができるのは、それだけで励みになりまねぇ。
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