2019年8月28日水曜日

玄関出来たら日本のお家

1週間前にタイル張り開始の投稿をしましたが、その作業もトイレと浴室以外は、ほぼ完成に近づきました。特筆すべきは、今日のタイトルにある玄関周り。

何度かこのブログでも指摘した通り、一般的なフィリピンの家屋には、いわゆる日本的な意味での玄関はありません。私が実際に入れてもらったことがある、アメリカやヨーロッパの家と同様に、ちゃんとした家でも、扉を開けたらいきなりリビングだったりするパターンがほとんど。

広ければ、エントランスからソファセットや食卓が並ぶ場所まで距離があるので、そんなに奇異な感じはないけれど、小さい家だと「タグバラーイ(ごめんください)」と言ったすぐ目の前で、家の人がテレビ見てたり、ご飯食べてたり。移住して7年近く経った今でも、これは慣れません。

フィリピンの庶民的感覚から言うと、突然の来訪者にでも食事を勧めることがあり、「タポス・カ・ナ・パニャーガ?(お昼ご飯食べた?)」が挨拶になるようなお国柄。こう書くと、何となく大阪のオバちゃんっぽい。人と人の距離が、心理的・物理的に近いので、敢えてお客さんとの間に、ワンクッション入れる必要がないのかも知れません。

さて、5年前に建てた自宅には、一応「玄関ホール」と呼べる程度の空間を設けています。入ってきた正面の壁面に靴箱を置き、その上には切り花や、日本から持ち込んだ博多人形を飾ってます。竣工後に「祝福」をしてもらった神父さんには「すごくユニークな間取りですね〜。」と感心されてしまいました。

そして、内装工事が七割方出来た、今建設中のゲスト・ハウス。こちらは、私が育った日本の実家の間取りを再現しているので、ほんの一坪強(約4平米)程度ながら、和式の玄関そのもの。

もちろん木造ではなく、畳を敷いているわけでもないけれど、三和土(たたき)と框(かまち)があるだけで、間違いなく玄関。いくらタイル張りでも、日本で生活していた人なら一目瞭然の懐かしさ。

そこでこれを機に、家屋に日本的なもの感じるには、どんな要素があるかと考えてみました。一番に思いつくのは建具。障子や襖があれば間違いなく和風でしょう。さらに畳があればダメ押し。とは言え現代日本では、こうした道具立が、必ずしも郷愁を感じさせるとは限らない。

一戸建てでもマンションでも、テーブルと椅子、ベッドの生活が一般的になり過ぎて、新築の建売りなら、襖や畳がある部屋が一部屋あるかどうか。特に都心部では、畳の間に置いたちゃぶ台でご飯たべて、毎日布団の上げ下ろしをしてる、サザエさん一家みたいな人の方が少ないと思います。

今回、昔の間取りを再現して分かったのは、私にとって家屋の日本らしさの代表は、玄関がある間取りと、三和土と床面の段差だと実感。マンションでは小さくなっても、段差が無くなりはしない。靴を脱いで、外と内の境界を成す、大切な場所ですからね。

ということで、その段差の、框に相当する部分に、階段用のステップ・タイルを使い、三和土にはやや高価なタイルを選びました。おそらく大工さんにすれば、この空間だけでも無駄なのに、さらに手の込んだ細工をするのは、何のためだと思ったでしょう。



こちらは勝手口

概念の説明から入って、小さなミスは何回かあったものの、ようやく姿を現した日本風の玄関。仕上がりには、かなり満足しております。


8/23〜8/28の出費

セメントなど:6,315ペソ
土砂・コンクリートブロック:9,300ペソ
配線材料:2,015ペソ
角材50本:7,250ペソ
大工さん給料:18,525ペソ
電気工事料:3,500ペソ

計:46,905ペソ

本日までの合計:1,424,251ペソ


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