2020年9月30日水曜日

路上で犬の放し飼い

 一昨日の9月28日は、「世界狂犬病デー」だったそうです。

日本の厚生労働省のホームページによると、この日は、19世紀に狂犬病ワクチンを開発したフランスの細菌学者、ルイ・パスツール博士の命日。それを記念して2006年に制定されました。目的は、人及び、動物における狂犬病の影響やその予防法についての啓蒙。

農林水産省は、日本を含む7地域(オーストラリア、アイスランド、ニュージーランド、ハワイ、グアム、フィジー)を「清浄国・地域」に指定。つまり日本では狂犬病が存在しないとされています。

ただし、台湾やイギリス、ノルウェーのように、2012〜13にかけて、野生動物の狂犬病が確認されたため、非清浄国(すごい呼び方!)扱いになってしまった例もあるので、油断はできません。

狂犬病は犬や猫の感染症で、咬まれたり、引っ掻かれることで、唾液を通じて人間にも感染。発症すれば重篤な神経症状になって、まず助からない怖い病気。

そして我がフィリピンは、今でも年間の死亡例が200〜300件も報告されている、言わば狂犬病の蔓延国。今年(2020年)5月には、フィリピンから日本に渡航した方が、フィリピン国内で感染した思われる狂犬病を発症したとの報告がありました。(人から人への感染はありません。)

フィリピン国内では、狂犬病撲滅に向けて、各地方自治体によって毎年、無償のワクチン接種が行われています。我が家の飼い犬ゴマもすでに2回接種。


我が家のゴマ

とは言え、野良犬は多いし、自宅前の路上で放し飼いにするのがデフォルトの、ここネグロス島。家にいる時は庭で飼われていても、散歩の際はノーリードの飼い主も多い。それも小型犬ならまだしも、かなり大きなシェパードだったりすると、犬を飼っている私でもちょっとビビります。

騒音や、焚き火の煙を撒き散らして、日々周囲に迷惑をかけている例のお向かいさんも、犬を一頭放し飼い。さらに少し離れた、大学教授のお隣さんは、二頭。狂犬病の心配だけでなく、家の前を普通に歩いたり自転車で通ったりすると、ものすごい勢いでワンワンと追いかけられて、鬱陶しい事この上なし。

さらに、昼夜を問わず、我が家の前をうろついてくれるので、その度にゴマが吠えて大騒ぎ。最近では、棒切れ片手に、自宅前の犬を追い散らすのが、私の日課になってしまいました。

以前にも書きましたが、この放し飼いの習慣で、通行人が咬まれて怪我をする事故って多いと思いますよ。特に子供の場合は、とても危ない。フィリピンの人が、トライシクル(輪タク)を多用して、近い距離でも滅多に歩かないのは、年中真夏の気候もあるでしょうけど、犬に襲われるリスクを回避する意味もあるんじゃないか?

こんな状況なので、ワクチン接種をするだけでなく、もう少し犬の飼い方を何とかするのが先決。去勢や不妊手術ってまずしないし、増え放題というのも問題。

ちなみに、隣の大学教授は、さすがに教育があって話が分かる。その後、家内に頼んで苦情を言ってもらったら、この頃はちゃんと鎖でつなぐようになりました。こういう物分かりのいい飼い主がもっと増えないと、フィリピンの狂犬病はなかなか減りそうにありません。



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