発生時点で、すでに猛烈な強さになることが予想され、日本でもニュースになっていたらしい2号台風、国際名マーワー(Mawar)でフィリピン名はベティ。これがまさに予想通りのスーパー台風で、直撃を喰らったグアム島は、全島が壊滅的な被害。インフラがダメージを受けたのはもちろん、空港も閉鎖され、なんとも気の毒なことに、運悪く滞在していた日本人観光客の皆さんが、ホテルは追い出された上に帰国もできない状態。例によって日本政府の対応は冷淡なんだとか。
そして、私たちが住むフィリピン・ネグロス島。今まで何度も台風には痛い目に遭っているので、雨雲レーダーや日本気象庁のサイトで、強さと進路を逐一チェック。当初からフィリピンの主要島嶼に上陸の可能性は薄そうだったし、せいぜいルソン島北部を掠めるぐらいだろうと思ってたら、これが意外に大きな影響が出ました。
ネグロスへの最接近(と言っても何百キロも離れてますが)は、昨日(2023年5月29日)の月曜日。雨はほとんど降らなかったものの、終日の強い南風。風だけに限れば、並の台風の強風圏に入ったんじゃないかと思うぐらいの激しさ。庭の植木は倒れるし、室内にまで風が吹き込んで、カーテンが外れてしまうほど。
その程度ならブログには書かなかったんですが、厄介なのが停電の多発。こっちでは台風が来なくても、伸び過ぎた樹木の枝が送電線に触れてショートなんて事故が多い。結局24時間で3回も電気が止まり、そのうち2回は2時間以上に及ぶ長時間停電。
そして停電の最中、職場にいる家内から電話で、大学生の甥っ子アンドレとその友達に、我が家の発電機を使わせてやってくれないかとの電話が。タイミング悪く、当日の昼過ぎに教授に提出予定のレポートがまだできておらずピンチなんだとか。「そんなギリギリになるまで放置するなよ」と喉元まで出かかりましたが、今それを言っても仕方がないので、二つ返事で引き受けました。
昼食後に、慌ただしく自家用車でやって来たアンドレと友人の二人。発電された電気を使ってバタバタと1時間ほどの作業。なんとか間に合ったらしく、お礼の言葉も早々に足早に去っていきました。
結局、私の知る限り、ネグロス島のシライ市内では、目立った被害は停電ぐらい。今日が締め切りだったオンライン日本語クラスへの授業料振り込みもできたし、停電後にしばらく不調だったインターネットも復旧。やれやれです。ちなみに強風の方は、翌日の今日になっても、まだ時々思い出したように吹き荒れてます。もう停電するなよ〜。
ブログ執筆中もどんより曇ったネグロス島 |
それにしても、はるか沖合いを通過しただけでも、これほどの影響の大きかった台風ベティ。もしネグロスを含むビサヤ諸島に上陸してたら、10年前のヨランダや一昨年のオデットと同様、多数の犠牲者を出す大惨事になっていたのは、想像に難くありません。実際、今回のグアムでの映像を見ると、まさしくヨランダの悪夢再びの惨状。
ということで、このベティ。これで終わりではなく、5月30日現在は台湾の東海上にあって、今後沖縄から日本の本土に上陸する可能性も。これはまだまだ予断を許さない状況が続きそうです。どうか皆さまご無事で。
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