先週投稿した「フィリピンをディスる在留邦人たち」が、最近の私のブログにしては珍しく反響が大きく、いつになくコメントもいただきました。やっぱり同じことが気になってる人が、多いんでしょうね。
その中で「フィリピンの男はバカしかいない」という某日本人のツイートを取り上げて、そうじゃないだろ、みたいな事を書いたわけですが、タイミングが良いのか悪いのか、ABS-CBNが「フィリピン人のIQが低い」との記事が。それによると、最近の調査ではフィリピンの平均IQが200カ国中111位で、なんと81.64しかなかったらしい。(Bakit mababa ang average IQ ng mga Pinoy kumpara sa mga taga-ibang bansa?)
ちなみに普通は100程度はあるそうで、130だと天才、俗にギフテッドと呼ばれる子供のレベル。70以下だと知的障害者とされ、支援が必要となります。ただ70以上〜85以下は「境界知能」。障害とまでは行かなくても、学校では通常の授業についていくのが難しく、仕事もなかなか覚えられない。IQでは世界2位の日本でも、この境界知能の人が統計上は全人口の14%、1,700万人もおられるそうです。これは全然知りませんでした。(NHK WEB特集 なぜ何もかもうまくいかない? わたしは「境界知能」でした。)
悲しいことに日本では、境界知能だと支援を受けることもできず、かと言って通常の業務に就いても長続きしない。簡単な計算ができなかったり、物の名前が覚えられないので、本人は努力しているにもかかわらず、周囲からは「不真面目」「やる気がない」と見られてしまう。
そう言われれば、このブログを書き始めてから、ある一定の割合でトンチンカンなコメントする人たちがいますねぇ。いわゆる日本語を理解できない人。短い文章の意味は分かるので、タイトルだけに脊髄反射。ちょっと内容を読めば分かるはずのことを重ねて質問したり、結論とは逆の事を書いたり。
そして問題なのがフィリピンの人々。確かにドン引きするぐらい計算がダメな人が時々います。さらに深刻なのが、とてもシンプルな因果関係に基づく予測ができないケース。つまり、半月先までの生活を賄う必要のある給料を、1日で費っちゃったり、月曜日の朝早くに仕事があるのに、日曜日深夜にドンチャン騒ぎしたり。その結果、早々に雇い主に給料の前借りを頼むわ、月曜日は休んじゃうわ。年に数回程度ならともかく、毎回これだとクビにもなるでしょう。
なるほどなぁ。あれは態度が悪いのではなく境界知能が原因だと考えれば、いろいろ腑に落ちます。
ただ私が10年間フィリピンに暮らした印象からすれば、全員が境界知能レベルとはとても思えません。おそらく、それ相応に教育を受けられる環境にあれば、日本の平均と同じか、さらに聡明な人も多い。飽くまでも私の感覚ですが、高い方と低い方に二局分化してる気がします。まさに貧富の差が知能の差にまで影響している。
ABS-CBNの記事では、記憶力偏重のフィリピンの教育の、質の改善が必要との意見があります。それよりも私は、何度もこのブログで指摘している通り、教育で使う言語の一本化が急務だと思います。教科としての英語だけでなく、数学や理科も英語で書かれた教科書で、社会や歴史はフィリピノ語。私の住むネグロスなど、母語のイロンゴ語に加えて2言語必須になるという重すぎる負担。なので英語とフィリピノ語が苦手だと、ほぼ全教科全滅になってしまいます。ひょっとすると、IQテストの英語で書かれた問題の文章が、理解できないから点が低いなんてこともあるのかも。
私のイロンゴ語の家庭教師で、現役の高校教師のバンビによると、英語ができる子は知的レベルも高い。そりゃ必然的にそうなるでしょうね。例えば日本だと、英語ができなくても、腕のいい技術者になることは可能ですが、フィリピンでは英語苦手な子は、最初から理系の道を断念するしかない。
ということで、フィリピンで息子を高校に通わせている親としては、暗澹たる気持ちになる話でした。
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