2023年6月20日火曜日

フィリピン妻を褒める


新婚当時に描いた家内の似顔絵

 今日の投稿は、手前味噌が過ぎるとか、惚気と思われても仕方ないんですが、ウチの家内が素晴らしいというお話です。

かれこれ今年で結婚25年の銀婚式を迎えたのは、何度かここでも話題にした通り。昔風の表現を借りれば「糟糠の妻」。もちろん米糠で漬物漬けたりしたことはないし、新婚の頃、そんなに苦労したわけでもないんですが、まぁ四半世紀も一緒だったので、人並みにいろんなことがありました。

まずは言いたいのが、フィリピン人配偶者でありがちな、金銭や時間に関するトラブルが一切なかったということ。義両親や親戚から金を貸してくれというのがほぼなく、一回だけあった叔母からの頼みは、本当に困っていたし信用もしてる人だったので、数十万円を貸しましたが、これはのちに完済。

もちろん家内本人の金銭感覚は、平均的な日本人かそれ以上にキッチリしていて、かつて日本での専業主婦時代にも、財布を預けっぱなし。月末に困ったとか、変な買い物されたってことは皆無。それどころか、自分で子供向け英会話の教師職を見つけて来て、一時は月収が約30万円。そしてこれもコツコツ貯めて、ネグロスの父に自動車をプレゼントする親孝行ぶり。

ちなみに器量はというと、すごい美人というわけではないけれど、結婚した30代前半で高校生に間違われる童顔。フィリピンでも日本でもやたら道を聞かれるぐらい、誰からも警戒心を抱かせない雰囲気があります。何よりも「聡明な」という形容詞がぴったりの優等生タイプ。

元々は、フィリピン大学(日本の東大に相当)に奨学金もらって現役入学した秀才で、私と結婚するまで大学に残って研究員をやってました。給料も悪くなかったはずだし、なぜ私と一緒になってくれたのはいまだに謎です。本人曰く「騙された」んだそうですが。

そして、お金に関してのみならず、時間を守る感覚も日本的。約束の10分前に先着して待ってるフィリピン人を見たのは初めてでした。これはどうやら家内だけが突然変異だったのではなく、母方の親戚、オフィレニア一族の血統らしい。家内の母も叔母たちも、やたら学校の先生が多く、私に対する口調までが「教育的指導」っぽいほど。その影響で、家内の従兄弟姉妹たちは、揃って時間厳守が板についている。

この「教職の血」は、家内にも色濃く流れていて、息子が生まれてからは満を辞した感じで、教育ママとなりました。生後数ヶ月の頃からの英語絵本の読み聞かせに始まり、今では唯一苦手なタガログ語をビシビシ指導。もちろん必要以上に厳しいわけではなく、時にはフィリピンの母らしく、息子が辟易となるぐらいハグ&キスの雨アラレになったり。

こういう細やかな情愛の表現は、夫婦生活を維持する上でどれだけ大切かを、結婚して25年経った今でも実感している次第。これは日本人同士でも同じなんだろうと思いますが、相手が配偶者でも子供でも、「あなたを大切に思ってます」という気持ちを言葉や態度に出すのは基本中の基本。私の親の世代ほどではないにしても、羞恥心旺盛な日本人が、一番苦手とする分野かもしれません。

家内の場合、この愛情表現が十分かつ適度。まぁたまには行き過ぎて変な嫉妬になることもありますが、陰にこもらず陽性で分かりやすい表現になるのは助かります。

そんな感じで、最初に家内を始めとする、真面目で几帳面な人々との付き合いから入ったフィリピン生活。1990年代辺りに、やたら本や記事になったような、いかにフィリピン妻やその親戚から金品をタカられたか、という話は、共感はまったくなく、「それどこの国のこと?」なんて、驚きを持って眺めたものです。

その後の本格的なネグロス移住では、煩雑極まりない各種の手続きや、自宅建設など、もし家内の働きが無かったら、どれも途中で頓挫してたんじゃないかと思うぐらい。今も私が超手抜きな専業主夫やってられるのも、家内がお役所勤めをして稼いでくれているお陰です。

ということで今日は、手放しで妻を褒めてみました。



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